ボードゲームストリート2013
グループSNEによる毎年恒例のボードゲーム紹介本が今年も発売された。『ボードゲームジャンクション』から数えると4年連続の刊行となる。1冊ずつ読んでいけば、2010年代のゲームの流れがどのように変遷しているか理解できるだろう。
『Role&Roll』の連載に書き下ろしを加えたもので80ページ、カラー写真で主な作品を紹介した後、今年1年の注目の新作をレビューし、リプレイ、シンプルな作品の紹介、インディーズ作品の紹介、iOSアプリの紹介、座談会という構成は昨年のものを引き継いでいる。
まず注目は「はじめに」で安田均氏が行う1年間の総括。どんなゲームがトレンドだったか、どんなゲームが注目されたかを振り返っている。2012年はダイスゲーム、ストーリーのゲームの流れが顕著だとし、それぞれ代表作として『ベガス』と『アンドールの伝説』を挙げている。この2つのゲームの流れの親和性にはTRPGから来ているというのは卓見だと思う。
昨年の『ボードゲームストリート』では、2010年から引き続いてデッキ構築とワーカープレイスメントを主流としていた。その流れでは今年『ツォルキン』に注目している。
このような総合的な視点は、各ゲームのレビューの中にも盛り込まれていて興味深い。ゲームの概要は今やウェブでほとんど分かってしまう時代だが、そのゲームがシステム面において従来品からどのように優れているかとか、今年の全体的な流れにどのように位置づけられるかという評論はなかなか読むことができない。
例えば先月、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた『アンドールの伝説』は、協力ゲーム、ストーリーゲーム、多人数ソロゲームというキーワードで分析する。協力ゲームは『パンデミック』型と『人狼』型に分けられ、このうち『アンドールの伝説』は前者に分類されるという。そして「アメリカ生まれのRPGを、ドイツのボードゲームで処理したらこうなるという見本」という評は実に的を射ている。こういったハイブリッドが2010年代に、新しいトレンドの下地になっていくと思われる。
このように書いてくると、マニア向けの書籍のように感じられる方もいるかもしれないが、ゲーム中の様子を描写したリプレイ記事と、ルールが難しくないゲームを好む人向けの「ウニ頭にもできるもん!」で幅広い読者層に対応する。また、海外版の出た日本人作品や人狼ブームについても触れるなど網羅的な本である。
ウェブではなかなか読めないボードゲーム評論に興味のある方にも、最近始めたばかりで面白そうなゲームを探している方にも、1度遊んだゲームをもっと掘り下げてみたいという方にもオススメの一冊だ。
バンダイ、映画『モンスターズ・ユニバーシティ』で4タイトル発売
バンダイは6月22日、ディズニー・ピクサー映画『モンスターズ・ユニバーシティ』の公開(7月6日)に合わせて4タイトルのゲームを発売する。
『サリーの絶叫ゲーム ドッキドキドアノック!』は、プレイヤーが順番にドアをノックしていくと、誰かがノックしたときに突然サリーが絶叫とともに飛び出すゲーム。1人1回ずつノックして、おどかされた人が負けるノーマルモード、キャニスターをドアの前にセットし、サリーが飛び出すと吹っ飛ぶ絶叫クラッシュモード、キャニスターを遠くに立ててノックでサリーを飛び出させ、すべてのキャニスターを吹っ飛ばすキャニスターシュートモードの3つのモードで遊べる。絶叫サウンドもたくさん内蔵されていて飽きさせない。3990円。
『マイクのバランスゲーム ドッキドキとしょかん!』は、プレイヤーが順番にマイクの手に本を積んでいき、くずしてしまった人が負けるバランスゲーム。本は全部で16冊あり、積み上げると高さは30cm以上にもなる。本の裏側にマークが描かれているものが8個あり、その本を取ったらマークの指示に従わなければならない。2625円。
『チームでめざせ! こわがらせチャンピオン!!』はシリーズ唯一のボードゲーム。仲間を集めてこわがらせゲームに出場し、仲間の特殊能力やイベントをうまく使って5試合を勝ち抜く。こわがらせゲームはLED内蔵のキャニスター型ルーレットを使う。3990円。
『ゲームでハッスル! おっきなポンポン マイク』は、全長約50cmの空気ビニールフィギュアをみんなでトスしあうパーティーゲーム。サイコロが付いており、ことばあそび、Not 30、おどろいた!、リフティングなどのゲームが楽しめる。1764円。
『モンスターズ・ユニバーシティ』は 『モンスターズ・インク』の続編で、 サリーとマイクの大学時代を舞台にした冒険を描く。