列車Aを通した後に列車B
ヨーロッパ(裏面はアメリカ)の鉄道で貨物を港まで運び出す協力ゲーム。デザイナーはアメリカ人で、コスモス社(ドイツ)が今年のシュピール・デジタルで発表した。ダイスで進む列車があちこちのスイッチや信号で足止めされまくるのを、カードでコントロールしてスムーズに運行させなければならない。
手番の最初には「運行指示カード」を引き、新しい列車の配置や移動が指示される。配置はダイス2個を振った合計のスタート地点へ、移動は列車の色に寄って異なるダイスということで、かなり運の要素が大きい。神出鬼没で荒ぶる暴走列車(チクタクバンバンとも)をどこまで制御できるかがプレイヤーの腕の見せどころだ。
手番プレイヤーはアクションカードを何枚でもプレイして、信号機やスイッチの位置を変え、列車を通りやすくする。ボード上には、いろいろな早さの列車が何台も走っており、列車Aを進めた後でスイッチを変え、今度は別方向から列車Bを通し、その後ろから列車Cが追いかけるというような操作を行う。中央運転指令所にいるかのような感覚が味わえる。
列車は途中の都市で貨物を積み込み、港まで届ける。規定数の貨物を届ければ全員の勝利となるが、一定の手番が経過して届け終わらないと敗北になってしまう。さらに、スイッチや信号、ほかの列車で足止めを喰らい、移動しきれなかった分は「時間チップ」を失い、一定数なくなると残り手番数が減らされてしまう。
1ゲーム目はヨーロッパマップで。安全を狙って灰色の鈍行列車を多く出したが進みが悪く、クリアならず。2ゲーム目はアメリカマップで。今度は灰色の列車を極力出さないようにして、黒の急行列車でどんどん運ぶ作戦。黒の急行列車はスイッチや信号に引っかかりやすくリスクが高いが、先に先に対策していって無事クリア。
手札以外は公開情報だが、路線が複雑に絡み合っていて1人では思いつかないのと、ダイスが多用されていることによって最善手がはっきりしないことから奉行問題は起きにくいように思われる。頭を非常に使うけれども、ダイスでいい目が出た時にほめたりして和気藹々とプレイできた。マニュアルによれば今後拡張マップも予定されているらしく、コスモス社が今度どのように展開するか楽しみだ。
Switch & Signal
ゲームデザイン・D.トンプソン/イラスト・C.シュテファン
2~4人用/10歳以上/45分