鼻の差で出し抜く
小箱ながらしっかりしたプレイ感に定評のあるアドルング社(ドイツ)が昨年発表したこのゲーム。デザイナーはイタリア人。粟、岩塩、金、水の4種類の商品をラクダにのせ、種類ごとのマジョリティを狙う。
このゲームに登場するトゥアレグ族とは、アフリカ北西部の遊牧民である。アルジェリア、ニジェール、マリなど数カ国にわたり、サハラ砂漠の国境を越えて交易する。箱絵にあるように、青いターバンに民族衣装をまとう。
手番は基本的に補充かラクダに積むか。山札が切れたときラクダにたくさん積んでいればよいが、特殊カードを買うのにラクダに積んである商品を使うので、安心はできない。
補充は山札から3枚引いて手札に入れ、1枚を場(市場)に出す。手札の上限は4枚までで、それを超える場合は市場に出さなければならない。
ラクダに積むのは手札か、市場からで1回につき1頭のみ。積み方には種類や枚数などの制限があり、手札とラクダを見て積む商品を考えるのはパズル感覚だ。市場にある商品は要するに余り物だが、塵も積もれば山となる、である。
ラクダは各自2頭しかいない。ラウンドがまだ終わらなさそうであれば、ラクダに積んだ商品で特殊カードを買おう。もっと商品を積める「ロバ」、ラウンド終了まで商品を確保できる「穴」、他の人から商品を盗める「泥棒」、そしてゲーム終了時に得点になる「地図」の4つがある。売り切れ次第終了。これらを有効に活用して、さらに商品を集めたほうが強い。
ラウンド終了は山札がなくなって、1回ずつ手番を行ったら。商品の種類ごとに、ラクダに積んでいる分を数え、勝利点を得る。勝利点は商品によって異なり、希少なもの(水、金、岩塩、粟の順)ほど高い。
2ラウンドの合計で勝敗を競う。第1ラウンドから持ち越した手札と特殊カードをどう使うかもポイントとなる。
確実に得点できるアイテム「地図」を独占したくさのまさんが1位。ラクダにのせられる枚数がもともと少ない上、特殊能力カードを買うのに商品を使うため、マジョリティーはいつも微妙なラインで決まるのがしびれる。確実に1位を取れると思っていたら「泥棒」で盗まれたり、「穴」に意外な商品が仕込まれていたりと、特殊カードの効果も憎い。1ラウンドはあっという間に終わり、せっかく買ったく特殊カードが使えないままになることも。短時間ながら悩みどころの多いゲームである。
Tuareg
F.ベラルディ/アドルング(2011年)
2〜5人用/10歳以上/20〜45分
プレイスペース広島:トゥレグ
ゲームストアバネスト:トゥアレグ