自己紹介クイズ『佐藤です。好きなおにぎりの具は梅です。』8月10日発売
幻冬舎は8月10日、カードゲーム『佐藤です。好きなおにぎりの具は梅です。』を発売する。ゲームデザイン:TANSAN、企画:白坂翔、2~8人用、8歳以上、20分、1760円(税込)。
さまざまなテーマで自己紹介を行い、その内容をおぼえて、クイズで出題し合うゲーム。『はじめまシンキング』に、新しいお題を加えて再構成した。
「好きなおにぎりの具」「最近ほしいもの」などのお題カードに沿って順番に自己紹介をした後、ランダムに引いたお題でその人が何を言ったか当てる。当てれば1点で、クイズに多く正解した人が勝ち。
お題は80題収録。初対面の人が知り合えるだけでなく、「最近のこと」をテーマにしたものも多く入っていて同じメンバーでも楽しむことができる。
セット内容:お題カード80枚、説明書(英訳あり)
夏休み小学生ボードゲーム教室の回し方
日本全国非常に暑い中で夏休みに入り、学童保育は熱中症にならないようエアコンの効いた室内で行われている。そこでボードゲームを遊ぼうということになり、例年よりも多くお声がけ頂いて参上している。
以前「小学生向けボードゲーム教室を頼まれたときの10のポイント」というエッセイを書いたが、子どもの人数やスタッフによって状況はだいぶ異なるため、今年の夏休みに実際行われた3つの教室を実践例として紹介する。
事例1:スタッフ事前講習(参加者50名、スタッフ12名)
毎年春休みと夏休みに呼んでいただいている教室。口コミで評判が広まり、前回60名を超えたため、スタッフの手が回らなくなり、今回は先着順で定員を設けたという。1年生を除きほとんどがリピーター。
スタッフもほとんど同じだが、持っていくゲームは半分ぐらい変えているので、開場の30分前に集合してセッティングしながらルール講習会。あとは始まってから巡回して不明点に答えることにした。
20分くらいで先生が時間を区切り、子どもたちは次のテーブルに移動する。1テーブルにスタッフ1人張り付くという手厚さで、ルール説明から進行、子供の数が足りないときの補充、勝敗の判定と次のテーブルへの案内まで手際よくやって頂いた。
遊んだゲームは、ストライク、カヤナック、ウミガメの島、ごきぶりキッチン、ディクシット、きらめく財宝、魔法のラビリンス、アイスクール、宝石ゴンゴン、もっとホイップを。
事例2:時間差入場(参加者30名、スタッフ4名)
今回初めての教室。ルールの事前講習をする時間もセッティングする時間もなかったため、子どもたちを3グループに分けて時間差で入場してもらい(それまでは別部屋で好きなことをして遊ぶ)、説明が終わったら次のグループを呼んでくるようにした。説明係が回ってくるまで何分も子どもたちを待たせるのは難しい。
グループ分けは1年生、2年生、3年生以上にして、説明時間が短い低学年から始めた。スタッフも一緒に説明を聞いてもらって、そのまま進行や補助をお願いした。
ゲームが終わったグループは、またそのゲームを遊んでもいいし、別のゲームを遊んでもよいことにした。終わる時間がまちまちで、ほぼ同時にゲームが終わってルール説明を待たせてしまうパターンもあった。今回スタッフがいくつかルールを覚えてくれたので、次回はいくつかお任せすると、もっとスムーズにいきそうだ。
遊んだゲームは、きらめく財宝、ストライク、宝石ゴンゴン、ごきぶりキッチン、ウミガメの島、アイスクール、魔法のラビリンス。
事例3:学年差をカバー(参加者3名、スタッフ2名)
バドミントン、卓球、工作などいろいろなコースから選べるタイプで、人数が少なくて小学1年生と6年生が一緒に遊ぶことになった。パターン認識・パズル・アブストラクトなど年齢の差が出やすいゲームを避け、アクションゲームがメイン。
適宜スタッフに同卓してもらい、基本的に4人で遊んだ。1卓なのでゲーム選定やルール説明は楽である。ゲーム選定はいくつか持って行って、その中から子どもたちの意見を聞いて選んだ。
遊んだゲームは、クラスク、ごきぶりキッチン、ドローンホーム。
事例4:ボードゲームカフェ風(参加者19名、スタッフ2名)
図書館でのボードゲームイベント。小学3年以下は保護者同伴とし、定員20名で募集した。きょうだいで参加するので、未就学児もいる。
基本1家族1テーブルとし、テーブル間の移動はなし。子どもが遊びたいゲームを持って行って、そのときにスタッフもついていきルールを説明する。遊び終わったら戻して次のゲームを持っていくシステムとした。
最初だけ一斉にルール説明をする必要があるが、小さいお子さんは保護者がいてサポートしているのと、後は終わる時間がまちまちなのとで、2人で十分回すことができた。中央に『クラスク』を置いて気分転換してもらえたのもよかったようだ。
遊んだゲームは、ナンジャモンジャ、スティッキー、ベルズ、クラスター、カヤナック、ストライク、宝石ゴンゴン、魔法のラビリンス、クラスク。
このように参加者数とスタッフ数によって、進め方はかなり異なり、それぞれに工夫が必要である。飽きてしまったり、負けてへそを曲げてしまったりした子のケアも含めて、改善の余地はまだまだあると思っている。
子どもの感想発表では「みんなで遊べて楽しかった」というのが印象に残った。社会性は仕方なくいやいや身につけるものではなく、あったほうが楽しいという感覚をもつことは、子どもたちの将来の生き方や趣味の持ち方にも関わってくるだろう。個人の能力差をフォローしあうことは、インクルーシブな感覚も養う。
そのような教育的効果はさておいても、子どもたちのはじけるような笑顔や、喜びを体いっぱいで表現する様子を何度も見られることは純粋に楽しいことであり、今後の活力にもなる。悩み事といえば、キッズゲームがどんどん増えてきて、ゲーム棚でゲーマーズゲームを侵食しつつある(収納の関係でゲーマーズゲームを手放さなければならなくなってきている)ことぐらいだ。