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子育て雑誌にドイツゲーム付録

小学生ママの子育て応援マガジン『edu[エデュー]』10月号で、ドイツゲームのコンティニュオが付録になった。構成はオフィス新大陸。「足し算や図形認識力、発想の柔軟さを育てるドイツで大人気のボードゲームです」と紹介されている。

16マスが赤青黄緑のさまざまなパターンで塗られたタイル42枚を使う。手番には山札からめくって場札に隣り合わせておく。このとき、置いたタイルから同じ色でつながっているマス数だけ得点になるという、シンプルながら面白そうなゲームだ。見た目はブロックスのように華やかで、また自分がつなげた色を、さらに後の人に伸ばされるかもしれないという頭脳絶好調(天才一直線)のような深みもありそう。

日本では発売されたことがないようだが※、初版が1982年、以降アミーゴ社やシュミット社が再販してきたロングセラー(ギークのデータはこちら)。昨年オフィス新大陸が発売したヘキサゴはその姉妹編に当たる。オフィス新大陸の目のつけどころと版権交渉などの行動力には脱帽する。

エデューはこれまでにもイコールカードを付録につけたことがあり、ゲームの教育的価値を高く評価しているようだ。こうした動きから、子どもの教育に熱心な親がボードゲームを新しいツールとして発見し、親子で楽しみながら学ぶ機会が増え、運だけではなく考えどころのあるボードゲームが日本でも広がっていくことを期待したい。

※はるか昔(おそらく初版が)河田から輸入されていたそうです。

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ゲームの梱包

国内でゲームを買うと、ショップでもオークションでもきっちりとした包装をして送ってくれる。1箱1箱をエアーキャップ(プチプチ)で包み、さらにそれをダンボール箱に詰めて、隙間に新聞紙などの緩衝材まで入れて、もうこれ以上ないほど完璧な包装。これならゲームの箱が傷ついたり、ひしゃげたりすることはまずあり得ない。

一方ドイツはというと、ゲームがありふれたものだという認識のせいか、いい加減なものも多い。先日オークションで手に入れた品は、大きさの違う何箱かを重ねてビニールで包み、ガムテープでぐるぐる巻きにしただけのもので外見から何箱重なっているかが分かるほどだった。よく潰れないで着いたものだと思う。インドからゲームを送ったときは、荷造りの段階でおっちゃんが体重をかけて「圧縮」したおかげでゲーム箱はほぼ全壊していた(それでもインドからの場合は、着いたこと自体で喜ぶべきかもしれない)。

それは極端な話でも、エアーキャップ包装など滅多になく、段ボール箱にそのまま詰めて、隙間にぞんざいに丸めた新聞紙をいれるだけであることが多い(たまにボードゲームの紹介が載った新聞が気を利かせて入っているもあるが)。もっとも、こちらも店をやっているわけじゃないし、この包装だって箱の角さえ潰れることは滅多にない。

しかし梱包以前の問題がある。ドイツのオークションでは品名によく「NEU」とか「OVP」とか書いてある。「NEU」は未開封新品のことで、それはいい。しかし「OVP」というのは「Originelle Verpackung」、つまり元々の箱に入ってますという断り書きなのだ。

プラモデルやラジコンで、箱を捨ててしまうことがある。でもそうすると商品価値は大幅に下がるので、後で売ることを考えている人は箱を捨てない。ボードゲームでも同じで、箱を取ってあることを「OVP」と表している。

初めに「OVP」の意味を知ったとき、「そんな当然のことをわざわざ?」と思ったが、その直後に「じゃあ、OVPと書いてないゲームは……」と気づいて妙に不安になった。日本でも圧縮のために箱を捨ててしまう人がいるが、それを出品することはまずあり得ないだろう。それを平気で出品するドイツ人が?

幸いにして今のところ、箱なしで送られてきた品はない。