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行商と信頼(Peddling and Trust)

どのルートがベスト?

アニメ化もされたライトノベル『狼と香辛料』をテーマにした通商ゲーム。今年のコミックマーケットで同人作品として発売された。デザイナーはライトノベル作者の土屋つかさ氏で、5月のゲームマーケットにも出展している。
ゲームの目標は資源のセットを街に配達して自分の信頼マーカーを置くこと。手番にはダイスを振って出た目の街に資源が産出され、2アクションポイントで移動や資源の入手と配達を行う。規定数の街に最初に配達できた人の勝ち。
これにキャラクターカードが加わり、「海路はアクションポイントなしで移動できる」「トップから資源を奪う」などいろんな効果をもたらしてくれる。さらに、信頼マーカーを置くと、「アクションポイント+1」や「手持ちの資源を好きな資源と交換できる」など、街によってさまざまな効果が得られる。キャラクターと街の効果をうまく組み合わせて、ほかのプレイヤーからリードしよう。
ゲーム中盤からは、街やキャラクターなどの効果でアクションポイントが増えるので、それだけ選択肢も増えて悩ましい。今持っている資源と、近くで取れる資源、そしてまだ信頼マーカーを置いていない街で必要な資源を見比べ、どこに行くのが早いか考える。手番になってからアクションポイントが増えることもあるので、予め考えておいたのと別になることもあり、手番は長めになることが多い。
ゲームを面白くしているのが四季の移り変わりで、冬になると持てる資源が4つから2つに減る。資源を3つ届けなければいけない街が多いので、キャラクターや街の効果で持てる資源を増やせないと、細々と春を待つことになる。春よ来い。
資源産出がダイスなのが『カタン』みたいかなと思ったが、遊んでみると効率的な移動を考えるところが『ハンザ』みたいだねという感想が出された。キャラクターに効果によるハプニングも起こるが、基本的には先の先をじっくり考えるゲームである。
先手プレイヤーは先に配達して街の効果を手に入れられるが、有利でもない。最下位のプレイヤーは「ホロ」というキャラクターがアドバンテージをもたらすため、自然と拮抗した展開になるからである。その中で少しずつ少しずつ、差をつけていかなければならない。
効果の強い街を早めに制していったぽちょむきんすたーさんが1位。私は冬の間に何もできなかったのがたたって3位。
行商と信頼
土屋つかさ/染井吉野ゲームズ(2010年)
2〜5人用/8歳以上/60分
染井吉野ゲームズ:行商と信頼

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フィンランド年間ゲーム大賞に『フィンカ』

フィンランド玩具協会は20日、今年のフィンランド年間ゲーム大賞(Vuoden peli)を発表した。大賞および最終候補作品は以下の通り。
フィンランド年間ゲーム大賞は、ノルウェーなどと同様にメーカーがエントリー料を支払って推薦した作品を審査委員が選び、候補、最終候補、大賞の順に絞り込む仕組み。1994年から始まり17回目となる。
過去にはファミリーゲーム部門で『ザックンパック』『バウザック』『ウボンゴ』などが、アダルトゲーム部門で『ドミニオン』『モダンアート』『郵便馬車』などが選ばれている。
【フィンランド年間ゲーム大賞2010】
キッズゲーム部門:ムーミンのプルヌッカジャーティ(Muumien purnukkajahti、エグモント)
同ノミネート:魔法のラビリンス(ドライマギア)、ミノタウルス(レゴ)
ファミリーゲーム部門:ディクシット(Dixit、ラウタペリト)
同ノミネート:ホクソティン(WSOY)、ファウナ(フッフ)
アダルトゲーム部門:フィンカ(Mallorca、ラウタペリト)
同ノミネート:オーディンのテーブル(マインドウォーリア)、ジェノバの商人(フィロソフィア)
Lautapeliopas:Vuoden peli -voittajat 2010