Game Jamboree第2号
ゲームマーケット2015春の創刊号に続き、2015秋に第2号が発売された同人情報誌『Game Jamboree(ゲーム・ジャンボリー)』。情報が新しく、深く、そして面白い。価格も800円と手頃で、一読をおすすめしたい。
紙媒体の情報誌は、ウェブと比べると情報がどうしても遅くなってしまうものだが、この書籍で取り上げられているゲームは『ヴィレッジオブファミリア』(ワンドロー)や『暗黒議会』(操られ人形館)など、ゲームマーケット2015秋でお目見えしたばかりの最新作。しかもこれらのゲームのプロモーションカードまで付いてくる。これを読んで買うかどうかを考えてもよい。
情報も深い。ヤポンブランドの健部氏が執筆したエッセン・シュピールの成り立ちでは、当時のドイツのボードゲーム事情に詳しくなれる。ドイツのボードゲーム情報誌であるシュピールボックス誌とペッペルレビュー誌の説明など、ウェブでこれだけのものを読むことはできない。
台湾、上海のゲーム事情も非常に読み応えがあるが、圧巻は「完全保存版ゲームマーケットの歴史」。これまで25回行われているゲームマーケットのイベントや、全カタログの表紙はまさに保存版。そして創始者である草場純氏と山上新介氏のロングインタビューは、忘れ去られつつあるゲームマーケット初期の様子だけでなく、今まであまり知られてこなかった海外からの参加を伝える。
さらに、カナイセイジ氏のダイスゲーム『Eight Epics』をダイスを使って遊ぶゲームブックにしたコーナーや、田中としひさ氏のマンガ、朱鷺田祐介氏の「ゲームマーケットでお宝探し」など、面白い読み物がたくさん。同人サークルまでもが情報満載で、最初から最後まで何度も繰り返して読みたいマガジンだ。
企画・編集のふじわらみどり氏は、現在ボードゲーム情報誌がないことを憂い「次にどこかから出るまでのつなぎとして作っている」と仰っていたが、なかなかどうして、この情報誌がこれからも長く続いていくといいなと思う。
・Game Jamboree
・すごろくや:ゲームジャンボリー2015秋
・Role & Roll Station:GAME JAMBOREE 2号
第1回ゲームマーケット大賞に『海底探険』、審査員コメント発表
ゲームマーケット事務局は11月22日に発表された第1回ゲームマーケット大賞について、審査員コメントを公表した。大賞に輝いた『海底探検』のほか、優秀作品4タイトルなどについて、審査にあたった4名のコメントが寄せられている。
第1回ゲームマーケット大賞は7月に一次審査通過作品35タイトル、9月に二次審査通過作品15タイトル、10月に優秀作品5タイトルと絞り込み、11月22日のゲームマーケット2015秋にて大賞を発表した。大賞には『海底探検(オインクゲームズ)』、特別賞には『枯山水(ニューゲームズオーダー)』が選ばれている(TGiW:ゲームマーケット2015秋レポート)。
大賞には賞状と特製トロフィーのほか、翌年のゲームマーケットにおいて企業ブースを出展する権利が贈られた。また授賞当日は大賞ロゴのラベルがプレゼントされ、早速貼付されている。
審査員の講評では、全体的な選考の感想から、個別タイトルの短評まで掲載されている。特に一次・二次審査通貨作品から、審査員が気になった作品を取り上げているので、読んでみて面白そうだと思うものがあったら遊んでみよう。
・ゲームマーケット公式:海底探険
・ゲームマーケット公式:ゲームマーケット大賞選定を終えて