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ヌルボック(Null Bock)

色男 金と力はなかりけり
ハンサムなオス鹿カードで、魅力的なメス鹿を射止めるゲーム。日本ではあまり知られていませんがペールというデザイナーの個人メーカー、スフィンクスはテーマで笑わせてくれます。このゲームは昨年のエッセンで発売されました。

メス鹿の奪い合いは、中央のアリーナと各プレイヤーの前の「路地裏」で行なわれます。中央のアリーナには、最初メス鹿が集まってきます。ある程度集まると今度はオス鹿がやってきて取り合いが始まります。一番強いオスがメスを総取りできるのですが、最弱の「ヌルボック」はどんなオスにも勝ってしまうのです。「色男! 金と力はなかりけり」というやつですね。1周する間に誰も他のオスを出さなければ、アリーナのメスをゲットできます。ゲッチュー!
さて、「路地裏」の方はというと、メスよりも強いオスを出すだけで一本釣りできます。ですが、そのオスを今度はメスでハントできるのです。ハントしたオスは手札に入り、再利用できます。アリーナのオスは使い捨てですので、路地裏から優秀なオスをハントしてきましょう。ちなみに路地裏には11以上の魅力的なメスは出せません。
最後に自分のハーレムにいるメスの点数を合計し、手札に残っているメスの点数を引いて、得点となります。人にとられたくなくてメスを出し惜しみしていると、大きなマイナスを食らいます。
このように、ストーリーとシステムがしっかりかみ合っている上に、どのカードをどこに出すか悩ましい、とても面白いカードゲームでした。このところカードゲーム運がよいというこばやしさんが1位。私は高級なメスを出すタイミングを逸してしまい、だんとつビリでした。弱っちいメスでも他の人が狙い始めるとつい熱くなってしまうあたり、男のサガを見た気がしました。
Null Bock
H.ペール作/スフィンクスシュピーレ(2002年)
3〜6人用/10歳以上/45分
テンデイズゲームズ:ヌルボック

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シュピールボックスに日本の記事

独 Spielbox 3/03 隔月刊のドイツ・ボードゲーム専門誌「シュピールボックス」の3号(6・7月)において、日本のゲームシーンを紹介する記事が掲載されました。ひとつは「ナンバー2(久居つばき/リム)」の紹介で、「アジアの文字に日本のコミック風イラストはなじみがないが、アレックス・ランドルフへのオマージュと記されているところが目を引く」と紹介されています。販売元の住所が記されています。作者の久居氏はサンプルを編集部に謹呈したとのことで、これが実を結んだかたちとなりました。

 もうひとつは「日本ボードゲーム大賞」で、国産ゲーム部門を中心に取り上げ、1位がブロックス、2位が「オリジナルの日本ゲームで、日本語能力が必要なゲーム」としてワードバスケット、3位がカタンというところまで報告しました。また海外ゲームの入門者部門にトランスアメリカ、フリーク部門にプエルトリコと2つのドイツゲームが選ばれたことを興味深いと評しています。また定番アンケートでは「6ニムト!を抜いてカタンが一番」と報じています。

 ドイツから遠く離れたこの日本に、ドイツゲームの波が到来していることを、ドイツ人は非常に興味深く見守っていることを表すものということができそうです。