ボラボラ(Bora Bora)

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南国の緻密な勢力争い

オーストラリアの東に位置するフランス領ポリネシアの島ボラボラ。タヒチ島の近くにあり、新婚旅行先として人気がある。この島で部族を広げ、特殊能力をもった男女を集め、神殿に神官を送り込み、勝利点を競う。世界中のボードゲームフリークから現在、最も注目されているデザイナー、S.フェルトの作品。彼がアレアから発表するのは6タイトル目となる。要素の多さは過去最高級だ。

ボラボラ(マイボード)
プレイヤーボードの左側は、アクションポイント、神々の効果、特殊能力をもった男女の全リスト、火のボーナス、最終決算のボーナスがアイコンで図示されている。これだけでも要素の多さがうかがいしれるだろう。

毎ラウンド、サイコロを振るところから始まる。振ったサイコロを1個ずつ順番に配置してアクションを選択するワーカープレイスメントがゲームの心臓部分だ。

ボラボラ(アクション選択)

アクションは6種類。すでに誰かが選んだところを選択してもよいが、その場合はサイコロの目が前においてあるものより低くなければならない。サイコロの目が大きいほど、そのアクション内でできることは増えるが、目の大きいサイコロは先に置かないと置く場所がなくなってしまうというジレンマ。サイコロのワーカープレイスメントは『トロワ』でも見られたが、目が小さくないと置けないという縛りがドイツゲームらしい。自分の目と他人の目を見比べて、どのサイコロでどのアクションを選ぶかじっくり考えよう。

要素が多いだけに、得点方法も多彩。大きく分けて、島に小屋を建てて自分の勢力を広げるか、男女を集めて特殊能力を強化するか、資材を集めて建物を建設するという方向性がある。その道標となるのがボーナスタイル。「祈っている男女を2人集めよ」「黄色の神様を2つ手に入れよ」「供え物を4つ手に入れよ」などがあり、毎ラウンドどれか1つを達成すれば得点になる。これらを達成するついでに手を進められるとよいが、中には難しい条件もあって、達成のために四苦八苦することになる(このあたり、『ドラゴンイヤー』を彷彿とさせる)。

ボラボラ(中央ボード)

サイコロを振ってアクションを選択して、 男女の能力を使い、最後にボーナスタイルの達成をチェックして1ラウンド。6ラウンドの後に最終決算を行い、勝利点の最も高い人が勝つ。

karokuさんが男女の小屋を建てる能力と新しい女性を増やす能力で先行。私の男女は神様を集める能力だったので、神様をのボーナスが達成しやすかったが、手持ちが増えるだけで盤上に広がらない。ふうかさんは貝を集めてひたすらネックレスのお買い物。私は全ボーナスタイルを達成したが、男女の能力から建設にうまく切り替えたkarokuさんの逃げ切り勝利。

どれかの得点源に集中しすぎるのもよくないようで、数多の得点源から複数の要素を天秤にかけながら選び取っていくというバランス感覚が試される。サイコロの目のよしあしは運だが、アクションの選択や配置の順序が勝敗を大きく左右する戦略ゲームである。

Bora Bora
S.フェルト/アレア(2013年)
2~4人用/12歳以上/60~120分
メビウスゲームズより近日発売予定

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