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オランダゲーム賞2012ノミネート

オランダゲーム賞(Nederlandse Spellenprijs)の審査委員会は今月12日、今年のノミネート作品5タイトルを発表した。昨年までは秋の選考となっていたが、今年から夏の開催となり、選考方法が変更になった。
大賞は3ヶ月繰り上がって昨年の3月から1年間にリリースされた新作。また昨年までは審査員が選んだノミネート作品(8タイトル)から一般投票によって大賞を決定していたが、今年からは大賞まで審査員が決める。ノミネートも5タイトルに絞られ、ドイツ年間ゲーム大賞に近い時期・方式を採用したとみられる。
ノミネート作品はドイツ、アメリカ、フランスの作品が並び、毎年1〜2タイトル入っているオランダ国産品は入っていない。「大人向け」を掲げるオランダゲーム賞。昨年は『ハンザ・テウトニカ』が『世界の七不思議』を上回って1位になったが、今年は選考方法の変更で受賞傾向にどのような変化があるか注目される。
【オランダゲーム賞2012】
ノミネート:電力会社:最初の火花(Hoogspanning: De Eerste Vonken / 999ゲームズ)
  〃  :ランカスター(Lancaster / クイーンゲームズ)
  〃  :モンド(Mondo / ホワイトゴブリンゲームズ)
  〃  :忍者刀(Ninjato / ホワイトゴブリンゲームズ)
  〃  :タケノコ(Takenoko / マタゴー出版・アスモデ)
Nederlandse Spellenprijs:Verkiezing 2012

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トップシークレット(Top Secret)

重要文書を爆破!
ブラッツ社は、経済的困難に陥ったシュミット社を1997年に買い取り、社名をシュミット社に変更したため、それ以来、ブラッツ社としてはゲームを出版していない。しかし90年代はランドルフの『イースター島』(1994)、クニツィアの『メンバーズ・オンリー』(1996)などをリリースし、ドイツゲームの黄金時代を形成した。この作品も小箱のカードゲームながら、デザイナーにT.シェープス(『十二星座ゲーム』)を起用している。
スパイとなって、価値の高い秘密文書を金庫にしまうゲーム。ランドルフにも同じタイトルのスパイゲームがあり、こちらも『ハゲタカのえじき』ばりの同時公開(手札を1枚出して、一斉にめくる)であるため、混乱してしまうが、バーストの要素があってエキサイティングなゲームだ。
トップシークレット
手札にあるのはいろいろな得点の秘密文書カードと、みんなの秘密文書を爆破するテロリストカード、だれかの秘密文書を盗むもぐら(二重スパイ)カード、そしてテロリストから秘密文書を守るスペシャルエージェントカードの4種類。全員が、手札から1枚を選んで一斉にめくる。
秘密文書カードは爆破も泥棒もされなかった場合、そのまま自分の金庫にしまえばもう安全である。ところがこのゲームのポイント、そのまま金庫の外に出しておいて、次のラウンドに同じ数字のカードを出し、再び爆破も泥棒もされなかった場合、得点が2倍になる。魅力的であると同時に、高得点のカードはみんなが狙ってくるのでリスクも伴う。
高得点カードを2倍にするには、みんなの裏をかかなければならない。序盤からいきなり狙うか、少し後にするか、それとも終盤にテロリストやもぐらが切れたところを狙うか。シンプルゆえに、大いに悩むところだ。
うまくほかの人のテロリストや泥棒を避けられただけでなく、高得点のカードを盗んで2倍にすることもできた私が1位。高得点を出すたびに盗まれたり爆破されたりしたcarlさんとの違いは何だったかといえば、勘が冴えていたというぐらいか。テロリストを出した人は「ドカン!」というルールがあり、高得点のカードを爆破できると気持ちいい。
Top Secret
T.シェープス/ブラッツシュピーレ(1995年)
2〜6人用/8歳以上/20分
絶版・入手難