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『ロスト・テンプル』日本語版、3月24日発売

ロスト・テンプルアークライトは3月24日、名作『あやつり人形』をボードゲーム化した新作『ロスト・テンプル(Lost Temple)』日本語版を発売する。B.フェイドゥッティ作、2〜9人用、10歳以上、40分、2,940円。
時は1927年。探検隊チームが失われた古代の神殿を捜し求めて東南アジアのジャングルを探検する。自分の探検を助けてくれる能力をもつ9人のキャラクター・カードのうちから、毎回1枚を選ぶ。目的は建物を作ることではなく、ゴールの神殿に真っ先に着くことだ。登場するキャラクターは『あやつり人形』より1つ多い10つ。1枚ずつ選んでから、順番にコールされ、そのキャラクターを選んだ人が行動する。
ロストテンプル:カード1.呪術師…キャラクターを指定し、乗っ取る
2.盗賊…キャラクターを指定し、お金を奪う
3.予言者…盤状のトークンをこっそり見る
4.僧侶…宝石を払って神殿までワープ
5.古老…宝石を払って集落までワープ
6.職人…トークンを取って進む
7.斥候…宝石を好きなだけ払ってコマを進める
8.漁民…宝石を払ってその2倍進む
9.子供…直前のコマがいるマスまで進む
10.神官(プロモカード)…順位だけコマを進める
途中のマスではイベントが発生したり、足止めを食らったりすることも。また、キャラクターの能力を使うために宝石やナタが必要になる。『あやつり人形』より収束性を高め、現在のゲームシーンに呼応した。
『あやつり人形』の発売から11年、作者B.フェイドゥッティが昨秋のエッセン国際ゲーム祭で満を持してリメイクした。オランダのホワイトゴブリンゲームズ社の製品で、『ホテルサモア』に続いて2作目の日本語版化となる。
TGW:シュピール’11新作情報・ホワイトゴブリンゲームズ
ロストテンプル:箱裏

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商売の達人(Master of Commerce)

焦らず急げ
直球すぎるタイトルにしても、箱絵の渋さにしても、じっくり考えるゲームに見える。それがまさか、11人まで遊べるワイワイガヤガヤのリアルタイム交渉ゲームだとは思わなかった。値段が上がるか下がるか分からない不動産に、一か八かで投機する。制限時間の短さに焦って、まんまと口車に乗ってはいけない。
商売の達人
プレイヤーは地主と商人の二手に分かれ、どちらかで1位を目指すことになる。地主が自分の前に何枚か土地タイルを並べたら、砂時計を倒してスタート。
制限時間内に商人は、それぞれの不動産について、いくらで借りるか地主と交渉する。地主から持ちかけてもよい。順番はなく、誰とでも、どの不動産についても交渉できる。「ここの土地、15でどうですか?」「20だったら」「それならうちの土地15でいいよ」「よし乗った」……話がまとまったら、その土地に金額を記入し、契約した商人のコマをのせる。
もっとよい条件が出れば上書きも可能。上書き禁止にもできるが、そのためには少し高めの提示が必要になるだろう。
時間が終わったら土地の値段がサイコロで変動する。土地タイルは赤・黄・緑・青の4種類があり、この順に変動幅が大きい。暴落したかと思えば急騰の赤、安定した価値の青、一喜一憂が巻き起こる。
商人は変動後の値段だけ収入を銀行から手に入れ、地主は土地タイルに書かれたレンタル料を商人から受け取る。ただし土地1ヶ所につきいくらかずつ税金を収めなければならない。
この後、各地主のお得意様(最も多くレンタル料を払っている商人)が、土地1つを前と同じ条件で契約する権利をもらい、ついで地主が、新しい土地を競る。中には収入が2倍になるというお得な土地タイルもある(価値がマイナスになったら、マイナスも2倍だが)。
これと5回繰り返して、一番金持ちの商人と地主が勝利。
7人プレイで、地上げ屋のくさのまさんと、勝ち逃げ商人の私が勝利。焦っているつもりはなくても、制限時間終わりが近づくと冷静ではいられない。複合的な交渉(2ヶ所まとめ買いで割引とか)を持ちかけられると、つい乗ってしまって損することも。
サイコロの目に大きく左右されるが、土地が増える後半は、購入する土地を偏らないようにしてリスク分散をはかるなどの作戦も取れる。現在の価値がマイナスの土地を安くレンタルしまくって、急騰を期するという博打でもよいと思う。
Master of Commerce
B.ロニー/グルーパーゲームズ(2011年)
3〜11人用/8歳以上/30分
ゲームストアバネスト:商売の達人