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アンユージュアル・サスペクツ(Unusual Suspects)

単なる印象ではない何か
アンユージュアル・サスペクツ
12人の容疑者の中から、1人の犯人を絞り込んでいくイタリアの協力ゲーム。しかしそのための質問は普通ではないものばかりで、推理というよりは感覚に訴えるコミュニケーションゲームである。
12枚の容疑者カードが並べられ、目撃者役のプレイヤーに、そのうち誰が犯人かがカードで指示される。ほかのプレイヤーは刑事で、質問をして犯人を絞り込んでいく。
質問カードをめくると、「ギャンブルが好き」「言葉遣いが汚い」「公共交通機関を利用している」などの質問が出てくる。目撃者役のプレイヤーは、それが犯人について当てはまるかどうかをイエス・ノーで答える。
見かけでは分からない質問ばかりだが、それを見かけだけで判断するというのがこのゲームのポイント。男性か女性か、年齢はどれくらいか、服装は、ヒゲは、眼鏡は・・・そういった要素をヒントにしなければならない。
目撃者役のプレイヤーが回答したら、刑事役のプレイヤーは皆で相談して「これは違う」という容疑者を裏返していく。何枚裏返してもよいが、間違って犯人を裏返してしまうと即座に負けになってしまうので慎重にいきたい。
もうこれ以上裏返すのは難しいと判断したら、2つ目の質問に移ることができる。質問をしたら必ず1枚は裏返さなければならない。こうして最高11枚の質問のうちに、犯人を1人まで絞り込むことができたら勝利。
第1ゲームは私が目撃者。犯人はスーツ姿の男性だった。最後に2人まで絞り込んだところで出てきた質問は「料理がうまい」。もう1人は中華系の顔立ちだったので、こちらのほうが上手だということにしてノーで回答したところ、上手く伝わって成功。それから3ゲーム続けたが、いずれも欲張って失敗に終わった。
目撃者役の主観を優先するとどうしてもずれが生じる。「ギャンブルは好きだが、クラブには行かない」など、前の質問との合わせ技で絞り込めるようにするといった工夫が求められる。容疑者の顔ぶれをしっかり観察して、単なる印象ではない、伝わる答えを模索していくのは面白かった。
Unusual Suspects
P.モリ/クラニオ・クリエーションズ(2015年)
3~16人用/13歳以上/10~30分
ボードゲームショップ検索:アンユージュアル・サスペクツ

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VR協力ゲーム『アニュビスの仮面』一般発売

ギフトテンインダストリは、4月2日、VR(ヴァーチャルリアリティ)とボードゲームを組み合わせたゲーム『アニュビスの仮面』を発売した。デザイン・濱田隆史、2~7人用、10歳以上、30分、3980円(税別)。販売は現在のところ、とらのあな秋葉原店A、とらのあな公式ネットショップ、R&Rステーション秋葉原店、すごろくや、百町森、SF.DEPT、ディアシュピール、ひがっちゲームズ、仮面屋おもてで取り扱われる。
ゲームマーケット2016秋に先行販売され完売、予約も500セットに達している注目作品。スマートフォンにアプリをダウンロードし、紙製のゴーグルにセットして複数人でプレイするという、アナログとデジタルを融合した斬新な作品だ。
ピラミッドの奥に眠る宝を、協力して探し出すゲーム。宝を手に入れるため、迷宮になっているピラミッド内部の地図を作らなければならない。不思議な力を持つ「アニュビスの仮面」(ハコスコ社と共同開発のVRゴーグル)を順番にかぶり、迷宮の様子を伝える。アニュビスの仮面は1つしかないため、内部の様子はそのプレイヤーの言葉を頼りに想像するしかない。ほかのプレイヤーは、内部の様子を聞きながら、現実で地図の断片を組み合わせ迷宮の地図を作る。
VRを使ったコンテンツは1人用が多いが、このゲームは複数人で遊べるのが特徴。また、ボードゲームとVRの新しい組み合わせにより、VRが初めてでも、気軽に新しい体験を楽しめる。
アニュビスの仮面公式サイト
TGiWレビュー:アニュビスの仮面