日本の城(Japanese Castle)
素人は2階も積めません
カードを積んでお城を作るロシアのゲーム。いくつかのルールで遊ぶことができる。
城は「屋根替」という床カードに、「壁(ヘキ)」というカードを組んで作る。「屋根替」には「締め具」という爪があるので、ここにカードをひっかけて組み立てていく。
ルールは高い城をいち早く完成させた人が勝つ「塩手」と「七つ」と「一緒」と「建築士」パーツを作ったらそれをもって移動する「運ぶ」、皆が城を作ってから机を揺らし、最後まで崩れなかった城が勝つ「ナマズ」、「壁」の数字を階数に合わせて得点する「一致」と「祭典」、とにかく高く積む「館」と「工場」、小屋を崩さないようにその下のカードを取る「絆」の10種類。チーム戦だったり、勝利条件となる階数が異なったりする。
「とりあえず練習で作ってみましょうか」ということで、1階建ての「安定」に挑戦。ところがこれがひどく難しい。壁の上端がぴったり合わなくて、どちらかに倒れてしまうのだ。上にもう1枚床置くとその重さで安定するのだが、床を置くまで下の壁を支えておくのがたいへん。2階以上では、支える力で崩れてしまうことも。
しばらく試行錯誤を続けていたが、結局3階まで建てる人が出ず、ゲームを断念した。最初のルール「塩手」でさえ、5階建てが求められる。「おかしい、ロシア人より日本人のほうが器用なはずなのに!」
もっとも、今回のメンバーがずば抜けて不器用だっただけかもしれない。手先の器用さに自信がある方はぜひ我々に代わってリベンジしてほしい。
待ち時間に鴉さんが組み立てた5階建て。爪を違法に使うことでここまでできたという
Japanese Castle
S.マーチン/ライトゲームズ(2012年)
1~4人用/10歳以上/30分
ホビージャパンから輸入版が発売予定
武士道(Bushido)
主君のために命をかけて
戦国時代末期、将軍足利家は弱体化し、天皇が新しい将軍を任命しようとしていた。12ヶ月にわたる戦いで名誉ポイントを競う。毎月のように起こる戦争で手柄を立てよう。ベルリンの出版社が発表した日本ゲーム。拡張「他人(Tanin)」も出ている。
最初はランダムに自分の陣地が決められる。田畑・お寺・街といった裕福な地形から始められることもあれば、山岳地帯ばかりなんてことも。スタート時から国力がイーブンでないとは、ドイツのゲームにしては珍しい。
六角形タイルの領地。名誉ポイント、米(=もてる兵の数)、刀(=引けるタイル数)が決まる
手番プレイヤーが「大名」となって、キャラクターカードを全員に分配する。ここがゲームの面白いところ。「侍」を受け取ったプレイヤーは、手番プレイヤーに代わって敵陣を攻め、「武士」を受け取ったプレイヤーはその敵陣を守る。自分の陣営を使って敵陣を攻撃するのが他人という代理戦争システムが変わっている。ほかに「先生」は影響タイルによって局面を変化できるほか、侍が戦に負けたときに罰を提案する。「旗本」は浪人を各地に配置して、謀反を起こさせることができる。
「侍」に任命された人は腕の見せどころ。他人の代理だからといって手を抜いてはいけない。戦に勝利すれば、侍ポイントが入り、これを茶会で使うと名誉ポイントに変換できる。逆に負ければ先生の指示で切腹させられ、せっかく貯めた侍ポイントを失ってしまうことも。
大名が戦地を決めたら、「侍」役のプレイヤーと「武士」役のプレイヤーはまず手持ちの刀チップを出す。これが基本戦力。さらに兵法チップを出して、基本戦力を変化させる。兵法チップは基本的に「一騎打ち」、「戦」、「伏兵」の3種類でじゃんけんのようになっている。勝てば基本戦力が2倍だが、引き分けだった場合は組み合わせによって両者の損害が異なる。ダメージ分の兵を減らして、攻撃側が残れば占領。
それぞれの土地にも名誉ポイントがあり、占領のたびに名誉ポイントは増減する。この部分は誰かが増えた分だけ誰かが減るというゼロサムだが、戦勝のたびに入る侍ポイントの分だけ、全体に底上げされていくようになっている。先に50名誉ポイントを集めるか、12ラウンドで最も名誉ポイントの多い人の勝ち。
3人プレイで2時間ほど。最初の土地がよかった私が快調にポイントを稼いで先行したが、要だったお寺をnagaさんに奪われる。最初は山地ばかりだったnagaさんはこれで一気にトップ。しかしその結果付け狙われることになり、代わって神尾さんがトップに踊り出た。このように目まぐるしく変わるのは、トップは「武士」(防御)に任命されやすくなり、自分の土地を守るのに戦力を費やし続けるためである。しかし神尾さんは見事追撃をかわして最終ラウンドに50名誉ポイントに到達し1位。
代理戦争のシステムが、主君のために命を投げ打って戦う侍の姿をよく表していてよい。あと「先生」というキャラクターも味わいがある。「先生、お願いします!」「今日は芸者の日じゃから戦はお休み!」「えー?!」・・・何の先生?
Bushido
M.ニーツァー、O.ヴォルフ/ゲームヘッズ(2008年)
3~5人用/12歳以上/90分
ゲームストアバネスト:ブシドー