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グッとくる超雑貨

今月4日に徳間書店から発売されたムック『グッとくる超雑貨』(680円)に、「アナログゲームの逆襲」という4ページのコーナーが掲載され、国産から輸入まで18タイトルと、便利グッズが紹介されている。
木でできたネクタイ、絶対こぼれないマグカップ、鞄に入るスーツケース、醤油の出る箸、バターを糸状にするフォーマー、かっこいいレモン絞り器、擬似腕まくら、寝ながら打てるパソコン台、自動開閉センサー付きゴミ箱など、変わったアイテムを紹介するムック。ボードゲームでも、「テレビゲームでは到底味わえないアナログならではのオモシロさを体験しよう」と定番よりも変な作品寄りで紹介する。
フルカラーで紹介されているのは『ブリっとでるワン』『日本の城』『トイレ』『心臓発作にならないための10の方法』など。それぞれ価格と購入先・問い合わせ先を併記し、気になった人は手に入れられるようにしてある。お役立ち便利グッズとしてはカードシャッフラーとダイスタワーを紹介している。
『ブリっとでるワン』について真面目にコメントしているのは当サイト管理人。写真付きで掲載され、『ボードゲームワールド』も宣伝して頂きました。
書店やコンビニなどでも販売されている。

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ボードゲームストリート2013

グループSNEによる毎年恒例のボードゲーム紹介本が今年も発売された。『ボードゲームジャンクション』から数えると4年連続の刊行となる。1冊ずつ読んでいけば、2010年代のゲームの流れがどのように変遷しているか理解できるだろう。
『Role&Roll』の連載に書き下ろしを加えたもので80ページ、カラー写真で主な作品を紹介した後、今年1年の注目の新作をレビューし、リプレイ、シンプルな作品の紹介、インディーズ作品の紹介、iOSアプリの紹介、座談会という構成は昨年のものを引き継いでいる。
まず注目は「はじめに」で安田均氏が行う1年間の総括。どんなゲームがトレンドだったか、どんなゲームが注目されたかを振り返っている。2012年はダイスゲーム、ストーリーのゲームの流れが顕著だとし、それぞれ代表作として『ベガス』と『アンドールの伝説』を挙げている。この2つのゲームの流れの親和性にはTRPGから来ているというのは卓見だと思う。
昨年の『ボードゲームストリート』では、2010年から引き続いてデッキ構築とワーカープレイスメントを主流としていた。その流れでは今年『ツォルキン』に注目している。
このような総合的な視点は、各ゲームのレビューの中にも盛り込まれていて興味深い。ゲームの概要は今やウェブでほとんど分かってしまう時代だが、そのゲームがシステム面において従来品からどのように優れているかとか、今年の全体的な流れにどのように位置づけられるかという評論はなかなか読むことができない。
例えば先月、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞にノミネートされた『アンドールの伝説』は、協力ゲーム、ストーリーゲーム、多人数ソロゲームというキーワードで分析する。協力ゲームは『パンデミック』型と『人狼』型に分けられ、このうち『アンドールの伝説』は前者に分類されるという。そして「アメリカ生まれのRPGを、ドイツのボードゲームで処理したらこうなるという見本」という評は実に的を射ている。こういったハイブリッドが2010年代に、新しいトレンドの下地になっていくと思われる。
このように書いてくると、マニア向けの書籍のように感じられる方もいるかもしれないが、ゲーム中の様子を描写したリプレイ記事と、ルールが難しくないゲームを好む人向けの「ウニ頭にもできるもん!」で幅広い読者層に対応する。また、海外版の出た日本人作品や人狼ブームについても触れるなど網羅的な本である。
ウェブではなかなか読めないボードゲーム評論に興味のある方にも、最近始めたばかりで面白そうなゲームを探している方にも、1度遊んだゲームをもっと掘り下げてみたいという方にもオススメの一冊だ。