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見破られるダンジョン

霧が立ち込める古代文明の遺跡を舞台に、1人の「遺跡役」と残りの「探検家」に分かれて戦う1対多ゲーム。ゲームマーケット2019春にSoLunerGから発売され、最後のゲームマーケット大賞を受賞。そして今年、透明シートなど遊びやすいコンポーネントでアークライト社から一般発売された。

遺跡役がついたての陰でタイルを並べて5×5マスの迷路を作り、その中に「衛兵」と他のプレイヤーコマを配置してスタート。探検家役は各自のマップを作るが、はじめは自分のいる1マスしかわからない。どこか1ヶ所に集合して脱出宣言することを目指す。

探検家の手番には方角をひとつ言って、遺跡役がそこが壁か通路かを教えるので、壁なら壁タイル、通路なら通路タイルを配置する。通路だった場合は続けてその先に進むことができるが、壁にぶつかったら手番終了となる。こうしてタイルを並べていくうちに、共通する地形を見つけ、集合場所を探る。5×5マスといっても、その外側には外壁があり、通路内の壁か外壁か最初はわからないから、共通する地形を見つけるのは容易でない。

しかも遺跡役の手番には、衛兵を移動して探検家を攻撃できる。攻撃に成功すると探検家が使うタイルが除去され、脱出する前にタイルがなくなると探検家の敗北となってしまう。攻撃されたときだけ、衛兵の居場所がわかるので、それを手がかりにして次の攻撃を回避したいところだ。遺跡役の手番の前に、探検家は「警戒カード」を仕込んでおくことでタイル除去を防げるが、2回続けて警戒することはできない。

さらに探検家にはそれぞれ固有のキャラクターカードがあり、ゲームの途中で公開して使用できる。壁を指定して内壁か外壁かを聞ける「考古学者」、自分の探検家から一直線方向に内壁がいくつあるか聞ける「破戒僧」などで、組み合わせると遺跡の全容が早く見えてくるだろう。1手番に何マスでも移動できるので、遺跡の全容がわかれば探検家は勝利したも同然である。

探検家のタイルは透明シートにのせて自由自在に動かせるようになったことで、共通の地形が見つけやすくなった。その分、遺跡役が勝つ確率は減ったとも言える。しかし攻撃にするかしないか、右に進むか左に進むか、ゲーム中どこかで勝敗を決める選択を迫られる場面があり、そこまで高まっていくスリルが、まるで映画のようでエキサイティングである。

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ゲームデザイン・明地宙/イラスト・中村尽
SoLunerG(2019年)+アークライト(2021年)
2~4人用/10歳以上/30分

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