日本ボードゲーム大賞2016に『コードネーム』『カルバ』
NPO法人世界のボードゲームを広める会「ゆうもあ」は12日、日本ボードゲーム大賞2016を発表した。選考部門には『カルバ』、投票部門には『コードネーム』が選ばれた。
今年で15回目を迎える日本ボードゲーム大賞。昨年1年間に日本国内で新発売された国産・日本語版・輸入・同人ゲーム284タイトルの中から大賞を選んだ。
投票部門は昨年12月から今年2月まで、2ヶ月半にわたってネット、ショップ、ゲームサークルで行われ、37都道府県から254名(昨年比-45名)が参加した。各自ベスト5まで記入できる方式で、1位5点、2位4点、3位3点・・・として集計した結果、『コードネーム』が1位となった。並んだカードからヒントをもとに自分の陣営に属するカードを当てていくゲームで、日本語版にもなっている。
2位以下の順位は下記の通り。国産ゲームが上位に入った昨年から一転、今年は海外ゲームが上位を独占した。国産では『インサイダーゲーム』が最高の9位。
選考部門(ゆうもあ賞)は、ゲームをあまり遊ばない家族向けにゆうもあがお薦めする作品。今年は『カルバ』が選ばれた。全員が同じ道タイルを引いて、遺跡までのルートを作るハバ社(ドイツ)のゲーム。ノミネートには『ドクターエウレカ』と『コンプレット』が選ばれている。
【日本ボードゲーム大賞2016】
投票部門
大賞:コードネーム(Codenames / V.フヴァチル / チェコゲームズ出版+ホビージャパン) 221点
2位:コンプレット(Completto / H.マイスター / シュミットシュピーレ)165点
3位:パンデミック:レガシー シーズン1(Pandemic Legacy Season 1 / M.リーコック他 / ズィーマンゲームズ+ホビージャパン) 138点
4位:世界の七不思議:デュエル(7 Wonders Duel / A.ボザ&B.カタラ / ルポプロドゥクシオン+ホビージャパン)129点
5位:マルコポーロの旅路(Auf den Spuren von Marco Polo / D.タシーニ&S.ルチアーニ / ハンス・イム・グリュック+アークライト)109点
6位:私の世界の見方(Wie ich die Welt sehe…) 101点
7位:フードチェーンマグネイト(Food Chain Magnate) 85点
8位:スカイアイランド(Isle of Skye) 83点
9位:インサイダーゲーム(Insider Game) 72点
10位:スルー・ジ・エイジズ(Through the Ages) 67点
選考部門
ゆうもあ賞:カルバ(Karuba / R.ドーン / ハバ)
ノミネート:ドクターエウレカ(Dr.Eureka / R.フラガ / ブルーオレンジゲームズ)
ノミネート:コンプレット(Completto / H.マイスター / シュミットシュピーレ)
・NPOゆうもあ:日本ボードゲーム大賞2016 投票部門 発表!/日本ボードゲーム大賞2016 ゆうもあ賞 決定
関西のボードゲーム中古専門店Schatziを訪問
ゲームマーケット2017神戸の前日に兵庫・尼崎に1月オープンしたボードゲーム中古専門店「Schatzi(シャッツィ)」を訪問した。
新しいにおいのする店内に入ると、新品と見紛うような中古ゲームが並んでいる。「あれ? シュリンクがかかってるものもあるんですね」「クレーブラットさんのキッズゲームを取り扱ってるんです。それから未開封のまま遊んでない積みゲーを持ち込む方もいらっしゃいますね」
商品の並べ方もゆったりしていて新品のように見える
このお店はもともと、ボードゲームコレクターのcarrolこと高橋勝巳氏と、同じくボードゲームコレクターのわとさんが結婚して、大量の積みゲームが発生したことがきっかけとなっている。夫婦で所有するボードゲームは合わせて5000個! そのうち1000個をこの店で売りに出すことにしたという。この建物は夫婦の新居で、1階が店舗、2階が住まい、3階が倉庫になっている。
ザ・コレクター夫婦。わとさんと、carrolこと高橋店長
したがって開店当初はしばらく買取を行わず、「在庫」を販売していた。現在は買取も行っており、車で50個ぐらい持ってくる方もいらっしゃるという。「今週はゲームマーケット前で、持ち込まれる方が多かったですね」「分かりやすい(笑)」
国内では横浜の「ボードゲームリサイクルCUBE」に続いて2店目となる中古専門店。高橋店長は「こういうお店を私が欲しかったから」という。新品を扱うボードゲームショップでは、定番の新作が並び、絶版ゲームは取り扱われない。一方、絶版ゲームはプレミア価格がつき、とんでもない値段で取引されている現状。「本当の価値」で流通できる場所が求められているのは、全国のボードゲームフリーマーケットの人気を見れば明らかだろう。
多くのお客さんは、少し前のゲームを定価より安く買うために来ているという。大阪から20分ぐらいの住宅地で、仕事帰りに立ち寄る人も少なくない。また近日中にホームページを立ち上げて通信販売も行う予定となっている。
いわゆるレアゲームは、奥の棚に展示されている。『コミュニケーションカタン』19万円、『ワールドマップアクワイア』8万円、『飴ちゃん工場』2万円、『スタンプス』1.8万円など。『3Dカタン』は15万円で販売されたという。マニアでも見たことのないようなゲームが揃っているのはさすがコレクターだ。
また、店長夫婦が自ら製作しているボードゲームアクセサリー「ミープリング」の品物が置いてあるのも特徴。ゲームマーケットでしか手に入らなかったキャラクターミープルなどを、じっくり選んで購入することができる。
店内には変わった飲み物も販売されており、飲みながら店長とボードゲーム談義をするのも楽しい。今回私は、沖縄のルートビア(難易度4/140円)を頂いた。「アンメルツのにおい」と評する人もいる尖った炭酸飲料だ。ゲームマーケット前で次々と来店するお客さんを尻目に、店長夫婦としゃべっていると、何となく美味しく感じられてきたのが不思議だ。
変わった飲み物おしながき
帰りは、立花駅前の商店街で、たこ焼きを食べた。駅から店までの間に、たこ焼き屋さんが3軒もあって、美味しい匂いが漂っている。
Schatzi(シャッツィ)
兵庫県尼崎市立花町4-11-8-1
06-7182-8399
Twitter:gameSchatzi
JR東海道本線立花駅徒歩5分
13:00~20:00/水・土休