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ダハシュール:赤いピラミッド(Dahschur: Die Rote Pyramide)

相手次第のアクションポイント

ナイル川西岸にある墓地ダハシュール。ここにクフ王の父スネフェル王が建設した赤いピラミッドがある。高さは104mでクフ王のピラミッド、カウラー王のピラミッドに次いで3位。赤いのは花崗岩で作られているためである。

このゲームでは、スネフェル王の命令により、ピラミッドの前の大通りを建設し、墓室に宝を収める(ピラミッドはすでに出来上がっている)。宝石を購入して、大通りに敷き詰め、功績を上げるのだ。

ダハシュール
ピラミッド前の大通りには、どの色の宝石を敷くか予め決められている

手番には市場で宝石を買うか、宝石を大通りに敷くか、墓室に宝を収める順位を上げるかのアクションを行う。それぞれアクションポイントを要するが、特徴的なのは、そのアクションポイントがほかのプレイヤーが出したカードで決められるところ。手番の最初に、ほかのプレイヤーが領主カードを出し、そのカードの数値に従ってアクションを行う。

市場では商人コマを移動して、行き先の宝石を購入するが、何マス移動できるかは領主カード次第。宝石を大通りに敷くときは、領主カードの数値だけ並べ替えられる。墓室に宝を収める順位を上げるのも、領主カードの数字だけである。

ほかのプレイヤーとしては、できるだけ小さい数値のカードを出して行動を制限したいところだが、そうもいかない。まず、領主カードは時計回りの順番で出し、前の人と同じ数値のカードは出せないというルールがある。また、出したカードをほかの人と比べて、大きい人には金貨や銀貨がほうびとして与えられる。さらに、出したカードの中から1枚を墓室に収め、これが後で得点になる。だからほかの人が何を出したかよく観察して、ときには数値の大きいカードを出さなければならない。

アクションのメインは宝石を大通りに敷くところである。1アクションで最大4つまで宝石を敷くことができるが、敷く順番が決まっているため、その通りに宝石を集めていかなければならない。また、ほかのプレイヤーもこのとき得点できるので、自分がより得するように並べ替える必要がある。下準備に手間取って、ほかのプレイヤーに先を越されないようにしたい。

全員が1回ずつスタートプレイヤーを行ったらゲーム終了。それまでに獲得した金貨や銀貨を、優先順位に従って墓室に収め、ボーナスを得て、功績ポイントの合計が多い人が勝ち。

序盤から強い領主カードを出してほうびの金貨を集めに行く作戦。同点でサイコロ勝負に勝ったこともあって順調に金貨が集まった。その分、大通りの宝石は手抜きになってしまったが、ほかの人に敷いてもらうよう並べ替えて得点を稼ぐ。最後の墓室では他の人に先を越されて金貨を余らせてしまったが、得点では逃げ切って1位。

アクションポイントが少なくてもそれなりにできることはあるが、ここぞというときに1ポイント足りなかったりするのが悔しい。そんなぎりぎり足りないカードを相手に出せたときは気持ちがいいものである。

Dahschur: Die Rote Pyramide
P.ハイマール/ミュッケシュピーレ(2012年)
2~4人用/10歳以上/90分
ゲームフィールド:ダハシュール赤いピラミッド

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ホビージャパン、9月の輸入リストを発表

ホビージャパンは9月発売予定の輸入ゲームリスト4タイトルを発表した。英語などの外国語版だが、日本語ルールが添付される。ダイスゲームが2タイトルに、アクションゲームとアブストラクトゲームが1タイトルずつと、変わった顔ぶれ。10月のエッセン・シュピールで発表される最新作が早くも登場している。

バン!ダイスゲームバン!ダイスゲーム(Bang! The Dice Game)
M.パルム、L.ザッハ作/DVジョーキ(イタリア)/3~8人用/15分/2730円
日本語版も発売された『斬 -サムライソード-』の元となったウェスタンカードゲームをダイスゲーム化。元のゲームと同様、それぞれ能力の異なる16種類のキャラクターから1人となって、自分の属する陣営を隠しながら、自陣営の勝利のためにダイスをふって激しい銃撃戦を繰り広げる。ダイスゲームならではのスピーディーな展開が楽しめる。

スペースカデットスペースカデット:宇宙ダイス作戦(Space Cadets:Dice Duel)
J.エンゲルスタイン、S.エンゲルスタイン作/ストロングホールドゲームズ(アメリカ)/4~8人用/30分/7350円
協力型リアルタイムゲーム『スペースカデット:宇宙訓練生』のダイスゲーム版。2チームに分かれ、それぞれ宇宙船の艦橋士官となって戦闘を行い、魚雷や機雷を用いて敵艦に4ダメージを与えて破壊することを目指す。チーム内ではいくつかの役割があり、プレイ人数によって複数担当する。機関長はほかの部署へエネルギーの供給を行い、航海長はマップ上での移動を行い、砲雷長は魚雷を用いて敵艦へ攻撃をし、電測長は敵艦を攻撃するために探知・捕捉しつつ敵の探知を妨害し、防御シールド手は敵魚雷を防御し、牽引ビーム手は強力なクリスタルを捕縛したり敵艦を動かしたり、機雷を射出する。艦長は全体を掌握し、指揮しなければならない。たくさんの特殊ダイスと宇宙船ミニチュアも付いた豪華なコンポーネントも見どころだ。

ドッカーン!ドッカーン!(Ka-Boom)
R.フラガ作/フッフ&フレンズ(ドイツ)/2~5人用/30分/5250円
順番に1人が積み木で城を建てる役となり、制限時間内にいろいろな難易度の城の中から好きなものを選んで、うまく建てたらその点数をもらう。しかし、その城を作ってる間、ほかの人はダイスの砲弾をカタパルトで飛ばして崩そうとする。しかも飛ばしたダイスで『ドッカーン!』の目が出たら、机をドンッ!と叩いて揺らすこともできる。フラガの本領が発揮された尋常でないゲームだ。

イグニス(Ignis)
D.ブレトン作/フッフ&フレンズ(ドイツ)/2人用/20分/3990円
火と水との精霊に分かれてお互いに優位を競うゲーム。火と水の精霊が拮抗する世界に、地と風の精霊を侵入させて、相手を世界から押し出す。しかし、風の精霊は地の精霊が押した時だけ世界から押し出され、地の精霊は決して世界の外に押し出されることはない。また、同じ精霊が1列に並んでしまったら、その聖霊は世界から消えてしまい、世界もその分狭くなっていく。はたして最後に残るのは、火か水か? 押し出して、色をそろえて、連鎖させる、考えどころいっぱいのアブストラクトゲームだ。

イグニス