トリガー(Trigger)
焦ると分からなくなるイエスノー
先日の日経新聞で子供のいる家庭向けオススメプレゼントで1位になった『ドブル』。あの丸い缶は、フランス人がアメリカで設立したブルーオレンジゲームズ(サンフランシスコ)の共通フォーマットである。同じサイズの缶でライトな作品をすでに10タイトル以上リリースしている。同じ缶入りのカクテルゲームズ(フランス)に追いつきそうな勢いだ。
このゲームも、その中の1つ。オリジナルはフェルティ社(フランス)で発売された『クリック(Déclic!?)』という作品。質問にイエスなら右手、ノーなら左手を出して、早く出すほど得点(間違っていれば失点)というパーティーゲームだ。フランス語では遊びにくかったが、英語になったことで何とかそのままでも遊べるようになった。
親が質問を読み、ほかのプレイヤーは中央の的(思い切り手を出しても痛くない、ふかふかのスポンジ)の上に右手か左手を出す。イエスなら右、ノーなら左。
質問は「キングコングは類人猿である」などクイズのこともあるし、「私は男である」などプレイヤーによって答えが変わることもある。クイズなら正誤はどちらか一方だが、プレイヤーによって変わるものはイエスとノーに分かれる。いずれの問題でも、間違わずに出した人が得点。しかも先に手を出した人ほど得点が高い。
「親の両どなりに座っている」「年明けまで5ヶ月を切っている」「12-1は13である」「今は午後ではない」など、ちょっと考えれば分かるはずなのに焦るとどちらの手を出したらいいか分からなくなる問題が多いのがポイント。「○○ではない」という問題は、日本語で「はい」がノー、「いいえ」がイエスになるのもややこしい。
Trigger
J.センティス/ブルーオレンジゲームズ(2010年)
3~8人用/8歳以上/20分
国内未発売
ブラフーンズ(Bluffoons)
ブラフゲームのデパート
ドイツのボードゲームメッセで見つけてきたイギリスのボードゲーム。出版社はパンツ・オン・ファイヤーゲームズ。英語で、子供の野次”Liar Liar Pants On Fire(ウソつき、ウソつき、パンツ火がつき)”から取っている。メッセのブースでは、下から光と風が当てて火に模した布(スーパーによくあるアレ)の上にパンツを下げて目立っていた。
そのパンツ・オン・ファイヤーゲームズが今年発表した作品がこの『ブラフーンズ』だ。5つのブラフゲームを制して、最初にゴールに着くことを目指すという、まさにウソつきゲーム。
コインを何枚握ってる?
手番プレイヤーのコマが止まっているマスのゲームを行い、勝者がコマを進める。ゲームのカテゴリーはコイン、カード、ダイス、ジレンマ、じゃんけんの5種類だ。
- コイン:各自コインを0~2枚握り、プレイヤー全体で何枚握られているかを予想する。ほかの人の予想から、多めに握っているか少なめに握っているかを予想するが、あべこべを言っている人がいるかもしれない。
- カード:1~15の数字が書かれたカードを混ぜて1枚ずつ配り、順番に1からカウントアップ。配られたカードより大きな数字を言っていると思ったらチャレンジする。平気な顔で数字を上げるチキンレースが楽しい。
- ダイス:4つのダイスを振って出た役を宣言。次の人はチャレンジするか、パスするか、レイズして振り直す。役はワンペア、ツーペア、スリーカード、フォーカードの4つしかないのでレイズは難しいが、その分、奇跡的に高い役が出たときの興奮は異常。
- ジレンマ:有名な囚人のジレンマを実体験。1人を指名し。自分とその人が「協力」か「裏切り」かのカードを同時に出す。2人とも協力なら1マスずつ進め、2人とも裏切りなら3マスずつ戻る。片方が協力で片方が裏切りなら裏切りを出したほうが3マス進める。
- じゃんけん:最初に何を出すか宣言してからじゃんけんする。当然うそをついてもよい。「グーを出します」「じゃあ私はパーを出しますよ」「じゃんけん、ポン!」
さらに、1対1で戦うデュエル、カードやダイスを見ないで宣言しなければならない「ブラインド」があって変化に富む。ブラインドのカードかダイスで勝つとブラフーンカードがもらえ、じゃんけんをやり直すなどの特殊能力が得られる。
じゃんけんの読みが冴えて私が最初にリーチをかけたが、その得意としていたじゃんけんで塚本さんに負けてからはずるずる後退。ゴール前での一進一退の攻防を制した塚本さんがウソつき王者となった。
Bluffoons
R.マックラッキー、S.M.ウォーカー/パンツ・オン・ファイヤーゲームズ(2012年)
3~6人用/8歳以上/45分
国内未発売