似ている
ゲームを紹介するとき、「○○に似ている」とほかのゲームを引き合いに出すことが時々ある。遊んでいない人にどういうゲームか説明するのはなかなか難しいものだから、端的に言えるこのやり方は便利なものだが、その一方で誤解を与える危険もある。
先日あるゲームを遊んだ後の会話である。そのゲームは、あるサイトで「○○に似ている」と言っている人がいた。それを知っていた参加者は遊んだ後になって、「似てるかなー?」「確かに似ているとこもあるけど、そこがこのゲームの肝じゃないよね」「ほかのゲームでもよくあるし」「わざわざ○○を引き合いに出す意味ないよね」などと文句たらたら。
以前にも、一般発売される前にメビウス便で遊んだ人が、「このゲームの面白さは○○と似ている」というようなことを書いたのがもとで、世間の興味を減退させてしまい、「どうせ○○と同じなんだろ。高いお金を出して買う気になれない」という態度で遊ばずじまいの人を多く生み出したことがある。ウェブで発言する人がまだ少なかったという事情もあるが、「○○に似ている」という言葉のインパクトの大きさを物語るものだろう。
類似性とは、差異の中の同一性である。AさんとBさんが似ているというのは、ほかは異なっているのに例えば「同じ目をしている」からである(オリヴィエ・ルブール著『レトリック』白水社)。つまり全同ではない。全同だったら、それは同一性であろう。これはちょっと考えれば当たり前のことなのに、差異があるという前提は忘れがちだ。まずこの点「○○に似ている」という言葉を、聞くほうは「同じ」と誤解しないよう気をつけたい。
しかし、実際のところ誤解を引き起こすのは、「○○に似ている」というほうの説明不足による。「何が似ているのか」ということを明らかにしていないのだ。さらにはあまりに瑣末なものを類似性として取り上げているせいかもしれない。
たとえ傑作のゲームと似ているといっても、それ以上の面白さはないというマイナス印象は避けられない。ましてや世間であまり評価されず消えていったゲームと似ているなどというのはもっとマイナス印象を与える。ゲームの紹介をするとき、別のゲームに言及するのは細心の注意が必要なのである。どうしても言及したいなら、どこがどう似ているかまで明確に。私もときどきやってしまうので、自戒として。
カードゲームの写真をどう撮るか
ウェブサイトでボードゲームの紹介をするとき、写真を載せるのは効果がある。百聞は一見にしかずでまどろっこしい説明を省くことができるし、コンポーネントやイラストの美しさを印象付けることもできる。
ウェブサイトの管理者で集まってボードゲームを遊ぶと、1ゲーム終わるたびに恒例の撮影会が始まり、翌日や翌々日に方々のサイトに掲載されることになる。
デジカメで撮った写真はすぐにアップロードできるが、アングルを変えて何枚も撮り、そのうち一番よかったものを多少でもレタッチした方がよいだろう。暗い写真、逆光、ブレなどがあると同じゲームでも印象がだいぶ下がってしまう。
それでもボードのあるゲームならば、どう撮っても画面いっぱいに美しい光景が広がるのであまり苦労はいらない。問題はカードゲームだ。いろいろなサイトの写真を見ていると、大きく分けて以下のような撮り方があるように思われる。
- プレイ中のテーブル上
最もオーソドックスな方法。6ニムトのように場札を並べていくゲームならばこの方法がベストかもしれない。しかし手札中心で場にカードがあまり並ばないようなゲームは寂しく見える。 - プレイ中のテーブル上+手札接写
そこで手札を手前に広げ、場札と一緒に撮るという方法がある。ゲーム中の雰囲気はよく出るけれども、相対的に場札が遠く・小さく・暗くなってしまってよく見えない。 - 適当に並べて接写
そこでゲームが終わってからカードを何枚か適当に並べ、それを接写するという方法がある。場合によっては目立つ1,2枚だけを撮ることも。カードのイラストをじっくりと見るのによいが、ゲーム中のカードの動きは再現できないのが難か。 - 適当に並べて接写+箱
アドルング社のカタログで見られる方法で、カードを並べ、そこに箱を置いて撮る。寂しさはだいぶ緩和されるが、ゲームに関係ない箱を写すのはレポート感を削ぐ。
この頃私は3.で撮っています。でも写真もデジカメもレタッチも素人なので、もっといい方法があったら教えてください。