探険はガチャだがリソースは計画的に
今年を代表するゲーマーズゲームである。チェコゲーム出版から発売され、ドイツ年間エキスパートゲーム大賞ノミネート、ドイツゲーム賞1位、国際ゲーマーズ賞(マルチプレイヤー部門)を受賞。その中身は、デッキビルドとワーカープレイスメントとリソースマネージメントという、ゲーマーに人気のメカニクスを全部詰め込んだオールインワンの無人島の探険ゲームである(ついでにちょっとしたガチャも楽しめる)。
手番にはワーカーを配置して資源獲得などのアクションを行うが、アクションスペースに指示されたコスト(徒歩、船、飛行機)を支払わなければならない。探険が進むにつれて強力なアクションスペースが出てくるが、その分コストも上がり、ワーカーはいるのにコストが足りないことも出てくる。
アクションで手に入るリソースはお金、コンパス、石版、矢尻、宝石の5種類。リソースを支払うと発掘してアクションスペースガチャを引いたり、カードを購入して特殊能力が使えるようになったり、研究レベルを上げてより高級なリソースを手に入れたりできる。これらは全て得点につながるが、高得点になるほどリソースがたくさん必要になり、「イチ足りない」現象が頻発。他のプレイヤーとの早いもの勝ち競争もあり、どれを狙って何を集めるかを考えるのがこのゲームの中心となっている。
コストや特殊能力として使ったカードは捨て札になり、使い切ったらシャッフルして再び手札に戻ってくる。デッキ圧縮も少々できるが、どんどん増えていくので、いいタイミングで使いたいカードが手札に来るかは運次第でもある。
ワーカーの数も手札の枚数も一定であり、終盤はリソースよりも得点を選ぶ場面が増えるため、終盤にリソースが過剰になることもなく、最後までリソースの1つも大事にして緻密にゲームを進めなければならない。リソースがぴったり揃って高得点に結び付けられたときの嬉しさはやみつきになりそうだ。
Lost Ruins of Arnak
ゲームデザイン・ミン&エルウェン/イラスト・J.クス&O.フルディナ&J.ポリツァー&F.セドラツェク&M.バブロン
チェコゲーム出版(チェコ, 2020年)+ホビージャパン
1~4人用/12歳以上/プレイ人数×30分