『ディクシット:ジンクス』日本語版発売
ホビージャパンは本日、人気コミュニケーションゲーム『ディクシット』をコンパクトにした新作『ディクシット:ジンクス(Dixit Jinx)』日本語版を発売した。3〜6人用、8歳以上、15分、2100円。
フランス発のボードゲームながら、フランス年間ゲーム大賞のみならず、ドイツ年間ゲーム大賞まで受賞したボードゲーム『ディクシット』。その続編はパッケージとカードをコンパクトにして、持ち運びも便利にし、価格もぐんと抑えたお手軽バージョンだ。ルールもスピーディになっている。
プレイヤーの中の1人が語り部となり、場に並べられた9枚の抽象的なイラストが描かれたカードの中から指定された1枚について、その絵柄から連想される言葉(歌でも、演技でも可)を言う。ほかのプレイヤーは語り部のヒントをもとに、どのカードを表しているか当てる。当たったらポイント。外れたら、語り部のポイントになるが、全員が外れたら語り部の失点になってしまう。
ほどほどに分かりやすいヒントをうまく出せるか、またそのヒントをうまく読み取れるかという、『ディクシット』の楽しさをそのまま継承している。
カードのイラストは、『ディクシット』よりもアブストラクト味が増して、表現に工夫が必要となった。簡単なルールで、スタイリッシュなカードイラストと、その他のコマ類を使わない持ち運びに便利なシンプルなコンポーネントで老若男女で楽しく遊べる、リアルタイム・コミュニケーションパーティゲームだ。
ホビージャパン:ディクシット
キャッツ(Cats)
ネコたちの正体隠蔽ゲーム
今年のゲームマーケットでは隠れた人気テーマが「ネコ」だった。ネコ好きな人がテーマやイラストから入ってくる。海外ではネズミが主役でネコはお邪魔者だったり(『ネコとネズミの大レース』)、『ネコネコミキサー』などというブラックな作品だったりして、ネコが主役のゲームにはなかなかお目にかかれない。
このゲームは30年近く前のゲームだが、かわいい猫のフィギュアと、ネコの好物のフィギュアが入っている。ゲームの最初に非公開で指定された自分のネコを、同じく非公開で指定された好物にたどりつかせるのが目的の正体隠蔽ゲーム。アメリカの『キャッツ・マンション(Cats’ Mansion)』の多言語版である。
自分の番には、ネコとアイテムを合計4マス移動する。どのネコでも、どのアイテムでも動かしてよいところがポイント。自分のネコばかり動かしていると怪しまれるから、カモフラージュすることが必要だ。4匹のネコを1マスずつとか、1匹を3マス動かしてアイテムは1マス移動とか、さまざまな組み合わせが考えられる(アイテムは2マスまで)。
ネコがほかのネコの隣に入ったら、ニャー!とそのネコをおどかして1マス押しやることができる。これを利用して自分のネコをアイテムに近づけるという手もある。
移動が終わると、その移動について順番に賛同を得る。反対の人は、手札のニャーカード(その色のネコに限る)を出して、ネコを別の部屋にワープさせてもよい。そのワープにも反対があれば、さらにニャーカードを出し、1周の間に誰も反対しないか、強制終了のシャーカードが出るまでネコはあちこちを徘徊する。
そうこうしているうちに、自分の指定のネコとアイテムが同じマスに入れば勝ち。しかしその前に、ほかの人に自分のネコがばれてしまうと、カードでワープできなくなり、自分でアイテムまで移動するしかなくなる。ゲーム中に1回だけ、他人のネコを予想するチャレンジができるというルールがこれである。外れればチャレンジしたほうが自分のネコを明かすというリスクを伴うが、リーチしたプレイヤーを止めるのに有効だ。
さてやってみるとすぐ、いつ終わってもおかしくないゲームであることが分かった。ネコが次々とワープするので、たまたまアイテムの近くにワープしてくるとあっという間に上がれるからだ。そのチャンスを狙って、アイテムを絶妙な位置に移動しておく。一方ネコはどんどんワープするので、誰がどのネコを担当しているか読みにくい。一度、ここで自分の番になれば勝てるというタイミングがあったが、あっさりワープされてしまった。誰も反対するな!と心の中で叫ぶ。そのうち2回目のチャンスが回ってきて、今度は反対する人がいなかったので勝利ニャー!
コマが大きくて、本当に部屋の中をネコたちが歩き回っているようだった。ネコは気まぐれでどこにいくか読めないところも、忠実に再現されていたと思う。
Cats
作者不明/シュミット(1984年)
2〜4人用/10歳以上/60分
絶版・入手難