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インガ(Inga)

ヴァンパイアが強い丑三つ時
昼から夜、夜から昼へ、時間が刻一刻と変わっていく中、活動時間帯の異なる人間とヴァンパイアのパーティを組んで、生命力を奪い合う国産バトルロワイヤルゲーム。エアロノートシリーズとしてバインダーに入った美しいコンポーネントで10タイトル販売されたうちのひとつである。
狭いボードの中を移動して、ほかのプレイヤーに攻撃を仕掛ける。攻撃を仕掛けるには、現在の時間帯に対応するキャラクターが、自分のパーティにいなければならない。時間は、1周するたびに日時計を1マス進める。
攻撃された方も、同じ時間帯に活動できるキャラクターで防御。基本的にはもともともっている攻撃力と、防御力+ダイスで勝負するが、キャラクターは何と50枚もあり、いろんな特殊能力を持っているので、バラエティに富んだ攻防戦が楽しめる。
攻撃が成功すると、相手の生命力を奪ったり、失わせたりする。奪った生命力はそのまま攻撃側へ、失った生命力は盤上に散らばり、早い者勝ちで拾い集めてくる。
中央のマスでは、新しいキャラクターを加えたり、パーティーを入れ替えたりもできる。でも強いキャラクターを待っているうちに、やっつけられてしまうかもしれない。
活動時間帯は、人間が深夜以外、ヴァンパイアは日暮れから夜明けまでとなっていて、夜の一部は重なっているのが面白い。人間が眠る丑三つ時は、強いヴァンパイアの活躍どころだ。
生命力は新たに補充されないので、奪ったり奪われたりのゼロサムゲーム。一時は終わらないかに見えたが、ぎりぎりのダイス目で攻撃をかわし、射程圏内にいる全員に攻撃できる全体攻撃で一気に片付けて私の勝利。鴉さんは防御が必ず成功するキャラクターをもっていたが、攻撃するキャラクターに欠いた。nagaさんは肝心のところでダイス目に恵まれず。
「命知らずの傭兵」「漆黒のヴァンパイア」「時の番人」など、キャラクターの名前がかっこよくて、モノクロに赤が入ったボードと、大きな木製コマの雰囲気にマッチしている。おまけアイテムは「お清め塩」だった。
Inga
作者不明/グラパックジャパン(2003年)
3〜4人用/12歳以上/20分
グラパックジャパン:インガ

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ラストコール(Last Call: The Bartender Game)

ボトル行ったり来たり

ラム・ジン・ウォッカ・ブランデーなど6つのお酒を、客の注文に合わせてバーテンダーのもとへ届け、カクテルを作ってもらうアメリカのゲーム。大きいボトルのコンポーネントが目を引く、判断力のゲームだ。
最初に渡される4枚の注文カードには、2つのお酒でできるシューターから、5つも必要なスペシャリティーまで、いろんなお酒がかいてある。ここに組み合わせのお酒を、バーテンダーに届けなければならない。
テーブル中央には6人のバーテンダーがおり、それぞれいろんなお酒をもっている。バーテンダーの間でお酒をやりとりして、注文カードの組み合わせができたら、カードを捨てられる。
お酒のやり取りの仕方は新しい。ディーラーが山札から1枚ずつカードを引いて、そのバーテンダーのところに並べていく。このカードが並んだバーテンダー同士でのみ、ボトルの移動ができる。カードを1枚並べるたび、誰でも「オーダー!」ということができ、先に言った人が好きなボトルを移動する。移動した人が次のディーラー。
ボトルの移動は1回に1つしかできない上に、移動するとディーラーとなって1回休みになってしまう。ほかの人は全く別の注文カードを狙っているので、思い通りに揃えるのは容易でない。どんどん移り変わる場を見て、どの注文カードを狙うのが早いか判断することが求められる。
余分なボトルがあっても、ペナルティの氷を受け取れば注文カードをクリアできるので、それで手を早く進めてもよい。誰かが最後の注文カードを達成したとき(ラストコール)、ほかの人は残った注文カードの達成に必要な手数だけ、ペナルティの氷を受け取る。氷の一番少ない人が勝ち。先に上がっても、氷をたくさん取っていれば勝てないかもしれない。
コンポーネント買いしてきたふうかさんたちとプレイ。ほかの人の注文に便乗したり、偶然できあがったりしてノーミスでラストコール。ほかの人は注文カードがだいぶ残っており、ごっそり氷をもらうかに見えたがそうでもなかった。ペナルティ含みで早上がりしても案外勝てるのかもしれない。テンポはいいが、コンポーネントの見かけだけでない奥深さがあるゲームだった。
Last Call: The Bartender Game
K.グールド/ワッツァルポーグ(2010年)
2〜6人用/12歳以上/30分
ゲームストアバネスト:ラストコール
ふうかのボードゲーム日記:ラストコール