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ゲームマーケット2016神戸レポート


ボードゲーマーなら誰でも見間違えたことのあるあの旗がついに! タンサンファブリークのブースにて
2月21日、アナログゲームイベント「ゲームマーケット2016神戸」が神戸国際展示場にて開催された。関西での開催は5回目で、これまでは大阪で行われていたが、年々膨らんでいく参加者に、新たに会場を探し出すことになった。
神戸というと関東から遠く感じていたが、アクセスは思いのほかよかった。伊丹空港で降りてバスで30分。三宮駅からモノレール「ポートライナー」に乗り、穏やかな瀬戸内海を眺めながら10分。駅を降りてすぐである。

会場となった神戸国際展示場3号館。広さも十分で交通の便もよい
会場はすぐホールになっているため、待機列は屋外。ポートライナーの高架下に約1000人が開場を待った。晴天だったとはいえ、2月の外気はまだまだ寒い。先頭に並んでいる方に話を聞くと、同人ゲームは予約しておいて、トリックプレイのブースに行くという方が多かった。「散歩してたら、人が並んでいたので」なんてボケてくれるところはさすが関西である。

寒空の下、開場を待つ来場者
午前10時の開場。会場が広いので大きな混雑もなくスムーズに入場が進んだ。最初に行列ができたのはトリックプレイのほか、DDT、ホビージャパン、ゲームストア・バネストといった輸入ゲームのブースだった。ここ数年、ゲームマーケットは国産ゲームに重点が移ってきているが、輸入ゲームも決して負けてはいない。

会場に入り、めいめいのブースに急ぐ来場者たち。「走らないでくださーい!」
今回出展したのは203団体。1日では到底回り切れないゲームマーケット東京と比べ、気になったものの話を聞いたり、体験卓で遊んだりする余裕があった。通路の広さも十分で移動もスムーズにできるのがよい。

最も長い行列ができたトリックプレイでは『タイムストーリーズ』『ブラス新版』『サンファン新版』などを販売

ホビージャパンの『メガ・シヴィライゼーション』は38,800円で20セット用意されたが完売していた

imagine Games/Utsuroiでは『江戸職人物語』英語版”IKI”の限定缶バッジを用意
ゲームのほかにも関連グッズを販売しているところも人気で、完売が出ていた。

札幌から出展のCygnus(シグナス)はスリーブに入れても山札が崩れない「カードフィーダー」(800円)を販売

滋賀から出展のFoUNtain(フォウンテイン)はコマ類を袋に入れる時にこぼれない「トークンシップ」(2200円)を販売
この日に合わせて、NPOゆうもあは日本ボードゲーム大賞を発表した。投票部門の1位は『ミステリウム』。ゆうもあ賞(選考部門)には『ウミガメの島』が選ばれた。

来場者の様子はどうだっただろうか? 何人かの出展者に伺ったところ、東京ではボードゲーム自体初めてでゲームマーケットに来たという方が多いのに対し、関西では経験者が多く、慎重にゲームを選んでいる様子である。「専門用語が通じ、初めての人が少ない感じ」(OKAZU Brand林さん)「テストプレイなどで吟味してから買っていく」(ゲームストア・バネスト中野さん)といった声が聞かれた。
参加者数は未発表だがお昼の時点で昨年の3000人に達したというから、相当なものである。ゲームマーケット事務局では当面、神戸での開催を予定しているという。
ゲームマーケット公式

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神戸・三宮のボードゲームショップ「Trickplay」を訪問

ゲームマーケット2016神戸の前日、神戸・三宮のボードゲームショップ「Trickplay(トリックプレイ)」を訪問した。夜から前日交流会が開かれることもあり、たくさんの愛好者で賑わっている。プレイ卓は順番待ちになるほど。そんな中、梅井節次店長にお話を伺った。


梅井店長がボードゲームを始めたのが2008年ごろ。そして2013年8月に開店した(TGiWニュース)。ビルが立ち並ぶ交差点の路地裏にTrickplayはある。
約7卓、40人ほどのテーブルが満員になるのは1年に1,2回だという。通常は平日の昼は1卓、土日は2卓ぐらいで回っていることが多い。平日昼ならば梅井店長も一緒に卓に入れるが、夜や土日はそうはいかない。初心者だけで3卓など立ったときにはインストにてんてこ舞いになるという。
貸出ゲームは約1000タイトル。定番ももちろん揃えているが、棚を見るとFun Connectionやハバ社、国産のレアなゲームが散りばめられている。『手抜き工事』『飴ちゃん工場』『秀才コースゲームけいさん』・・・愛好者にとって宝箱のような空間だ。
特に強いのはパーティーゲーム。これは梅井店長の趣味だというが、『ガッチャ』『セイ・エニシング』『5秒ルール』などがある。現在日本語版が売り切れている『テレストレーション』も和訳付きで販売されていた。
こういったパーティーゲームは、カードにテキストが多くて翻訳がたいへんである。梅井店長はお店まで自転車で10分くらいのところに住み、朝から開店の13時まで翻訳に精を出す。「勤めていたころより長く働いています。」最近ではアダルト向けの『テレストレーション・アフターダーク』やフランスの謎解きゲーム『タイムストーリーズ』も手掛けている。
そのようなわけで販売の品揃えも魅力的だ。日本語版や国産ゲームのほかに、独自ルートで輸入して梅井店長が翻訳したゲームがある。委託販売はあまりないが、北条投了氏のジプロックに入った作品がたまに出てくるという。
ゲームマーケットが神戸で開催されることについて「神戸とボードゲームがもっと盛り上がるといいな」と梅井店長。実際、ゲームマーケット1か月前からお客さんが増えた気がするといい、効果はもう出てきているようだ。グループSNEの事務所が近くにあり、神戸大学の学生が運営する一般参加OKのサークルもあるという恵まれた環境に、ゲームマーケットの効果が今後どれくらい波及していくか楽しみである。
Trickplayホームページ