ライズ(Rise)

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あちら立てればこちら立たず

産業革命時代に都市を経済的・社会的に発展させるパラメータゲーム。デザイナーは『マニトバ』のコンビ。工業化を進めれば環境が悪化し、金融を上げれば幸福度が下がるというような、テーマに沿ったパラメータの上げ下げと、コストを掛けるほどアクションが増えるアクション選択の仕組みで楽しめた。

トラックボードは10枚あり、表面と裏面で異なる中身になっており、ゲームのたびに違う組み合わせで遊べる。毎ラウンド、アクションカード4枚とイベントカード3枚をランダムに並べてアクション選択開始。

アクションは4択で、10のパラメータを上げるというものだが、選んだアクションが奥にあればあるほど、実行できるイベントも増えるという仕組み。一番奥のアクションを選べば、3枚全部のイベントが実行できる。なおアクションやイベントはすべてアイコン化されており、テキスト読みがないのは好み。

アクションとイベントの組み合わせ、そして自分の所持金を見て、このラウンドはどこまで奥のアクションにするか考えるのは悩ましい。さらに同じアクションを誰かが選ぶとボーナスをもらえるので、それも踏まえて選ぶ必要がある。

ほとんどのアクションは、10種類のトラックボードのいずれかでパラメータを上げるというものである。パラメータを上げると、そのジャンルに応じてほかのトラックボードでパラメータが上がったり、臨時収入や定期収入が増えたりする。

なかでも環境と幸福度のトラックボードがゲームのカギで、環境が悪化するとボーナスがもらえなくなり、幸福度が下がると勝利点が下がる。たいていは収入の増加とバーターになっているので、悪化は避けられないが、科学や文化で回復しておきたい。

12ラウンドでゲーム終了となり、最終決算をして勝利点の多いプレイヤーが勝利。時間は4人で90分とゲーマーズゲームにしてはそれほど長くない。

ボーナスの「教育タイル」はプレイヤーごとに違うので、それをもとにしてどこを重点化するか戦略を組み立てる。文化に力を入れて幸福度を上げ、勝利点を地道に稼いでいくもよし、科学に力を入れてさまざまなジャンルで広く底上げしていくもよし。パラメータ上げがテーマ付けされていることでゲーム中の会話も楽しかった。

Rise
ゲームデザイン:R.コンサドーリ&M.プランツォ/イラスト:C.オッペラー
DLPゲームズ(2022年)
2~4人用/10歳以上/60~90分
ゲームストア・バネスト:ライズ

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