天下鳴動(World Rumbling)
援軍を送って劣勢を逆転!
全国11のお城を巡って勢力を争う戦国時代のダイス国盗りゲーム。77spieleがゲームマーケット2017秋に発表し、ゲームマーケット大賞の優秀作品に選ばれている。全く飾りのない白黒ボードだが(新版はカラーになる模様)、先の先を読む戦略性とダイス運、最後まで高まっていく興奮曲線で夢中にさせる。
それぞれのお城に2から12までの得点がランダムに割り振られてゲームスタート。手番には3つのダイスを振って組み合わせ、そこに自分の兵士コマを送る。組み合わせ方は2つのダイスの合計のお城に、もう1つのダイスによって1~3個。出目が全部違っても、組み合わせのパターンは6通りだけである。出目がよほどよくない限り、得点の高いお城には多くの兵士を送り込めないところが面白い。
ほかに兵士を移動させたり手元に戻したりできる「軍隊カード」がゲーム中に1回だけ使える。効果はそれほど強くないように見えるが、このゲームは兵士コマ1個の差で展開が劇的に変わるので疎かにできない。
これを繰り返し、全員の兵士コマがなくなったらゲーム終了。1回の手番で置けるコマの数が違うので、終わった人からパスとなる。先に抜けると次の得点計算で同数になったとき勝てる権利がもらえ、後まで残るとほかの人が置き終わってから調整するという手も(ダイス運が良ければ)ある。
さていよいよ得点計算。2点のお城から、そのエリアにある兵士コマの数を比べ、1位の人がその得点、2位はその半分の得点を得る。1位の人は、隣接する国で自分の兵士がいるところに、新たに援軍コマを2個ずつ置くことができる。これによって、より得点の高いお城の勢力がどんどん変わっていく。最後の12点のお城では、あちこちから援軍がやってきて激戦が繰り広げられることになるだろう。
このように前のお城で勝利すると近隣に援軍を出すことができる連鎖反応システムがあるために、兵士コマの置き方も悩ましい。得点が低めのお城で勝って援軍を送るか、得点が高めのお城にたくさん配備して固めるか。ドイツゲームの王道であるエリアマジョリティ特有の悩ましさがあるが、ダイスでコントロールすることでスピーディに行うことに成功している。プレイ時間は20分程度。重いのに軽く、軽いのに重いゲームである。
天下鳴動
ゲームデザイン&アートワーク・与儀新一/77spiele(2017年)
2~4人用/10歳以上/20~40分
和風SF陣取り『スターシップ・サムライ』日本語版、12月13日発売
アークライトは12月13日、『スターシップ・サムライ(Starship Samurai)』日本語版を発売する。ゲームデザイン・I.ヴェガ、アートワーク・ガンシップレボリューション、2~4人用、14歳以上、60~90分、6600円(税別)。
オリジナルは今夏、プラッドハットゲームズ(アメリカ)から発売された作品。戦乱の時代を迎えたロータス銀河で、「サムライ・メック」の力を使い、皇帝の座を勝ち取ることを目指す和風SFゲームだ。
ロータス共国連合は銀河皇帝ホシの崩御後、4つの共国、ノヴァ、パルサー、ガンマ、ヴォイドに分裂した。それぞれ国は支配者「ダイミョウ」を皇帝の正当な後継者として立て、戦乱の世が訪れた。
プレイヤーは、この「ダイミョウ」の一人となり、「サムライ・メック」と艦隊で敵を倒す。小共国の賛同を集め、次代皇帝の座に就くのは誰か?
圧倒的なミニチュアフィギュアと、『デッド・オブ・ウィンター』の作者がデザインした陣取りのマッチした作品だ。
内容物、ルールブック1冊、同盟ボード1枚、星域ボード4枚、プレイヤーボード4枚、アクションカード48枚、ユニットカード16枚、星域カード16枚、母艦コマ4隻、サムライ・メックコマ8体、戦闘艇コマ32隻、資産トークン44個、親マーカー1個、得点マーカー4個、命令トークン16個、小共国トークン8個(※カードサイズ星域カード70×120mm、他64×89mm)