シュピール’12新作情報:アレア
これまでの重量級ゲーム路線から一転、『ベガス』で評価された、アレアはその名前に相応しいダイスゲームを続けてリリースしています。
★サンマロ(Saint Malo)
M.ブラント、I.ブラント作、2〜5人用、9歳以上。今年2月のニュルンベルク国際玩具見本市で『ベガス』と共に発売される予定でしたが、秋に延期されてようやくの発売です。
フランスの港町を舞台に街を作ります。5つのサイコロを振り、どれかの目を選んでアクションを行います。木材はお金を払って木材置き場に、品物箱・教会・人(日雇い労働者・兵士・司祭・建築士・商人・大道芸人・貴族)は街に、城壁は街の周囲に置き、その並べ方によって収入や得点になります。、これらはコマではなく、書いて消せるボードにペンで記入します。海賊の目は、出た分だけチェックしておき、一定数になると襲撃が起こります。この時城壁と兵士による防御力を見て、足りないと失点になってしまいます。難易度は10段階で2。戦略的なダイスゲームです。
★ボラボラ(Bola Bola)
S.フェルト作、2〜4人用、12歳以上。シュピールでは発売されず、試作品の展示があるかも未定です。
フランス領ポリネシアの島を舞台にしたボードゲーム。3つのダイスを振り、その中から1つを選んでアクションに置きます。ダイスの目が大きいほど収入が上がったり、上位に上がったりできますが、アクションの順番はダイスの目が小さい順なので後になってしまいます。
ドイツゲーム賞2012に『村の人生』
世界最大のボードゲームイベント「シュピール(エッセン国際ゲーム祭、ドイツ)」を主催するフリードヘルム・メルツ社は、23回目となる今年のドイツゲーム賞(Deutscher Spiele Preis)を発表した。愛好者の投票により、『村の人生(Village)』が1位に選ばれた。
ドイツゲーム賞は、前年の秋から当年の春までに発売された新作を対象として、はがき、インターネット、用紙で投票を受け付ける。5タイトルまで記入する方式で、上から5〜1点として集計し、合計点で順位を発表している。5タイトルの記入は必須ではないが、たいていは5タイトル以上新作をプレイしている愛好者が投票するため、毎年フリーク向けの作品が上位になりやすい。昨年は『世界の七不思議』、一昨年は『フレスコ』が受賞した。
今年1位に輝いたのはデザイナー、メーカー共にドイツの『村の人生』。村人が世代交代しながら一族の名声を高めるボードゲームで、昨年の『世界の七不思議』に続き、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞の受賞作が選ばれた。
エキスパートゲーム大賞のノミネート作品では、『ターギ』が6位。『K2』は圏外。ドイツ年間ゲーム大賞の中では、大賞の『キングダムビルダー』が7位、ノミネートの『ベガス』が8位、同じくノミネートの『ロバの橋』は圏外となった。昨年、一昨年と年間大賞は圏外で終わってきたが、今年はややゲーマー向けだったことが分かる。
ここ数年、ドイツ国外出版社の作品が数タイトル入っていたが、今年は全てドイツの出版社で占められた。ドイツの出版社が占めるのは『プエルトリコ』が受賞した2002年以来10年ぶり。
一緒に投票にかけられるドイツキッズゲーム賞には、日本国内でも話題を呼んでいるカードゲーム『いかさまゴキブリ』、お手本となる分かりやすいルールブックに贈られるエッセン金の羽根賞にはオリジナル日本産の『グリモワール』が選ばれている。授賞式は10月17日、「シュピール」前夜祭にて。
【ドイツゲーム賞2012】
1位:村の人生(Village / I.ブラント、M.ブラント / エッガートシュピーレ)
2位:トラヤヌス(Trajan / S.フェルト / アンモナイトシュピーレ)
3位:ハワイ(Hawaii / G.デージー / ハンス・イム・グリュック)
4位:祈り、働け(Ora et Labora / U.ローゼンベルク / ルックアウトゲームズ)
5位:ヘルベチア(Helvetia / M.クラマー / コスモス)
6位:ターギ(Targi / A.シュタイガー / コスモス)
7位:キングダムビルダー(Kingdom Builder / D.X.ヴァッカリーノ / クイーンゲームズ)
8位:ベガス(Vegas / R.ドーン / アレア)
9位:アフリカーナ(Africana / M.シャハト / アバクスシュピーレ)
10位:サンタクルーズ(Santa Cruz / M.A.カサソラ / ハンス・イム・グリュック)
【ドイツキッズゲーム賞2012】
いかさまゴキブリ(Mogelmotte / E.ブラント、L.ブラント / ドライマギア)
【エッセン金の羽根賞2012】
グリモワール(Grimoria / 木皿儀隼一 / シュミットシュピーレ)
・Deutscher Spiele Preis:Das Jahresergebnis 2012