ゼンガーデン:枯山水と石庭(Zen Garden)
シンクロニシティとシンメトリー
シンクロニシティ(共時性)とは不思議なもので、グリフォンの『枯山水』とメイフェアのこの作品がアメリカで発売された今年、東京ドイツゲーム賞で『枯山水』が大賞を受賞し、メビウスゲームズが『京都』を発売する。それぞれ全く別の作品であるが、禅庭という同じテーマを使っている。ユングは集合的無意識がそうさせると説いたが、世界のボードゲーマーに普遍的な無意識が何かあるのだろうか? それこそ禅の世界である。
この作品はタイル配置で、決められたパターンを作ると得点になるゲームである。庭園は全員共通なので、どんなパターンでもできるような広い庭を作ると、皆に利用されてしまう。自分のタイルだけに当てはまるようなちょっと入り組んだ地形を作ると共に、ほかの人の狙っているパターンを崩していこう。
景観タイルは池、松、石、芝の4パターンで、そのほかにワイルドの行燈がある。自分の番には手持ちのタイルを1枚配置して庭を広げるところから。さらにもう1枚置くか、タイル裏面に合致するエリアにキューブを置くか、キューブのあるエリアでタイルとパターンが一致しているところから得点するかを行う(上級ルール)。
最終的に手持ちのタイルのパターンになるよう、タイルを配置し、そこにキューブを置いて得点準備を進める。独力で進めるには、タイルを何枚も置かなくてはいけなくて手数がかかるため、ほかのプレイヤーが置いたタイルにうまく便乗していくことが必要となる。
1ゲーム目は1種類のエリアばかり広がり、そのタイルを引いた人が得点するという展開になってしまったため、2ゲーム目はバランスよく各種景観を広げる展開。シンメトリックな庭が広がり、1ゲーム目よりはるかに美しくなった。後手を牽制して、各エリアでの得点争いとなったが1つのエリアで何度も得点を完成させた鴉さんの勝利。先手番有利のきらいがあるが、手持ちのタイルと相談してパターンを作っていくのはパズルのような面白さがあった。
Zen Garden
H.J.ヴァネーズ/メイフェアゲームズ(2013年)
2~4人用/10歳以上/25分
ゲームストア・バネスト:ゼンガーデン:枯山水と石庭
『ドミニオンラーニング』発売、シリーズ累計1万部以上に
ドミニオン木曜会は11月4日のゲームマーケットから、書籍『ドミニオンラーニング』を発売した。168ページ、1200円。取り扱い店舗は下記のリンク参照のこと。
日本選手権上位独占、世界選手権に代表を送り込んでいるドミニオン木曜会の書籍。『ドミニオンマニアックス』『ドミニオンマニアックスZERO』に続いて第3弾となる。『ドミニオン』で強くなるための道筋を懇切丁寧に解説。惜しげもなくノウハウを伝授する。
今回は「一人回しドリル」「初手なにを取る?」「ドミニオンクイズ100」という3部構成。書き込み式で実践的な内容となっている。「初手なにを取る?」ではチャンピオンたちのアンケート結果と、強豪プレイヤーたちが何を取るかが記載されており、とても参考になるだろう。
スタッフの1人で今年の日本選手権の優勝者である入穂氏のツイートによれば、本書でドミニオンマニアックスシリーズの累計は1万部を超えたという。ドミニオンプレイヤーの増加と、木曜会の注目度上昇を見て取ることができる。
今なら言える。ドミニオンラーニングでドミニオンマニアックスシリーズの総部数は一万部を超えました。ドミニオン人口が多いことを知れて、とても驚いたと同時に嬉しかったです。最初は300部は多すぎるんじゃないかって話してたんですよ…。
— 入穂 (@iriho) November 5, 2013