コードネーム・デュエット(Codenames Duet)
以心伝心の一語
2016年のドイツ年間ゲーム大賞を受賞した『コードネーム』のシリーズ第3弾。今夏発売予定の最新作で、今度は基本2人(2チームでも可)で遊ぶ協力ゲームである。チェコゲームズ出版によると、ルール付属の2人用ルール(仮想の相手チームと戦う)を見たアメリカ人の愛好者が、別の2人用ルールを考案し、チェコゲームズ出版に公開してよいか尋ねてきたのが、このゲームが生まれたきっかけであるという。
ワードカードを5×5で25枚並べて、どのカードがスパイでどのカードが暗殺者か指示されたキーカードを見るところまでは同じ。このゲームのポイントは、プレイヤーが向かい合って座り、それぞれキーカードを片面だけ見るところにある。2つの面はスパイも暗殺者も位置が異なるが、スパイは合わせて15枚ある。この15枚のスパイを規定回数内で協力して見つけ出すことがゲームの目的だ。
片方が例によってヒントのワードと数を言い、もう片方がそのスパイを当てる。回答をやめるか、間違ったら交替。回答をやめた場合は市民トークンを手元に、間違ったらそのカードの上に置く。こうして市民トークンが減っていき、9枚使い切るまでに15枚のスパイを全て当てられなかったら(あるいはその前に暗殺者を選んでしまったら)敗北となる。
各プレイヤーが担当するスパイも暗殺者も位置が異なるが、同じ盤面であるところが面白い。どちらにとってもスパイということも、自分にとって暗殺者だが相手にとってはスパイということもある。ヒントを出しにくいなと思っていたカードが消えて進めやすくなるなど、手詰まり感がなくダイナミックだ。
バックグラウンドをよく知っている相手とプレイすることで、ヒントも冒険できる。しかし自分にとって常識的なイメージが相手にとっても常識的とは限らない。「えー、分かると思ったのに!」そんな相手のバックグラウンドの探り合いが、2人プレイの醍醐味である。
さらに世界地図のキャンペーンシートが付属。最初はプラハ(チェコゲームズ出版の所在地)から始まり、9手番で9回まで間違ってもいいというルールだが、ここからほかの都市にいくと、手番数や間違ってもいい回数が変わる。1回でも間違ったらゲームオーバーという都市は緊張感がすごい分、クリアしたときの喜びは大きいだろう。
カップルで遊んでも、ゲーマー同士で遊んでも、相手の新しい一面が見れるかもしれない。
Codenames Duet
デザイン:V.フヴァティル&S.イートン
イラスト:T.クチェロフスキ
チェコゲームズ出版(2017年)
2~人用/11歳以上/15~30分
海賊たちの脱獄ゲーム『カルタヘナ』日本語版、8月26日発売
アークライトは8月26日、『カルタヘナ(Cartagena)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・L.コロヴィーニ、2~5人用、8歳以上、30~45分、3200円(税別)。
イタリア人デザイナー・L.コロヴィーニが制作し、最初は2000年にウィニングムーブズ社(ドイツ)から発売された。その後シリーズ化されて3タイトルが発売され、リメイクも行われてきたが、今年になって初版ルールに『カルタヘナ2』のルールを加え、新しいバリアントルールを加えた新版が制作され、ジョーキ・ユニティ(イタリア)ほか7社で同時発売となった。
このゲームは1672年、コロンビアの要塞都市カルタヘナで起こった海賊の脱獄がもとになっている。プレイヤーは監獄に閉じ込められた海賊たちとなり、掘り進んだ地下通路を抜けて、待ち受けている脱出用スループ船を目指す。さらにスループ船で海を渡り、海賊島のジャングルを抜けて、仲間たちが待っている入り江にたどりつくことができたら完全勝利だ。
ゲームは、手札からカードを出して、そのシンボルのある空いているマスまで自分の海賊コマを進めるか、戻して手札を補充するかというアクションを組み合わせて行う。地下通路は狭いため、1つのマスには3人までしか入れない。ほかの海賊を妨害しつつ、自分の海賊全員を逃がそう。
新しいバリアントルールとして、手札補充のルールを一新する「海賊モーガン」、手札を攻撃する「無法者」、宝箱と各カード固有の能力を加える「ブラック・マジック・ウーマン」を入れることもできる。さらにゲームの難易度やプレイ時間を変更するルールもあり、決定版とも言える内容となっている。
内容物:ゲームボード8枚、カード102枚(※カードサイズ:42×63mm)、船ボード2枚、牢獄ボード1枚、海賊の入り江ボード1枚、海賊コマ30個、宝箱トークン8個