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ソラシノビ(Space Ninja)

忍法熟慮の術
ソラシノビ
4つの惑星に忍者を送り込んで人口を調整し、得点を競う陣取りゲーム。第1回グループSNEコンテストで優秀作品に選ばれ、製品化された。作者は遊星ゲームズの寺島由人氏で、デザインもコンポーネントも、ミドルクラスのドイツゲームのようなテイストになっている。遊びごたえがあって、それでいて1時間以内で終わる。
6つの星ボードが入っているが、1ゲームに使うのは4~5枚。順番もランダムなので、毎回違った展開が味わえる。星を円形に並べ、最初の人口コマを置いたらゲームスタート。
手番には自分のシノビコマを1個、4つの星のいずれかに置く。星によって、人口コマを移動させたり、ダイスを振ったりする。手持ちのシノビコマが全員亡くなったら、それぞれの星の効果が発生し、人口コマの状況などに応じて人口が増減する。その後で、各星について、シノビコマの多いプレイヤー(同数なら先に置いたほう)に、その星の人口コマ分の得点が入る。4ラウンドで合計得点の高いプレイヤーが勝利。
基本的に、自分のシノビが多い星の人口コマを増やすよう、あるいは人口コマの多い星に自分のシノビを送り込むわけだが、悩ましいポイントが2つある。
ひとつはシノビの定員。シノビが定員を超えると、先に置いたシノビは追い出されてしまう。人気が高い星はシノビがどんどん集まってきて入れ替わりが激しいので、ただ人口が多ければよいというわけではない。
もうひとつは人口超過のルール。人口も上限があり、それを超えるとバーストして半減するだけでなく、そこにいるシノビも前から半分追い出されてしまう。だから人口をコントロールしたいところだが、隣接する星も関係していて一筋縄ではいかない。
シノビコマは毎ラウンド2個ずつ置くので、4ラウンドで合計8個。たったそれだけなのに悩ましく、一手一手が駆け引きに満ちている。「私がこの星に置くと、あの人がこの星に置くでしょう? 人口をわざと超過させにくるかも。それならば相乗りするか? ……」
4人プレイで45分ほど。今回登場した星は、隣の星を巻き込んで人口増減が頻繁に起こるマンダリン星団、ニュートラルな下忍を量産する甲賀の里、革命で人口増減が激しいエンリル、星の中で人口が多数決を行うアクロポリス。ダイスを使う星がなかったため、先の先を読む展開となった。人気のないエンリルで地道に得点を重ねつつ、下忍を送り込んでライバルのシノビを追い出して私の勝利。みんなで組んで1位を追い落とすこともできなくはないが、コマ数が少ないので「仕事」がしにくいのも、ポジティブに作用している。
ダイスを使う星が入っても(いや入ればなおさら)、自分にとってどれがベストかは簡単に分からない。ほかのプレイヤーの動向を踏まえて一手一手をじっくり考えるのが面白い作品である。
ソラシノビ
デザイン・寺島由人/イラスト・しろー大野/cosaic(2016年)
3~5人用/12歳以上/60分

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『エルダーサイン』日本語版、改訂2版が7月23日発売

アークライトは7月23日、クトゥルフ神話の協力型ダイスゲーム『エルダーサイン(Elder Sign)』の改訂2版を発売する。R.ロニアス&K.ウィルソン作、1~8人用、14歳以上、60~120分、4200円(税別)。
オリジナルはファンタジーフライト社(アメリカ)の製品。2012年春に日本語版、同年秋に改訂版がリリースされているが、このたび4年ぶりにルールの細部を修正して再々版されることになった。価格も少しではあるが
プレイヤーは探索者となり、次元の狭間に棲むクリーチャー「エンシェントワン」と戦う。特殊なダイスを振って、未知のクリーチャーが巣食っている博物館を探索し、その付近での事件に立ち向かっていく。勇気とスキルで「旧き印」を獲得し、「エンシェントワン」を封印することを目指す。
ゲーム中、深夜12時になるたびに「エンシェントワン」の目覚めが近づいてくる。行動に手間取って封印が間に合わなければ、人類は破滅の淵に立つことになるだろう。
内容物:カード(大)80枚、カード(小)76枚、特殊ダイス8個、時計盤1枚、各種トークン・マーカー147個、エントランスシート1枚、ルールブック1冊