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DNAを集めて新生命体開発『バイオハック』拡張2種と共に4月4日発売

Biohackうちばこやは4月4日、『バイオハック(Biohack)』を発売した。ゲームデザイン:Y.D.インドラヤーナ、イラスト:I.リズアン、1~4人用、14歳以上、60~90分、8160円(税込)。第1拡張セット『フロウシェル』とセットで9460円(税込)、第2拡張セット『サイエンティスト』1620円、スピンオフ作品『エンクロージャー』5540円、グレードアップ用のメタルコイン2025円(税込)。

学会を追われたマッドサイエンティストたちが、極秘の新生命体開発競争に挑むセットコレクションゲーム。インドネシアのデザイナー、マレーシアのイラストレーターを擁してキックスターターにかけ、2242人が2885万円を出資して製品化された。

毎ラウンド、行きたいアクションスペースを場所カードで一斉に決め、「ノーマン」と呼ばれる人造人間を配置する(多く配置するほど得るものも増える)。次に手番順に資源を獲得するか、資源を支払ってクリーチャーを生成したり科学者を成長させたりする。規定ラウンドまたは誰かがクリーチャーを7体生成したら終了に向かい、評価点の合計で勝敗を決める。

科学者には固有の能力があるほか、生成したクリーチャーもさまざまな特殊能力をもたらす。このコンボでゲームごとに変わるさまざまな目標を効率よく達成し、評価点を上げよう。

拡張セット2タイトルと、クリーチャーを使ったパズルゲームが1タイトルも同時発売された。第1拡張セット『フロウシェル』はノーマンをパワーアップする未知の鉱物を追加し、第2拡張セット『サイエンティスト』はクセの強い能力を持った科学者14人を追加する。パズルゲーム『エンクロージャー』はシルクスクリーンプリントのクリーチャーコマを使った30~45分の作品。

うちばこや:バイオハック
うちばこやオンラインショップ

Biohack2

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インスト中に質問されたら?

Figure Question近年、ありがたいことに春休みや夏休みなどに小学生の学童クラブに依頼されてボードゲームを持ち込む機会が増えている。低学年を中心に30人以上になることも珍しくなく、支援員の先生方に30分ほど早く集まってもらって、ルールを事前に説明するようにしている。

遊ぶゲームは『宝石ゴンゴン』『アイスクール』『ウボンゴ』『ウミガメの島』『ストライク』などの簡単なもので、1人の先生が1つのゲームを担当して頂くのだが、30分で8ゲームくらいのルールを説明していくので早足にならざるを得ない。説明を聴く先生方もボードゲームを遊んだことなどほとんどないので、要領を得ないことも多い。

このようにしてざっくりとルールを説明していくわけだが、その最中に割と細かい質問をされることがある(当然といえば当然である)。例えば『ストライク』でまだ複数の人のサイコロが残っているときに時間が来たらどうやって勝敗を決めるか。実際にやってみれば『ストライク』は20分くらいで何回もできるゲームなのでそのような問題は起こらないが、やったことがなければ気になるのだろう。

ルールやゲームの進め方に関する疑問はいくらでもあるもので、慣れていない人がインスト中に質問したくなるのは仕方がない。問題はそのような時、どのようにして質問した人に恥をかかせないように返すかである。「そんな当たり前のことで」と鼻で笑ったり、「それは今説明しました」と注意したりするだけでなく(こういう対応はトラウマになるものだ)、無言で表情をこわばらせただけでも質問した人に申し訳ないと思わせてしまう。経験者のボードゲーム会でなら「それはこれから説明します」で済むことも、初めての方には「良くない質問をしてしまった」と思わせるかもしれない。

まず多くのゲームに共通なFAQ(下記)は、質問される前に全体であらかじめ説明しておくのがよい。あとは実際に子どもたちが来て遊び始めてから、テーブルを巡回するのでわからないことがあったらその都度聞いてもらうように伝えておく(こちらから指摘することもある)。

①最初の人はじゃんけんで決めること
②手番は時計回りで行うこと(じゃんけんで勝った順ではないこと)
③時間が来たらその時点で勝敗を決めること

その上で出た質問については、気になるとその先が耳に入らないものと思って、その都度解消しておきたい。どんなに些細・的外れだと思っても、質問したこと自体を褒める。「いい質問ですね!」「確かに大事なところですね」「よく訊いてくれました」。ボードゲームは難しくて自分には無理だと思っている人に、自信をつけてもらうという効果も見込める。

その上での回答について、確定的なことは「こういうルールなんですよ」、わからないことは「後でルールブックを確認しておきますね」、ルールにないことは「こうすればよいと思います」などと、謙虚かつ丁寧に答える。状況と質問に即応した回答ができるかどうかは、ボードゲーム経験以上に、表情や言葉遣い(もっといえば人柄)によるところが大きい。

『みんなのインスト』(2014年)では、「ゲームを始める前に質問がないか確かめる」「逐一区切って質問する時間を作る」「(インストを受ける場合)質問は途中ではなく最後にする」といったアイデアが寄せられているが、ここではそういった方法論・マナーが共有できていない場合に質問された場合の対応について考察した。無用に時間を延ばさないほうがよいが、インストのアクティブ/インタラクティブ・ラーニング(質疑応答・話し合い・自分でやってみる)も心がけると、ただルールを理解しているだけでなく、どうやって勝てるか、楽しめるかというところまで深められるだろう。