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もっとよせて(Dicht dran)

一番近いと思ったのにぃ!

中央に出されたカードに最も近い数字を狙うカードゲーム。それと同時に、2枚のカードの間に入っていないといけない。このカードは通るや否や?

6枚のカードを円形に並べ、そのうち1枚を中央に移動したらスタート。全員一斉にカードを出して、中央のカードに一番近かった人(一番近い人が2人いた場合、数字の大きいほう)が得点となる。それ以外の人は、別の2枚のカードの間に数字が収まっているかをチェックして、外れていると山札から引かなければならなくなる。カードは1~100までで、重複はない。

写真では、22が「目標カード」。これに対して、21を出した人が22のカードをゲットして得点になった。それ以外の人は、42と52の間に収まっているかをチェック。47のカードはセーフである。

リスクを承知で目標カードを狙うか、諦めて失点しないようにするかが悩ましい。目標カードと、2枚のカードは毎回変わっていく。2枚のカードの間が狭くなると絶体絶命。「出せるカードがないよ!」と思って出したら、他の人もあまりもっていなくて目標カードをゲットできたりもする。『ニムト』のような、一か八かの賭けや、してやったり感が楽しい。

もっとよせて

誰かの手札か山札がなくなったら前半終了。得失点を合計して後半に入る。前半と後半の合計が多い人の勝ち。

前半は手探りだったが、後半になると、どのようにカードを出していったらいいかコツが飲み込めてくる。この次、この次の次の目標カードと2枚のカードが分かっているので、そこに出すカードを温存しておくという戦略も有効なようだった。前半は私が1位で折り返したが後半、鴉さんが巻き返して逆転した。

逃げてばかりいては得点できないが、無謀プレイは失点になってしまうところがよい。簡単なルールで1枚1枚に一喜一憂できる楽しいゲーム。『ニムト』に飽きた方などに。

Dicht dran
R.シュタウペ/ニュルンベルガー・シュピールカルテン(2013年)
3~5人用/8歳以上/20分
ゲームストア・バネスト:もっとよせて

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アキンド(Akindo)

儲けさせてこそ儲かる構造

商品を入札で仕入れてお金を稼ぐゲーム。世界水準のボードゲーム制作に挑み、和製デッキ構築ゲーム『カンパニー』を制作したプロダクトアーツの第二弾である。箱を開けると「ようこそ」と書かれたルールブックが話題となったが、今度は「義理人情」。ゲームが始まる前から盛り上がる。穴の空いた金属のコインも、よく見れば「義理人情」の四文字。

この義理人情が実はゲームのテーマになっていて、収入では自分だけ利益になるパターンは選択できず、入札ではとなりの人と談合できるというルールが新しい。各自、商品を2枚だけもってスタート。

収入フェイズ(「客引き」)では、手番プレイヤーがサイコロを振り、自分専用とほかのプレイヤー用に分ける。収入は手持ちの商品によって、どの目で入るかが異なるようになっている。自分だけ儲かるようにサイコロを分けたいところだが、ほかの人が多数決で拒否すると、サイコロの振り直しになってしまう。しかも2回拒否されると、誰も収入できずにお流れ。だから過半数が儲かるくらいのラインで手を打たなくてはならない。

商品の仕入れフェイズは入札。場に東西に2枚のカードが出るので、ついたての後ろでほしいほうにお金をビッドする。一斉に公開して、単独で一番多くビッドした人が競り落とす。このとき1人だけ、となりの人と談合ができる。お互いのビッドを見て、狙いがかぶっていたりすれば調整できるのである。ほかのプレイヤーには内緒。「おやおや、こちらを狙っていらっしゃるとは。それならこうしましょうか」「それでは困ります。ここはこれでひとつ手を打ってはいただけないものか」「仕方がないですな」・・・・・・カルテル結びまくり。

Akindo

これを繰り返して、山札がなくなったら終了。集めた商品の組み合わせ(同色X枚など)でボーナスが入り、商品とお金の得点を足して一番多い人が勝ち。お金も得点になるので、入札もとことんケチらなければならない。

みんなケチるため、入札で最多ビッドが重なって持ち越しになることが多く、あまり商品を仕入れられないまま終盤へ。全体的に商品が少ないので役もまともにできないままゲーム終了となったが、鴉さんがジョーカーをうまく使って頭ひとつ抜けた。入札の談合が楽しく、もう少し長く続いていろいろな役を作りたかったところである。

AKINDO
坂上卓史/プロダクトアーツ(2013年)
3~5人用/10歳以上/20分