インクハート・ダイスゲーム(Tintenherz – Das Würfelspiel)
取られる前に取るか
ドイツの児童文学作品に基づく映画のダイスゲーム。原作”Tintenherz”(インクの心)は2003年に出版され、23ヶ国語に翻訳された。日本でも『魔法の声』(リンク:アマゾン)というタイトルで発売されている。国際的な人気を受けて、2005年に続編”Tintenblut”(インクの血・邦題『魔法の文字』)が、2007年に”Tintentod”(インクの死)が出版され、この3つをあわせて「インク三部作」と呼ぶらしい。
映画(リンク:公式サイト)はB.フレイザー主演で2008年に独米英で公開されているが、日本では公開されていない。『ロード・オブ・ザ・リング』『ライラの冒険』のニューラインシネマが製作元である。
ドイツのコスモス社はこれまで4タイトルのゲームを発売している。小説をもとにしたK.トイバー作のボードゲームと、映画をもとにしたカードゲーム・ボードゲーム・ダイスゲームである。いずれも国内では発売されていない。今回遊んだのはダイスゲームで、デザインはM.シャハト。
2個のダイスを振って、そのいずれかか、合計の数に一致するカードを場札から取る。ほかの人から奪ってもよい。取ったら、奪われる前に、またその数字を出して確保しよう。新しいカードを取るか、確保して取られないようにするかの選択が悩ましい手軽なゲームだ。
中にはマイナスのカードもあり、ほかに取れるものがなければ取るしかない。得点計算は、カードの数字の合計に、ハートマークをかけるが、ハートマークを1つ減らせば、マイナスのカードを帳消しにすることもできる。
最も出やすい2〜6のカードは攻防が激しく、速攻で確保する動きが見られた。一方、数字の大きいカードは取られにくいが確保もしづらい。映画ファンというだけの人にも遊べるミニマムなルールで、エキサイティングに仕上げているのはさすがシャハトだ。
トイバーのボードゲームの気になっているが、その前に原作を読んでみるかな。
Tintenherz – Das Würfelspiel zum Film
M.シャハト/コスモス(2008)
2〜4人用
ブロンコ・ランチ(Bronco Ranch)
待ちが狭くなる牧場
マイ牧場に、色を合わせて馬のタイルを並べるゲーム。手番にはまず場札から1枚、タイルをマイ牧場に置き、続いてダイスを振って1〜3枚、袋から引いてマイ牧場に置く。置けなかったら場札に返す。
タイルは四隅に色がついており、隣りと色が合うように置かなければならない。たくさん敷き詰められるにつれて、間に入るタイルの選択肢が狭まるようになっている。
そこで登場するのがアクションカード。ほかの人の牧場から馬が逃げ出したり、自分の牧場に奪ったりすることができる。キャンセルカードもあるが、いずれも使い捨てなので、終盤のとっておきの場面まであまり使わないほうがよいだろう。
誰かの牧場が1マスを除いて埋まったらゲーム終了。白馬や、自分の牧場と同じ色のタイルは得点が高い。
アクションカードは本当に最後の最後まで出なかった。使えば、相手がキャンセルカードを使うことが分かっており、そうなると、2人だけカードが少なくなってしまうからだ。上がりそうな神尾さんを総がかりで止めにいったが止めきれず終了。しかし得点計算をしてみれば白馬が多かった私のトップ。
待ちを広くして上がりやすくするには、どのようにタイルを置いたらいいか。ほかプレイヤーとの絡みは少ないがちょっとしたパズル思考が問われた。
Bronco Ranch
G.トーク/ピアトニク(1997)
2〜6人用/6歳以上/30分