進化するサルのデッキビルド『アフターアス』日本語版、11月24日発売
ケンビルは11月24日、『アフターアス(After Us)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:F.シリエクス、イラスト:V.デュトレ、1~6人用、12歳以上、45分、5830円(プロモ付き6380円、いずれも税込)。10月31日まで下記サイトで先行販売中。
『キューバード』『ファラオン』のキャッチアップゲームズ(フランス)の新作で、『イマジナリウム』でカタラと組んだシリエクスがデザインした。。人類が絶滅した世界で、サルの部族を率いて集団的知性を競う中量級のデッキビルド&リソースマネージメントゲーム。
全員同時プレイでデッキから引いたカードを横一列に並べ、つながった枠でリソースや勝利点を獲得。リソースを使って新しいカードを入手し、デッキを強化していく。
追加されるカードには勝利点をもたらすマンドリル、人類の遺物を起動させるオランウータン、圧縮を進めるゴリラ、枠を再起動するチンパンジーがおり、たくさんリソースを支払うと強力なカードが手に入る。カードをうまく組み合わせ、先に80勝利点に到達したプレイヤーの勝利。
カードを組み合わせるパズルと、同時プレイのスピーディな展開が楽しめる作品。プロモはエッセン・シュピールをテーマにした個人ボードで、AIと対戦する1人用ルールも付いている。
ケンビル:アフターアス日本語版・プロモなし/プロモ付き
島の完熟バナナ(Reif für die Insel)
痺れるクニツィアオークション
エッセン・シュピールの会場でちょっと遊んでみて気に入り、遊んだ人がこぞって買ってしまったクニツィアのオークションゲーム。絵柄も、お猿さんのバナナ集めというテーマも、(もっといえばツォッホらしくないコンポーネントも)イカしておらず、ツォッホ社の新作リストにも載っていなかった作品に意表を突かれた。
袋から人数分のバナナチップを引いて並べ、スタートプレイヤーから好きなバナナのところにおサルカードを置いていく。他のプレイヤーが置いたところに置くには、より数値の高いカードでなければならず、前においていたプレイヤーは追い出されて、同じところにさらに高いカードを置くか、他の場所にカードを置く。こうして競合が解決したら各自バナナをゲット。『アメンラー』で見られた固定配置オークション/ところてん競りである。
バナナには第1シーズンから得点にできる茶バナナ、第2シーズンから得点にできる黄バナナ、第3シーズンで初めて得点にできる緑バナナ、取ったら減点の腐れバナナがあり、さらに同じ色のバナナをかっさらってしまうオウムがついてくることもある。バナナの価値があまり変わらなければ平和なオークションになるが、オウムや腐れバナナが登場すると一気に白熱する。
おサルカードは「0」以外使い切りで、最後まで残せば数値分得点になるところがポイント。できるだけ「0」で乗り切りたいところだが、オークションが白熱して相場がどんどん上がっていくと、虎の子を手放さざるを得ない。「5」のバナナを「7」のおサルカードで競り落としたらマイナス2点だが、マイナス8点の腐れバナナを取るよりもマシなのである。
袋から雷雲が出てきたら、その回は封印入札(一斉出し)オークションに変わる(同値の場合はスタートプレイヤーに近いほうから選べる)。一発勝負で一気に決まるこのオークションが、ゲームにほどよい変化を与えている。
全員が5つのバナナを取ったらシーズン終了で、まだ熟れていないバナナは次シーズンへ持ち越し。得点にする前にオウムに食べられてしまうかもしれない。3シーズンで得点にできたバナナの合計で勝敗を決める。
ところてん競りか一斉出しかの変化だけでなく、出てくるバナナの組み合わせによってもオークションのムードは大きく変わる。1ビッドごとに痺れまくれる。
Reif für die Insel
ゲームデザイン:R.クニツィア/イラスト:F.ヴェルムケ
ツォッホ出版(2023年)
3~6人用/8歳以上/45分