『カタン:ゲーム・オブ・スローンズ』日本語版、12月2日発売
ジーピーは12月2日、ゲームマーケット2017秋にて『カタン:ゲーム・オブ・スローンズ(A Game of Thrones: Catan)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・K.トイバー&B.トイバー、3~4人用、14歳以上、60~75分、8900円(税別)。拡張ではなく、本セットだけで遊ぶことができる。ゲームマーケット会場では限定100個。
全米No.1大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』と、歴史に残る超大ヒットボードゲーム『カタン』がコラボしたスペシャル版。今秋のエッセン・シュピールで限定販売された新作が日本語化された。
プレイヤーはドラマに登場する冥府の守人「ナイツウォッチ」となり、攻めてくる野人から領土(ギフト)を守ろう。与えられたミッションをうまく達成できたプレイヤーが新しいロード・コマンダーと呼ばれるのだ。『カタン』のゲームシステムはそのままに、ボード上でドラマシーンを追体験できる。
ゲームマーケットでは会場内イベント「リアルカタン」が行われる。ジーピーのブースで参加者シールと特定の資源が渡され、シールを目印に通りかかった人と資源を交換する。資源が5種類集まったらジーピーのブースで応募して、抽選でゲーム・オブ・スローンズ版カタンやエジプト版カタンが当たる。エッセン・シュピールの会場内でも行われていたイベントで、ゲームマーケット参加者同士で交流しよう。各日500名まで、参加無料。
内容物:駒128個、カード131枚、ゲームボード1セット、ダイス3個、壁面セクション4個、カードトレイ2個、3人用数字チップ1枚、ルールブック1冊、ルールリファレンス1冊
リバーボート(Riverboat)
大農場の夢は儚く
19世紀初頭のアメリカ・ミシシッピ川沿岸でいろいろな野菜を育成・販売するボードゲーム。今年のエッセン・シュピールの新作で、作者はM.キースリング。『アズール』『ヘブン&エール』『リワールド』にこの作品と、一挙に4タイトルが発表されている。イラストはルックアウト社ではおなじみのK.フランツである。
ゲームは5フェイズに分かれ、これに対応する5枚のフェイズカードを時計回り順で取るところから始まる。2周目もあって全てのフェイズカードが取られるのと、フェイズの順番は固定なので、『プエルトリコ』のようなバリアブルフェイズ・システムではない。しかし、各フェイズカードをもっていると手番が先というだけでなく、ボーナスも与えられるので、ここからすでに考えることは多い。各フェイズは、そのフェイズカードをもっているプレイヤーから行う。
フェイズ | 全員が順番に行うアクション | フェイズカードのボーナス |
---|---|---|
1 | プレイヤーボードに労働者を配置する | 追加の労働者 |
2 | 労働者を置いたところに畑タイルを置く | 1金 |
3 | 作物を収穫して出荷する | 港の親方が1マス進む |
4 | 得点カードを取る | 1点 |
5 | 鑑定人で得点する | 1金/港の親方/出世 |
第1フェイズは労働者の配置。フェイズのリーダーが1枚ずつカードをめくり、各自対応する地形に労働者を置く。できるだけ密集させて配置したほうが、次のフェイズで畑を耕しやすい。第2フェイズでは、労働者を配置したマスのかたちに沿って、中央から畑タイルを取り、労働者の下に敷く。ここでも同じ作物をできるだけ近づけたほうが、次のフェイズで効率よく出荷できる。第3フェイズは作物を1種類指定して、その畑にある労働者を取ることで、その数に応じた船タイルを獲得する。この船タイルはいろいろなボーナスがあるほか、ゲーム終了時には港の親方の進み具合に応じて追加得点もある。
第4フェイズは自分の畑の状況に応じて得点が入るカードを取る。しかし得点になるのは取ったときではなく、第5フェイズで鑑定人を置いたときである。そのため序盤では得点化せず、その方向で畑を成長させて大量得点に結びつけてもよい。
第5フェイズまで終わったらフェイズカードを戻し、スタートプレイヤーを左どなりに交替して次のラウンドへ。4ラウンドで得点を競う。
基本は畑を大きくして大量出荷を狙うゲームだが、それと対立する得点要素が、ニューオルレアンへの出世である。このボーナスを得ると、自分の労働者を中央ボードに送り込まなければならない。ゲーム終了時には出世した労働者の数が多い順に得点が入るのだが、畑で働く労働者がいなくなるのが悩ましい。ほかにも畑に置いて鑑定人で得点化する井戸や小屋もあって一筋縄ではない。
4人プレイで90分。労働者や作物をまとめるのは運や駆け引きもあって容易ではなく、それを補うコインの使い道が勝敗を分けたようだった。ここぞというところでコインを投入し、大得点源を作った鴉さんの勝利。欲しいものを取るタイミングをほかのプレイヤーとずらして、競合しないようにしていたのが上手い。
言語依存がなく、アイコンも分かりやすくて、ルールの消化よりもほかのプレイヤーとの駆け引きにたっぷり時間を使える作品。欲しいものが取られたら次善の策、それもできなかったら次の次の策と考えていくのが面白い。
Riverboat
ゲームデザイン・M.キースリング/イラスト・K.フランツ
ルックアウトシュピーレ(2017年)
2~4人用/10歳以上/90分