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フォトパーティー(Photo Party)

二度笑える写真撮影

デジカメのセルフタイマーを使い、カードの指示で写真を撮るフランスのパーティーゲーム。写真を撮るときも、後で見るときもすごく笑える。
予めフレームの上下左右の端を確認し、試し撮りで1枚パチリ。カードを読んでは、セルフタイマーを入れ撮影する。これを繰り返して12枚撮ったら、デジカメのスクリーンなどで見て採点し、得点の多い人が勝つ。
カードの指示は「フレームの左端と右端にそれぞれ一番近い人が1点」「フレーム外にいったん出て、決められたところまで行き、写真に戻ってこられれば1点」「宙に浮いていれば1点」「右か左を向いて、少数派だったら1点」など。セルフタイマーのため、いつシャッターが降りるか分からないところをうまくゲームにしている。
親子で参加しているサークルのクリスマスパーティーに持ち込んだところ大盛況。大人はおかくてしょうがないが、子どもたちは真剣である。終わってからは、Wii(SDスロットがある)にプロジェクタをつないだスクリーンで写真を大写しにして採点。上の写真は「片足だけ写っていれば1点」で、かなりシュールだった。かしこまって写真を撮るよりもずっと表情がいきいきとしていて、よい思い出になった。
絶妙なポジションで得点できると嬉しい。メンバーに合わせて、オリジナルのアイデアを出して写真を撮ってもよいだろう。
Photo Party
L.エスコフィア、M.タブラン作/カクテルゲームズ(2010年)
6〜15人用/8歳以上/20分
テンデイズゲームズ:フォトパーティー

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日本語ルールのクオリティ

翻訳者の記名について(Board Game Case Studies)
ボードゲーム愛好者は、「しなければならない」のか「してもしなくてもよい」のか、どのカードでもいいのか特定のカードなのか、1つだけか複数でもよいのかなど、細部を非常に気にする。それが翻訳で明らかでないと原文にあたり、違っていると悪い翻訳ということになる。
問題の多くは、翻訳者以外の人が一度読むだけでほとんど解決する。訳文が曖昧だったり、まったく別の意味で取られることを、翻訳者はしばしば気づかないものだ。したがって、発売前に第三者によるチェックを徹底してほしいという結論になるわけだが、翻訳だけに帰せられない問題もある。それは原文のクオリティだ。
一般にドイツのメジャーメーカーは、論理性を重んじるお国柄なのか、長年のノウハウの蓄積があるのか、ルールの構成がしっかりしており、細部にわたって曖昧な箇所がない。これがオランダ、イタリア、アメリカにいくと怪しくなる。『ダコタ』はルールとサマリーシートで食い違う箇所があったし、ファランクスのゲームはゲームの勝利条件が最初にしか書いていない。
また、ドイツゲームの英語版では、英訳にするときの誤訳もある。誤訳とまでいかなくとも、ドイツ語から直接日本語に訳すのと、英語を経由するのとでは、ニュアンスがだいぶ変わってしまう。ドイツ語と英語のルールが両方あるとき、私がドイツ語から訳すのはそのためである。
これは私の印象だが、ドイツ語より英語、英語より日本語のほうが曖昧な表現を許すような気がする(論理学者によれば、日本語は論理的な言語ではないというのは間違っているそうだが)。日本語で厳密に書こうとすればするほど、法律の文章のように分かりにくくなっていく。読みやすさと正確さの両立は難しい。
それからドイツでもマイナーメーカーはいい加減なものがある。ましてやドイツ以外のマイナーメーカーのルールには、注釈なしではゲームにならないものもある。普通に翻訳しても読めるドイツのメジャーメーカーと、FAQなどを徹底的に織り込んでリライトしなければならない非ドイツ・マイナーメーカーでは、どちらの翻訳者が讃えられるべきだろうか。
最後に、今年は発売前に日本語ルールを公開するボランティアの有志が出ていることは歓迎すべきことである。今は翻訳権がどうのこうのという時代ではない。先に公開された日本語ルールを見て、訳語や表現を検討すればよりよいルールができあがるだろう。今回ホビージャパンの翻訳を請け負ったが、すでに公開されているものがあったので、ドイツ語・英語・日本語を相互参照できたのはとても助かった。販売される翻訳は、公開されているものよりクオリティが高くなくてはと気合を入れている。