Posted in ドイツ年間ゲーム大賞

ドイツ年間ゲーム大賞2013に『花火』、エキスパート大賞は『アンドールの伝説』

ドイツ年間ゲーム大賞(Spiel des Jahres)選考委員会は本日10時30分(日本時間の17時30分)、ベルリン市内のホテルにて今年度大賞の発表と授賞式を行った。5月21日に発表されていた各3タイトルのノミネート作品から、大賞には『花火(Hanabi)』、エキスパートゲーム賞には『アンドールの伝説(Die Legenden von Andor)』が選ばれた。

審査員は授賞式の前夜に投票して大賞を決定する。ノミネート作品のデザイナー、イラストレーター、出版社の代表が招かれ、エキスパートゲーム大賞(灰色のポーン)、年間ゲーム大賞(赤いポーン)の順に発表された。それぞれ3タイトルのノミネート作品を順番に紹介した後、大賞が発表された。


『アンドールの伝説』でエキスパートゲーム大賞を受賞したM.メンツェル氏はインタビューで、このゲームを息子と一緒に作ったことを明かし、行動をするたびに進む時間マーカーが気に入ったと答えた。『花火』のデザイナーであるA.ボザ氏はフランスから授賞式に参加。一昨年、『世界の七不思議』でエキスパートゲーム大賞を受賞していたボザ氏は、古典的な要素をもったゲームを作ろうとしているときに偶然できあがったものであることと話した。

 審査員はノミネート発表段階から、小箱でも面白いゲームが多かったと述べているが、ボードを用いないカードゲームがドイツ年間ゲーム大賞を受賞するのは『ドミニオン』に続いて2回目。小箱で受賞するのは初めてとなった。オリジナルがドイツ国外のゲームが受賞するのは通算12回目。フランスの作品が受賞するのは『チケットトゥライド』『ディクシット』に続いて3回目となる。

ボザ氏はツイートで関係者に感謝を述べ、「信じられない/素晴らしい話」とコメントしている。

ドイツ年間キッズゲーム大賞の発表はすでに先月10日に発表され『お姫様を助けるのは誰だ(Der verzauberte Turm)』が選ばれている(当サイトのニュース)。

『花火』は多言語版が今月4日にホビージャパンから発売されており、『アンドールの伝説』は日本語版が8月下旬にアークライトから発売される予定だ。

Spiel des Jahres e.V.

Posted in あ行

イェイ(Yay!)

狙ったところに落とす

サイコロを振って出た目を盤面に記入し、陣取りをするゲーム。記入できるのはサイコロが止まったマスだけなので、場所も考えて振らなくてはならないという、アクションゲームの要素もある作品である。2013年ドイツ年間ゲーム大賞推薦リスト作品。デザイナーのH.マイスターはキッズゲームで名高いが(作品リスト)、『ピーナッツ』など大人向きの作品もある。

木の枠の中に専用のシートを入れ、各自別々の色の鉛筆を持ってスタート。手番には、サイコロを3つ振った合計を、3つのサイコロが止まったマスのいずれか1ヶ所に記入する。振り直しができるが、前に振った数より小さいとバーストで、前にとった場所を1ヶ所消さなくてはならない。

バースト以上に熱いのが陣取りである。ほかのプレイヤーが数字を記入したマスのとなりに高い数字を記入できると、その相手のマスにX印をつけて消すことができる。だから複数のマスを一気に消せるところを狙って振る。サイコロは3個あるので、どれか1つくらいは当たると思いきや、お互いにはじきあってしまうことも。

イェイ!
狙ったマスに高い数字が書けると嬉しい

ゲームは、縦横1列が埋まった時点で終了。だからトップ目のプレイヤーは埋めにかかる。一方、ほかのプレイヤーはトップ目のプレイヤーの(数字の弱い)マスを崩しにかかる。完全に狙えるわけではないが、この攻防が熱い。

神尾さん、サガエさんと3人でプレイ。先行するサガエさんに神尾さんが端の列で追い上げる。ところが角の1マスがなかなか入らない。サガエさんが一時トップを奪い返したが、結局神尾さんが最後の1マスを埋めて勝利。2人の誤爆(?)により劣勢となった私は、高い数字を振ろうとするあまりバーストを2回も出していいところなし。

マスが埋まってくるにつれて、安全な(攻められにくい)エリアができてくるので、そのエリアをうまく取るところがポイントのようである。狭いエリアに落とすのはなかなか難しく、(まぐれでも)うまく決まったときは「イェイ!」と叫びたい。

Yay!
H.マイスター/ノリス(2012年)
2~4人用/8歳以上/30分
国内未発売