街コロレガシー(Machi Koro Legacy)
未知の要素を続々追加
日本産の定番ダイスゲームを、コンポーネントを改変していく連続ゲームにアレンジした作品。公になっているのは「ゲームごとに玉手箱を開封し、コンポーネントを改変」「全10回」だけなので、それ以外の具体的な情報に触れずにレポートする。
毎回、「初期施設」から何枚か選び、自分の前に置いてスタート。手番は『街コロ』と同様、ダイスを振り、出た目の施設で収入を得、新しい施設を買い足していく。ストーリーがあって、ゲームが終わる毎に新しい要素が加えられていく。10ゲーム目になる頃にはてんこ盛りで、プレイ時間も30分では終わらない。
毎ゲーム共通するのは、お金を溜めて、3つのランドマークと1つの公共事業を作ること。これを一番先に達成した人がゲームの勝者となる。公共事業はゲーム毎に変わり、前のゲームで公共事業だったものが次のゲームでは普通の施設になる。このようにして施設の一部が入れ替わり、ゲーム間に連続性をもたせている。
ゲームが進むにつれてお金なしで施設が作れるようになり、また施設を作る以外にできるアクションも増えるので、バランスが変わっていくのが面白い。難しいところは今回のゲームで勝ちを狙うか、次のゲームに向けて力を貯めておくかの選択。次のゲームに向けた準備は今回のゲームでは勝利を目指さないプレイとなるため、ちょっと盛り下がる。
さらに、ゲームが進むにつれてプレイヤー間の格差が開いていき、勝率に反映されるのも一長一短ある。ダイス運があり、どんなに不利でも一発逆転はできるのでこれで盛り下がることはないが、レガシー系対戦ゲームの宿命といえるかもしれない。
とはいえ、これらは勝敗にこだわりすぎるからこそ起こる問題なのかも知れない。そこまでこだわらなくても、『街コロ』の楽しさは損なわれないどころか、さらに増している。次々と出てくる新しい施設にワクワクし、優先順位を考えて施設の購入計画を練り、見事狙ったコンボを決めて大収入を上げて喜ぶ。『街コロ』は大好きだけれどマンネリ気味の方には、この流動的な作品を試す価値があるだろう。今度発売される『街コロ通』がこの作品への返信だというのも頷ける。
Machi Koro Legacy
ゲームデザイン・R.ダヴィオー&JRハニーカット
イラスト・堀田昇&J.D.キングスリー&S.トーレス
パンダザウルス・ゲームズ(2019年)+アークライト(2020年)
2~4人/10歳以上/30分×10ゲーム
『ビリー・ビーバー』日本語版、6月6日発売
ブリオジャパンは6月6日、『ビリー・ビーバー(Billy Biber)』日本語版を発売する。1~4人用、4歳以上、20分。
ビーバーのビリーくんに気づかれないように、そっと丸太を抜いていくゲーム。丸太を抜くときにビリーくんに気づかれ、騒がれてしまったら、抜いた丸太を戻さなくてはならず、決められた数の丸太を、一番最初に抜いた人が勝つ。
内容物:ビーバーダム一式(小川×1、岸辺×2)、丸太×42(オレンジ×10、黄色×12、茶色×20)、丸太のフタ×42(オレンジ×10、黄色×12、茶色×20)、ビーバー人形×1、木製スティック×1、日本語説明書付き、LR44×2個使用(テスト用電池付き)