イリーガル(Illegal)
部屋の隅でゴニョゴニョ
酒、銃器、麻薬、ポルノ雑誌、売春婦、宝石、秘密ファイル、盗難車・・・アングラで非合法なものを交換で集めるカードゲーム。最後には裁判があるので、何を出し、何を集めているかバレてはいけない。
各プレイヤーには、いずれかのディーラーと、いずれかのバイヤーがランダムに割り当てられる。麻薬ならディーラーは麻薬商で、バイヤーはロックスター。ポルノ雑誌ならディーラーはポルノ出版社で、バイヤーはコレクター。売春婦ならディーラーはポン引きで、バイヤーは金持ちの王族。何が割り当てられたか、ほかのプレイヤーに知られてはいけない。
ディーラーに対応するリソースを5枚と、それ以外のリソースを1枚持ってスタート。3分間与えられるので、その間にほかのプレイヤーと自由に交換する。この交換の仕方が独特で、1対1で部屋の隅に行ってヒソヒソ話で交渉するのだ! これは、どのアイテムを流しているか、そしてどのアイテムを集めているか隠すための仕組みだが、イリーガル(非合法)感が漂う。交換が終わったらまた別の人と部屋の隅へ。「これとこれでどうでしょう?」「それならこれで・・・」「ほかにいいブツはありませんか?」
3分経つと、リソースの分配がある。各種類1枚ずつテーブルに並べて、早い者勝ちで1枚ずつ取っていく。ここでも、誰が何を取ったかが裁判での手がかりになるので、集めていないものをわざと取ったりしてカモフラージュする。
交渉・リソース分配を5回行って15分。そして裁判が始まる。裁判では、ディーラーとバイヤーが1人指定され、それはどのプレイヤーなのかを1分間議論する。議論が終わったら一斉指差しで投票。票数の多かった人にそれぞれの容疑者カードが行く。これをプレイヤー人数分だけ行ったら、種明かしの時間だ。
順番に自分のディーラー、バイヤーカードを公開し、裁判で受け取った容疑者カードが当たっていれば-5点、外れれば+1点。ほかにバイヤーに対応するリソースが1枚1点となって、合計点の多い人が勝ち。
5人プレイで25分。カードの割り当てと時間の管理はゲームマスターがすることになっていたが、様子を見に来た妻にカードを割り当ててもらって、時間は同梱の砂時計ではなくアラームの出るスマホを使用したため、全員が参加できた。
序盤は様子見で、集めていないカードをぐるぐる回したため、バイヤーもディーラーもほとんど分からない状態。でも好きそうという理由だけでtomokさんにポルノ雑誌と売春婦が集まっていく。tomokさんから、やたらこの2つが流れてくるので、実際は集めていないだろうなと思ったが、結局tomokさんのバイヤーは金持ちの王族で、売春婦を集めていたのだった。裏をかかれる。
でも1位はノーマークのお酒をコンプリートした上に、怪しまれるだけ怪しまれて投票で得点したcarlさん。結局投票は誰も当てられなかったが、カモフラージュし過ぎると怪しくなくなって、誰からも投票してもらえないことが分かった。ほどほどの怪しさが重要だ。
Illegal
C.ベーリンガー/ルディカリー(2014年)
5~9人用/18歳以上/25分
国内未発売
『アサンテ』日本語版、11月16日発売
コザイクは11月16日、ゲームマーケット2014秋を皮切りに、ドイツの2人用カードゲーム『アサンテ(Asante)』日本語版を発売する。R.ドーン作、2人用、12歳以上、40分、2800円(税別)。
『タルギ』に続くコスモス社(ドイツ)2人専用ゲームの日本語版。オリジナルは同じ作者の作品で、2005年にドイツ年間ゲーム大賞にノミネートされた『ジャンボ(Jumbo)』の改良版として2013年に発売された。イラストは米田仁士氏が担当し、アフリカ人の顔がアップで描かれていたドイツ語版から、親しみやすい絵柄になっている。
プレイヤーはアフリカの商人となり、動物や住人たちの能力を活用しながら、対戦相手より早く、より多くのお金を稼ぐことを競う。手番では、カードのドロー、手札の使用、商品の仕入れ、売却にいたるまであらゆる行動を、限られたアクション回数を駆使して効率よく行う必要がある。アクション回数をすべて消費するか、これ以上アクションをしないと宣言すると手番は相手に移行。対戦相手と交互に手番を繰り返しながら、妨害したり、出し抜いたりと、奥深い駆け引きに満ちた対戦を楽しむことができる。
カードの効果も多岐にわたり、組み合わせによる戦術の幅も豊富。時間を忘れて熱中できる、遊び応え抜群のカードゲームだ。
・cosaic:アサンテ完全日本語版