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ゲームマーケット2018秋:1日目レポート

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2018年11月24日から2日間にわたって、東京ビッグサイト(西3・4)にて、ゲームマーケット2018秋が開催されている。1日目のレポート。
10時開場時の待機列は3000人(Raelさん調べ)。ゲームマーケット事務局では2日間合計で22000人の参加者を見込んでいるが、Raelさんは23000人ぐらいを予想する。


開場してすぐ、長蛇の購入列が形成されるサークルは増えているように見えた。一極集中から多極集中へ。これも人数が増えた結果だろう。そのため会場内では往来がいたるところで渋滞し、移動に時間がかかることが多くなった。
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長蛇の購入列だけでなく、ステージ周りにたくさんのファンが詰めかけたBakaFire Party
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『東京サイドキック』再版と拡張を発表したリトルフューチャーも長い列が続いた。登場キャラクターのコスプレは日替わり
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A.ボザ氏は毎回の参加になってきた。会場内ではブースを精力的に回って試遊する姿が見られた。『進撃の巨人ボードゲーム』ではサイン会も開催
会場内で注目されたゲームは次の通り。
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昨秋発表した『Improvement of POLIS』がゲームマーケット大賞で優秀作品に選ばれた慶応HQはタワーディフェンス&ワーカープレイスメント『SINGULARITY』を発表。瞬殺
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UNiCORNの『ドゥエッティパンティーノ』は性癖に合わせて理想のパンツを並べるカードゲーム。瞬殺
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HOY GAMESの『マメィ』は場からカードを集めてセットで支払うカードゲーム。場が3つあり、誰も選ばないと累積していく。手札上限があるため、やりくりが悩ましい
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ハナヤマは『TOKYO CROSSING』という渋谷の交差点で向かい側に渡るゲームをテスト販売。忍者、オタク、女子高生で動き方が異なる
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ジェリージェリーカフェの『スパイのウィンク』は、カードに指示された相手にウィンクを送り、その相手が視線を向けた場所を当てるゲーム。ほかの人のウィンクを目撃したら告発できる
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ケンビルの『ナゲナゲポートサイドヨコハマ』は、カードを出していってパターンが揃ったら中央の箱にレコードを投げ込む。急いで投げると外れてしまう
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ワンドローの『エスパーピザ屋ゴーストタウンへ行く』は、ゲームマスターが衝立の裏で置いたコマの位置をメモしながら推理するゲーム
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natriumlamp gamesの『マサラマジック』はスパイスの香りを使ったゲーム。いい匂いを周囲に漂わせていた
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Saashi & Saashiは『バスルートをつくろう』を京都市交通局とかけあって同局90周年記念版として作成。京都市内ではイエローサブマリン、東急ハンズ、Bricksなどのほか、イベント「電車バスファン感謝祭」でも販売された
このところボードゲームグッズ類はどんどん充実しているが、今回も注目すべき新しい作品が次々と展示されていた。価格も安めで、ついつい手に取ってしまう。
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ラセンワークスのダイストレーはさまざまなサイズと印刷があってよりどりみどり
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ホットゲームズが3Dプリンタで製作したボードゲームグッズ。『うんちしたのだぁれ?』用うんちトークン、『ブルゴーニュ』用タイルホルダなど
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ころん、ゆらんでは「草原に寝そべるミープル」のアクセサリーや名刺入れなど
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ニコボドではマグネット「Boardgamer in Car」と、美しいボードゲームの写真をあしらった2019年のカレンダーを頒布
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Dilettanteのボードゲーム学習帳。遊んだボードゲームを記録できる
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いたやま商会の木のコマはどんどん充実
ブース内イベントはBakaFire Party以外も盛んで人が賑わっていた。
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すごろくやはゲストを呼んで参加型の紙ペンゲームや巨大キャプテンリノをプレイ。
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ジェリージェリーカフェのボードゲームカフェオーナー会議。ディアシュピールの川口正志氏、アソビCafeのだてあずみ。氏、JELLY JELLY CAFEの白坂翔氏。
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同じくジェリージェリーカフェのボードゲームデザイナー会議。大塚健吾氏、郡山喜彦氏、米光一成氏が登壇。
明日はどんなイベントになるか楽しみだ。
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レイクホルト(Reykholt)

野菜のことばかり考えている
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アイスランドの首都レイキャビクから北に100kmほどいった村レイクホルト。ここで野菜を育て観光客にご馳走する。ワーカープレイスメントに畑の種まきと収穫という、『アグリコラ』でおなじみのシステムで、テキストのあるカードを少なくして極力シンプルにし、短時間でプレイできるようにした作品である。公称では60分以内に収まる。
ゲームボードには24のアクションスペースがあり、ここに毎ラウンド各自3個ずつワーカーを置いてアクションを行う。アクションスペースもワーカーもゲーム中増えず、3周で1ラウンドが終わるからゲームのテンポがよい(基本ゲームは7ラウンドなので21回手番を行ったら終了ということになる)。
アクションスペースが24もあるといっても、基本は野菜を取る、温室を取る、野菜を温室に植える、収穫するの4つだけで、組み合わせがさまざまあるというだけである。
野菜は5種類(トマト、レタス、キノコ、カリフラワー、ニンジン)あり、温室は3~6区画の4種類ある。区画が小さいほど植えられる野菜の種類が増え6区画の温室にはトマトかレタスしか植えられないが、3区画の温室には全種類植えられる。こうして野菜のレア度に差をつけている。
野菜を温室に植えるというのは、手持ちの1つを1区画に置き、残り全ての区画に同じ種類の野菜を置くというもので、3~6倍に増えることになる。ただし収穫はアクションを使わない限り1ラウンドに1回しかできないので、一気に手に入るわけではない。温室を増やして多くの野菜を取れるようにする。
ラウンド終了時に、指定された野菜を支払うことで自分のコマが進み、最終的にこれが一番遠くまで進んだプレイヤーが勝つ。勝利点もお金も使わないことでシンプルな処理にしているのがいい。野菜は支払えるだけ払ってどんどん進むことができるが、支払わなければいけない野菜はどんどん増えていく。ただし1ラウンドに1回、「ボーナス」といって野菜を支払う代わりにもらって進むことができ、停滞しにくくしてある。
ゲームごとに変化を付ける要素として「サービスカード」がある。毎回5枚だけ使い、アクションスペースで取る。特定のアクションをするたびにちょっとおまけがついてくるもので、ゲームのスパイスになっている。新基軸として、となりのプレイヤーと同じサービスカードをシェアするアクションがあり、そのカードが適用されるアクションを巡って競合が起こりやすくなっている。
このように要素を削ぎ落として遊びやすくしつつ、収穫の楽しみや、提供する野菜のやりくりを楽しめるようにした作品である。3回目のプレイからシナリオモード(特定の野菜が取れにくくなったり、到達目標が設定されたりする)とイベントカード(毎ラウンドはじめに適用)を入れることが推奨されている。
4人プレイで1時間強。野菜1つが勝敗を分けるので慎重に考える場面が目立った。運の要素がなくてシビアなゲームではあるが、「ニンジン限界」「温室ぶっぱ」「もう野菜のことしか考えていない」など真剣な思考の中から出てくるつぶやきがおかしくて、和やかにプレイできた。
Reykholt
ゲームデザイン・U.ローゼンベルク/イラスト・K.フランツ&L.ジーグモン
フロステッドゲームズ(2018年)
1~4人用/12歳以上/30~60分