ニュルンベルク’24:アミーゴ
ボードゲームを含む玩具全般の見本市「ニュルンベルク・シュピールヴァーレンメッセ2024」が1月30日~2月3日にドイツ・ニュルンベルクで開催される。そこで発表が予定されている新作を出版社別に紹介。邦題は直訳したもので、国内販売されるときには変更される可能性がある。
★ニムト30周年記念版(6 nimmt! 30 Jahre-Edition)
ゲームデザイン:W.クラマー、イラスト:F.フォーヴィンケル、1~10人用、8歳以上、45分。
一斉にカードを出し、順番にカードを並べて行って6枚目になった人が引き取るという定番カードゲームの特別エディション。ファンの考えたスペシャルカードによる4つのバリアントと、新たに全員で特殊カードをランダムにプレイするNPCプレイヤー「ビュッフェル」よりもマイナス点が多くならないようにプレイする協力ゲームが加わる。この協力ゲームは、1~2人でもプレイできる。
★お邪魔者20周年記念版(Saboteur 20 Jahre-Edition)
ゲームデザイン:F.モイヤーセン、イラスト:A.ベークホフ、2~12人用、8歳以上、30分。
鉱山発掘をさりげなく妨害する正体隠匿ゲームの特別エディション。拡張版『お邪魔者2』、世界選手権で配布された限定スペシャルカードを収録したほか、新しい道や目的カード、ミニ拡張、バリアントルールが入り、新しい展開を楽しめる。
★ラマ・カダブラ(LAMA Kadabra)
ゲームデザイン:R.クニツィア、イラスト:R.ゾマーカンプ&B.シュペルガー、2~6人用、8歳以上、20分。
同じ数字か1つ大きい数字を出して行って適当なところで抜けるルールはそのままに、「2」を出すともらえる魔法チップで手番をパスすることができ、「ラマ」を出すたびにチップを魔法ステージに出し、5枚たまると誰かが引き取るまで「ラマ」を出し続ける魔法のショーが始まる。
★臆病なチキン(Feiges Huhn!)
ゲームデザイン:K.グルール&Q.ヴァイル、イラスト:M.アームブルスター、2~5人用、8歳以上、15分。
各自自分の前に伏せて配られた山札から、1枚ずつ場に出して表にするか、表になっているカードを引き取る。場に出した場合、前のカードと同じ色か、数字以下だった場合セーフ。色が違って数字が大きい場合は失敗で場のカードを全部引き取らなければならない。他のプレイヤーの手番に「チキン!」宣言すると、引き取った場合に自分のカードも渡せるが、場に出して成功すると自分が引き取らなければならない。予め伏せておいた3枚のカードと同じ数字のカードが失点になるので、引き取っても失点になるとは限らない。
★スナック・ラビット(Snack Rabbits)
ゲームデザイン:T.ベンジャミン&B.J.ギルバート、イラスト:B.シュペー、2~4人用、7歳以上、20分。
ウサギたちが柵を飛び越えて野菜を集めるダイスゲーム。手番には野菜カードをめくって対応する柵に配置し、2~6の柵を宣言。ダイスを振ってその数以上が出ればそこにある野菜をもらえる。パスをすると追加ダイスをもらえる。集めた野菜は、種類別に最も多いプレイヤーだけが得点できる。
★雲の船(Wolkenschiff)
ゲームデザイン:7バチス、イラスト:J.ビンタキス、2~4人用、6歳以上、20分。
雲の船の乗組員となって、雨を花壇に落とす協力ゲーム。嵐で落ちてくるあられが花を傷つけないように操縦し、花をたくさん咲かせよう。
★ピック・ア・ペンシリーズ(Pick A Pen)
ダイスになった鉛筆で遊ぶ紙ペンゲーム。ガーデン(Gärten)、リーフ(Riffe)、宝箱(Schatzkammern)の3種類を発売。
ドラゴンズゴールド(Dragon’s Gold)
ギリギリまで粘っても吉
『ドラゴンイヤー(2007年)』で辰年はいろいろな災いが次々起こる年とされているが、年頭の挨拶では(もちろんそんなことを言えるはずもなく)「振」にかけて成長の年などと言う。しかし成長はいつまでも続くとは限らない。欲をかかず程よいところで回収するのが吉。おみくじ的にはそんなところだろうが、それでいいのだろうか?
フェデュッティが『あやつり人形』の翌年に発表したこのゲーム。場にドラゴンが何頭かおり、順番に1枚ずつ戦士カードを出していく。戦士カードが何枚か出て、戦力の合計がドラゴンの体力を上回ったらドラゴンは倒され、お宝が出てくる。これを1分以内に分けないと、誰ももらえなくなってしまう。
お宝には色があって、単純に得点になるものと、その色を一番多く集めると得点になるものがある。戦力が異なる場合はもちろんのこと、戦力が同じ場合でも、きれいに山分けできるとは限らない。ましてや分け合う人が3人4人と増えると話がまとまらなくなる。「金をあげるから、1個多くもらえませんか」「じゃあ紫を青に変えて」「それはちょっと……」「それならば~」「はいタイムアウト!」
砂時計を見ながらの交渉はどこかで妥協しなければならないものだが、妥協しすぎれば相手に大得点を与えてしまう。自分がイニシアチブを取るべきか、相手に任せてもいいかはお宝の色次第。ところがここにもうひとひねりあって、最初から見えている宝と、倒されてから袋から引く宝がある。後から出てくる宝によって話が変わることが多く、焦りに拍車がかかる。
発売当初に遊んで以来20年ぶりくらいのプレイとなったが、最近この手のゲームがないせいか、気のおけない仲間たちとプレイしたためか、制限時間のある交渉がスリリングでとても面白く感じられた。欲を出してギリギリまで粘るのもまた悪くない。
Dragon’s Gold
ゲームデザイン:B.フェデュッティ、イラスト:E.ルディエ
デカルト出版(2001年)
3~6人用/12歳以上/45分