海底探険(Deep Sea Adventure)
最後の一振りで奇跡の生還!
限られた酸素の中で、できるだけ深く潜って宝を集めてくるゲーム。オインクゲームズが2014年秋のゲームマーケットで発売した。地上で遊んでいるのに、だんだん息が苦しくなっていくかのような感覚が味わえる。
全員、潜水艦からスタート。自分の番にはサイコロを2個振って(1~3しか出ないサイコロなので、最高でも6)、その数だけ自分のコマを潜らせる。止まったところにあるチップを取ることができるが、取ってしまうとその枚数だけ移動力と酸素が奪われるので、まずは何もとらないで先を目指そう。
しばらくはこうしてみんなが先へ先へと進んでいくが、誰かがチップを取ったところで状況が一変する。チップを取った人は、次の手番から枚数だけ酸素を奪われる。その酸素が、全員共通という一蓮托生がこのゲームのポイント。みんながチップを取り出すと、酸素は一気に減ってしまう。酸素がなくなる前に、急いで潜水艦に戻ろう。
しかし帰りは、自分がもっているチップの枚数だけ移動力を奪われる。欲張って3つも4つも取ってしまうと、サイコロの出目によっては全く進めない。その間にも酸素はどんどんなくなっていく。この焦りが、水中にいるかのような息苦しさを生み出す。く、苦しい~!
ほかのプレイヤーより先に帰り始めるのがポイントだが、あまり先に帰ってしまうと、高いお宝が取れない。お宝は、奥に行けば行くほど得点が高いのだ。また、方向転換はラウンド中に1回しかできないので、状況に応じて行ったり来たりして調節することもできない。慎重に進み、宝を取ったら一気に帰らなければならない。このチキンレースが楽しい。
酸素がなくなるまで潜水艦に帰れた人は、持ち帰ったチップが得点。間に合わなかった人のチップは、3枚ずつ重ねて海底(コースの一番奥)に沈む。この3枚のチップは1枚とみなすのでたいへんお得な物件。でもこれが罠で、これを目指した何人かがまた帰らぬ人となるのだ。
5人プレイで15分ほど。1ラウンドは酸素の減り方がどれくらいか分からず全員が帰還失敗。2ラウンド目はこれを踏まえて、だいぶ早いうちに帰り始める人と、欲張って奥に進む人に分かれる。先に帰り始めた人が、帰る途中でお宝を拾っていくので酸素がどんどんなくなり、半数くらいがまた帰還失敗。3ラウンド目はこうして失敗したお宝を狙ってみんなが奥へと進む。行きでダイス目に恵まれなかったtomokさん以外は生還して終了。
「まだまだ行きますよね!」「もちろん!」といっておきながら、直後にみんなこぞって帰り始めるのが焦る。2,3人が帰り始めたところで奥に行くのはとても度胸がいるが、いい目が出て無事帰れたときはその分とても嬉しい。「5以上、5以上お願いします!」最後は1,2歩の差が生死を分けるため、ダイスを振る手にも力が入った。
海底探険
佐々木隼、佐々木吾朗/オインクゲームズ(2014年)
3~6人用/8歳以上/30分
ゴールデンギーク賞2014に『宝石の煌き』
世界最大のボードゲームサイト「ボードゲームギーク(Boardgamegeek)」は23日、ユーザー投票によるベストゲーム「ゴールデンギーク賞(Golden Geek Awards)」を発表した。大賞には『宝石の煌き(Splendor)』が選ばれた。
ゴールデンギーク賞は2006年から始まり今年で9年目。これまで『ケイラス』『将軍』『アグリコラ』『ドミニオン』『ハンザ・テウトニカ』『ドミナント・スピーシーズ』『エクリプス』『テラミスティカ』が大賞に選ばれている。ボードゲームギークのユーザー層を反映して、遊びごたえのあるゲーマーズゲームばかりが並ぶ。
今年大賞になった『宝石の煌き』は、宝石を集めて鉱山、職人、貴族に換えていくセットコレクションゲーム。例年ストラテジー部門から選ばれるゴールデンギーク賞の傾向とは異なりファミリーゲーム部門から選ばれた。ストラテジー部門に選ばれた『ファイブ・ トライブス:ナカラの魔人』への支持が十分に集まらなかった模様だ。
大賞のほかに、今年は15部門でベストゲームが発表された。昨年は『ラブレター』が4部門を制したが、日本発のカードゲームはパーティーゲーム部門にノミネートされた『究極のワンナイト人狼(One Night Ultimate Werewolf)』に留まった。
今年からソロゲーム部門と、ポッドキャスト部門が新設された。ソロゲーム部門に選ばれた『インペリアル・セトラーズ』のように、1人用ルールのあるゲームがひとつのトレンドとなっている。ポッドキャスト部門には、Youtubeで動画レビューも配信しているザ・ダイスタワーが選ばれた。
【ゴールデンギーク賞2014】
ゲーム・オブ・ジ・イヤー:宝石の煌き(Splendor)
2人ゲーム:スターレルム(Star Realms)
アブストラクトゲーム:パッチワーク(Patchwork)
アート&プレゼンテーション:アビス(Abyss)
カードゲーム:スターレルム(Star Realms)
キッズゲーム:ウサギとカメ(Tales & Games: The Hare & the Tortoise)
拡張:世界の七不思議:バベル(7 Wonders: Babel)
ファミリーゲーム:宝石の煌き(Splendor)
イノベーティブ:デッド・オブ・ウィンター(Dead of Winter: A Crossroads Game)
パーティーゲーム:キャッシュ&ガンズ第2版(Ca$h ‘n Guns)
プリント&プレイ:・・・そして我々は握手した・・・(…and then we held hands…)
ソロゲーム:インペリアル・セトラーズ(Imperial Settlers)
ストラテジーゲーム:ファイブ・ トライブス:ナカラの魔人(Five Tribes)
テーマチックゲーム:デッド・オブ・ウィンター(Dead of Winter: A Crossroads Game)
ウォーゲーム:ファイヤー・イン・ザ・レイク(Fire in the Lake)
・Boardgamegeek:2014 Golden Geek Award Winners