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国際ゲーマーズ賞2025に『SETI』ほか

国際ゲーマーズ賞(International Gamers Awards)選考委員会は今月、ウェブ上にて今年の大賞作品を発表した。8月に発表されていた3部門各4~5タイトルのノミネートから、マルチプレイヤー部門に『SETI:地球外知的生命体探査』、2人プレイヤー部門に『指輪物語:デュエル 中つ国の決戦』、ソロ部門に『スタートレック:キャプテンズチェア』が選ばれた。

今年で26年目となるこの賞。イギリス、オランダ、フランス、ドイツ、イタリア、アメリカ、オーストラリア、南アフリカ、日本の9カ国から22名の審査員がボードゲーム愛好者の目で投票し、集計して発表している。

『SETI』はチェコ人デザイナーによる、探査機を打ち上げ惑星を探索するSFゲーム。ゴールデンギーク賞でヘビー級年間大賞を受賞し、来月発表されるドイツゲーム賞では3位以内に入っている。日本語版はホビージャパンから発売中。

2人プレイヤー部門の『指輪物語:デュエル 中つ国の決戦』は旅の仲間たちと闇の軍勢が指輪を巡って争うドラフトゲームで、日本語版はホビージャパンから発売中。ソロ部門の『スタートレック:キャプテンズチェア』は6人の艦長たちが宇宙船を指揮する1~2人用ゲームで、昨年のソロ部門の受賞作『インペリウム・ホライズン』と同じ作者がデザインしている(日本語版未発売)。

International Gamers Awards: 2025 Winners

【国際ゲーマーズ賞2025】

マルチプレイヤー部門:SETI:地球外知的生命体探査(SETI: Search for Extraterrestrial Intelligence)
ゲームデザイン:T.ホレック、イラスト:O.フルディナ他/チェコゲームズ出版(チェコ)

ノミネート:ボムバスターズ(Bomb Busters)、シヴォリューション(Civolution)、エンデバー:ディープ・シー(Endeavor: Deep Sea)、ギャラクティック・クルーズ(Galactic Cruise)、指輪物語旅の仲間たちトリックテイキングゲーム(The Fellowship of the Ring Trick-Taking Game)、ギャングポーカー(The Gang)

Duel Middle Earthj

2人プレイヤー部門:指輪物語:デュエル 中つ国の決戦(The Lord of the Rings: Duel for Middle-earth)
ゲームデザイン:A.ボウザ&B.カタラ、アートワーク:V.デュトレ/ルポ・プロドゥクシオン(ベルギー)

ノミネート:エージェント・アベニュー(Agent Avenue)、シヴォリューション(Civolution)、デューン:アラキスの戦い(Dune: War for Arrakis)、スター・トレック:キャプテンズチェア(Star Trek: Captain’s Chair)、エルダースクロールズ:第2時代の裏切り(The Elder Scrolls: Betrayal of the Second Era)、トイバトル(Toy Battle)アンドーテッド2200:カリスト(Undaunted 2200: Callisto)

Star Trek: Captain's Chair, WizKids, 2024 — front cover (image provided by the publisher)

ソロ部門:スタートレック:キャプテンズチェア(Star Trek: Captain’s Chair)
ゲームデザイン:N.ブックル&D.トゥルツィ/ウィズキッズ(アメリカ)

ノミネート:アリディア(Arydia)、コンサーヴァス(Conservas)、グルームヘイヴン:ボタン&バグス(Gloomhaven: Buttons & Bugs)、キングダムレガシー(Kingdom Legacy)、アンストッパブル(Unstoppable)

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長崎のボードゲームカフェ「サニーバード」を訪問

サニーバード旧店舗

今年5月に中心街に移転した長崎のボードゲームカフェ「サニーバード」を訪問。旧店舗時代からずっと行ってみたいと思っていて、行く夢を見るほどだったのが、夢が叶って嬉しい。

とはいえ山形から長崎は1400㎞も離れており、わざわざ行くには遠すぎる。そこにちょうど福岡のアフタースクール「び場」でボードゲームと場づくりについて講演を依頼され、オンラインでよかったものを交通費不要でいいからとお願いして行くことにした。仙台空港まで車で2時間、福岡空港までフライト2時間である。料金は早割で往復23000円。新幹線で東京に行くのとあまり変わらない。

サニーバード前店舗

サニーバード店主の平さんは前々日までの静岡ボードゲーム大祭に出店しており、大阪からカーフェリーで福岡へ。講演を見学してもらって、そのまま長崎まで自動車で送って頂いた。福岡から長崎まで2時間、高低差のある地形に住宅が密集する独特の街並みが見えてきたときは心が躍った。

自宅を兼ねているサニーバード旧店舗、倉庫に使っているサニーバード前店舗を見せてもらい、メガネ橋やトルコライス屋さんに寄ってからいよいよ新店舗へ。

ライトアップされためがね橋

繁華街の路面店となったサニーバードは、入口がショップ、奥がボードゲームカフェになっている。待ち合わせしていた赤瀬よぐさんとお話ししながら、カウンター席で「長崎ミルクセーキ」なるものを注文。美味い。

繁華街のバス停前にあるサニーバード新店舗
長崎ミルクセーキは卵を使ってリッチな味わいにしたシャーベット
手前のショップと、奥のカフェの間にはテーブル案内板が置いてある

ミルクセーキを食べ終わるとテーブル席に移動し、他のお客さんも交えて3つほどボードゲームを堪能。赤瀬さんのテストプレイ作品と、平さんがボードゲーム大祭から持ち帰った『タクタ』『ぬすっとキャット』である。

ボードゲームカフェのスタイルはJELLYJELLY CAFEのように広い空間にテーブルが並んでいるものが一般的だが、マーダーミステリーのプレイもあって個室を用意するお店も増えている。韓国ではカラオケボックスのように全室個室で動画でルール説明というお店もあるという。今回はオープンスペースで遊んだが、サニーバードにも個室がひとつ、半個室がひとつあって利用しているグループがいた。

カフェの奥は個室になっており、時折歓声が聞こえてきた

前店舗ではユーロゲームがよく遊ばれていたのが、新店舗になって客層が変わり、ほろ酔いで訪れる客などもいて、ルールが一発でわかるパーティー系が多くなったという。そういうゲームを遊ぶのはみんな流動層かというと、中にはルールの多いものも楽しむようになる人もいて、幅広いラインナップが役に立っている。

個室のほかに半個室もある。カフェの棚はパーティーゲームが多いが、半個室の棚にはアレアシリーズが収められていた

T斎藤さん、マジ森さんもいらして閉店後はボードゲームポッドキャスト「おしゃサニ」の収録(第489回「ボドゲde遊ぶよ!を語ろう!の巻!」)。楽しいひと時を過ごすことができた。公開をお楽しみに!

おしゃサニ「おたよりのコーナー」はこんな風に収録されていた