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中身はランダム『ディスカバー:未知なる大地へ』日本語版、12月20日発売

アークライトは12月20日、『ディスカバー:未知なる大地へ(Discover: Lands Unknown)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・C.コニエツカ、イラスト・J.ブローカル&C.チャウ&K.ウィジャジャ、1~4人用、12歳以上、60~120分、7500円(税別)。

ファンタジーフライトゲームズ(アメリカ)が今秋発売したばかりのテキスト系ボードゲームが早速日本語版になる。ゲームデザインは『エルドリッチホラー』『マンション・オブ・マッドネス』などのストーリー系で知られるコニエツカ。コンポーネントの組み合わせがランダムに入っており、箱ごとに異なるところが新基軸で注目されている。

目を覚ますと見知らぬ大地に立っていたプレイヤーたち。生き延びるために食料を集め、道具を作ると、同時に未開の地を探索し、クリア条件の手がかりを見つけ出さなければならない。ほかのプレイヤーと協力するか、競争するかはシナリオ次第。

シナリオに沿ってゲームを準備し、昼フェイズと夜フェイズを交互に行う。昼フェイズには収集、偵察、料理、工作、交易、調査、戦闘などを行い、夜フェイズにはイベントカードを引いて対処する。クエストカードに指示された条件をクリアすることで次の指示があり、最後のクエストカードに記された勝利条件を目指す。その前にダメージを多く受けると脱落してしまう。

各箱ごとにシナリオ、キャラクター、アイテム、敵、地形などのパックがいずれもランダムに封入されており、ストーリーの可能性は無数。多様な謎解きとアドベンチャーが楽しめる作品だ。

内容物:マップタイル34枚、サバイバーコマ4個、カード254枚、ダイス2個、トークン類200個以上、状態トラッカー4個、地形リファレンスガイド2冊、ルール説明書1冊(カードサイズ:小41.5×63.5mm(221枚) 大57.5×89mm(33枚))

(写真は英語版)

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天下鳴動(World Rumbling)

援軍を送って劣勢を逆転!
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全国11のお城を巡って勢力を争う戦国時代のダイス国盗りゲーム。77spieleがゲームマーケット2017秋に発表し、ゲームマーケット大賞の優秀作品に選ばれている。全く飾りのない白黒ボードだが(新版はカラーになる模様)、先の先を読む戦略性とダイス運、最後まで高まっていく興奮曲線で夢中にさせる。
それぞれのお城に2から12までの得点がランダムに割り振られてゲームスタート。手番には3つのダイスを振って組み合わせ、そこに自分の兵士コマを送る。組み合わせ方は2つのダイスの合計のお城に、もう1つのダイスによって1~3個。出目が全部違っても、組み合わせのパターンは6通りだけである。出目がよほどよくない限り、得点の高いお城には多くの兵士を送り込めないところが面白い。
ほかに兵士を移動させたり手元に戻したりできる「軍隊カード」がゲーム中に1回だけ使える。効果はそれほど強くないように見えるが、このゲームは兵士コマ1個の差で展開が劇的に変わるので疎かにできない。
これを繰り返し、全員の兵士コマがなくなったらゲーム終了。1回の手番で置けるコマの数が違うので、終わった人からパスとなる。先に抜けると次の得点計算で同数になったとき勝てる権利がもらえ、後まで残るとほかの人が置き終わってから調整するという手も(ダイス運が良ければ)ある。
さていよいよ得点計算。2点のお城から、そのエリアにある兵士コマの数を比べ、1位の人がその得点、2位はその半分の得点を得る。1位の人は、隣接する国で自分の兵士がいるところに、新たに援軍コマを2個ずつ置くことができる。これによって、より得点の高いお城の勢力がどんどん変わっていく。最後の12点のお城では、あちこちから援軍がやってきて激戦が繰り広げられることになるだろう。
このように前のお城で勝利すると近隣に援軍を出すことができる連鎖反応システムがあるために、兵士コマの置き方も悩ましい。得点が低めのお城で勝って援軍を送るか、得点が高めのお城にたくさん配備して固めるか。ドイツゲームの王道であるエリアマジョリティ特有の悩ましさがあるが、ダイスでコントロールすることでスピーディに行うことに成功している。プレイ時間は20分程度。重いのに軽く、軽いのに重いゲームである。
天下鳴動
ゲームデザイン&アートワーク・与儀新一/77spiele(2017年)
2~4人用/10歳以上/20~40分