クニツィアの『ラミー17』発売、日本オリジナルで
テンデイズゲームズは19日、R.クニツィアのカードゲーム『ラミー17(Rummy 17)』を発売した。2~6人用、10歳以上、20分、2000円(税別)。
配られたカードから「ラン」や「セット」と呼ばれるカードの組を作って出し、手札をなくして早く上がることを目指すゲーム。揃わなければ山札か捨て札からカードを引くが、山札から引いたときはほかのプレイヤーが捨て札を取ることができる。さらにボーナスカードの条件を満たすと得点、誰かが上がったときに残った手札は失点になる。得点を欲張れば失敗した時のリスクが高まるというジレンマはクニツィアの面目躍如。
輸入ゲームと見紛うパッケージだが、実は海外で発売されていない日本オリジナル作品。R.クニツィアの日本オリジナル作品が出るのは『京都』(メビウスゲームズ、2013年)以来。海外で発売された作品の日本語版ではなく、海外デザイナーが直接日本で発表するというケースはまだ珍しいが、『グローブトロッター』『外人ダッシュ!』など、徐々に増えてきている。
・テンデイズゲームズ:ラミー17
批評か単なる宣伝か(Spielekritik oder doch nur Marketing?)
トム・フェルバー(ドイツ年間ゲーム大賞審査員)
2014年3月28日(金曜日)
ドイツ年間ゲーム大賞審査員は、評論家の審査員である。メンバーは定期的にレビューを書き、出版社や作者からの独立性が義務付けられている。しかし、ボードゲームについて書くとき、批評とPRの微妙な境界線をどうしても通らなければならない。というのもボードゲームを扱う文章はすべて、必然的にマーケティングの性格をもつからである。実際、「ドイツ年間ゲーム大賞はゲーム業界のマーケティング部門以外の何物でもない」という皮肉屋もいるくらいだ。
ドイツ年間ゲーム大賞審査員の決定は、ボードゲームの販売の成功に大きな影響を与える。審査員メンバーは、議論の余地なく絶大な権力を行使する。この理由から、彼らは必ず中立・独立の立場からレビューを書かなければならず、ゲーム業界や関係者との距離を維持しなければならない。それは本質的であり、自明であるべきである。
しかし実際には、この原則を守ることはたいへん難しい。なぜなら、メッセやイベントでいつも個人的に関係者に会うことが避けられないからである。私が審査員になって11年経っても驚かされるのは、距離の概念について説明するときに出くわすたくさんの無理解と誤解である。