キャプテンフリップ(Captain Flip)
めくったらいいのが出るかな?
袋から引いた乗組員タイルを船に乗せていくタイル配置ゲーム。気に入らないタイルを引いたら裏返し(フリップ)て別の乗組員にできるが、元の面には戻せない。鬼が出るか蛇が出るか、めくってみてのお楽しみ。イタリア人デザイナーコンビによる作品で、A.ボウザらが設立したフランスの新しい出版社から発売され、ドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされている。
手番には袋から1枚タイルを引き、そのままか、気に入らなければめくって、自分の船に乗せる。船は5列あり、下から置くことになっている。船員は9種類あり、さまざまな即時効果と終了時効果があるが、アイコンで示されていてシンプルである。
一番上まで置くとボーナスがもらえる列があるほか、誰かが4列埋めたラウンドでゲームが終了する(「オウム」による追加手番があるため、枚数は一定でない)ため、早く埋めて一気に終わらせるか、高得点を狙ってじっくり埋めていくかの選択がある。
大金をもらえるが終了時に3枚あると即敗北の「砲兵」は、隣接するタイルを裏返せる「サル」で裏返したいところだが、そう都合よくタイルが引けるとは限らない(逆に「サル」で「砲兵」が出現することもある)。「製図家」の枚数だけ収入がある「ナビゲーター」は後から引きたいし、各列に配備するほど収入が上がる「水兵」は序盤から引いて集めていきたい。このように、シンプルな効果のタイルの組み合わせとタイミングでさまざまなドラマが起こるのが愉しい。
4つのマップが付いていて、それぞれ列を埋めたときのボーナスが変わるが、プレイ感はあまり変わらない。引き運とめくり運が大きいためにどのマップでも深く悩むことなく、手軽に盛り上がることができる。
Captain Flip
ゲームデザイン:R.コンザドーリ&P.モリ/イラスト:J.オーコンテ
プレイパンク(2024年)
2~5人用/8歳以上/20分
ラセルダ×人類の発明史『インベンション:知の進化』日本語版、8月上旬発売
ホビージャパンは8月上旬、『インベンション:知の進化(Inventions: Evolution of Ideas)』日本語版を発売する。ゲームデザイン:V.ラセルダ、イラスト:I.オトゥール、1~4人用、14歳以上、60~150分、24300円(税込)。
石器時代から現代までの発明史をテーマとしたワーカープレイスメントゲーム。『ギャラリスト』『リスボア』『カンバンEV』『ウェザーマシン』『オン・マーズ』と同様、ラセルダによるデザインでイーグルグリフォンゲームズがキックスターターを経て今春発売した(キックスターター版のアップグレードキットは含まれていない)。
各ラウンドで指定された駒をボード上のアクションスペースに配置して、発明の元となる「アイディアの提示」や実際の「発明」、世界に対しての「発明の共有」などを行い、創造点(IP)と発展タイルを獲得していく。連鎖アクションで1ラウンド中に複数の行動を取れるが、アクションスペースに配置できるのは横列ごとに1つまで。どの順番でどのようにアクションを行っていくか、計画性が問われる。
カードが発明アイデアを表しており、発明されるだけでなく、世界と共有することで効果を高めることができる。既定ラウンド数が終了すると時代が切り替わり、現代に到達した時点でゲーム終了。ゲーム中に獲得した創造点と、発展タイルから得られる創造点を合計し、勝敗を決める。
短期的な戦術を長期的な戦略に基づいて構築していくという、ラセルダが得意とするデザインで唸らせる新作ゲーマーズゲームだ。
内容物:ゲームボード 1枚、ルールブック 1冊、プレイヤーエイド 4冊、社会ボード 4枚、アクションエイドカード 2枚、クロノス駒 1個、エポック用の柱 4個、シーズン用の柱 8個、市民駒 120個、連鎖アクショントークン 12個、アイディアカード 48枚、技術タイル 21枚、文化タイル 21枚、経済タイル 21枚、富タイル 25枚ほか