スクウェア・エニックスから『チョコボのクリスタルハント』発売
スクウェア・エニックスは4日、RPGゲーム『ファイナルファンタジー』の人気キャラクターを使ったカードゲーム『チョコボのクリスタルハント』を発売した。デザイン・大根田祥宏(ホビージャパン)、3~5人用、5歳以上、10~20分、1900円(税別)。
チョコボとデブチョコボが、クリスタルを集めるゲーム。手番には手札から探索カードを出して、ほかのプレイヤーの手札から1枚引く。クリスタルガードだったら探索成功で、自分の手札に入れることができる。こうして火・水・風・土4種類のクリスタルガードを全部集めるか、種類を問わず6枚集めれば勝利となる。
相手の手札からモンスターカードを引いてしまうと、自分の手札を1枚捨てたり、自分の手札を全部見せたりしなければならなくなる。
イラストは全てこのゲームのために描き起こされたもの。キッズから遊べるルールと可愛いイラストの作品だ。
スクウェア・エニックス社はこの作品と、『ファイナルファンタジー』TCGの英語版を今秋リリースし、日本国内に先行して北米・ヨーロッパ市場に参入している。
ヘラス(Hellas)
石切場、閉鎖間近!
ギリシャの島で神殿や宮殿を建設し、都市を広げる陣取りゲーム。S.ドラがホワイトゴブリンゲームズ(オランダ)から発表した。ドラの作品はデザイナー買いしているが、シュピール’16ではホワイトゴブリンゲームズが出展しなかったため、作者のフェイスブックで売っている場所を確認し、辛うじて入手できた。ワーカープレイスメントとバリアブルフェイズをミックスした面白い作品である。
手番にはキューブをアクションスペースに置いて、そのアクションを行う。すでにキューブが置かれたアクションスペースはもう選べない。このアクションスペース、全員が順番にアクションできるところと手番プレイヤーだけがアクションできるところがあり、この違いによって面白いインタラクションが発生する。
アクションスペースは7種類13スペース。基本的な流れは、まず島のあちこちに石切場があるのでそのそばに家を建てる。何軒か建ったら石切り場のアクションで大理石を産出。この大理石を使ってさらに家を建てたり、宮殿・神殿の柱・石像などを作ったりする。
宮殿と家の両方がつながっていれば「都市」とみなされ、ゲーム終了時にその広さや、連結している神殿の柱数・石像が得点になる。したがって石切場を確保しつつ、その周囲に宮殿などを建てて広いエリアを作っていく流れとなる。ほかのプレイヤーも同じことを考えているので、局地的に激しい陣取りが繰り広げられる。
面白いのは、石切場が永久的に使えないところ。石切場のアクションを行い、全員が大理石を手に入れるたびに、新しい石切場タイルを引く。石切場タイルには数字が付いており、より数字の低い石切り場があればその上に重ねておく。置ける石切り場がなければ、そのタイルは新しい場所(建設予定地は予め決められている)に置かれ、変わって現時点で一番数字の大きい石切場が閉鎖される。こうして石切場は少しずつ遷移していくというわけだ。数字の大きい石切り場は、閉鎖される可能性が高いので見切りをつけなければならない。
ゲームは3ラウンド。1ラウンドに各プレイヤーが選べるアクションスペースは2~3しかなく(4人プレイ時)、プレイ時間は短い。ほかのプレイヤーのアクションにうまく便乗できるかがカギとなるだろう。
得点計算は最後だけ。自分が作った都市の中で一番広い都市の得点、神殿・石像に接続した都市の得点、柱を建設するたびにもらえる指輪の得点、残った大理石の得点を足して合計の多い人が勝つ。
4人プレイで1時間ほど。序盤に場所取りが悪く都市にならないまま行き詰まってしまったため、コストの安い周辺の海岸に広げることにする。建設予定地の石切場の周辺に家を先に建てて待っていたが、石切り場が開かれたのはもう終盤だった。広い都市を作り、ほかのプレイヤーが育てた神殿にうまく接続したcarlさんが優勝。
シンプルなアクションに絞り込み、インタラクションを際立たせるドラの才能が光る作品である。
Hellas
デザイン・S.ドラ/イラスト・D.ローハウゼン/ホワイトゴブリンゲームズ(2016年)
2~4人用/10歳以上/45~60分