ジェンコン2013、参加者新記録
8月15日から4日間にわたってアメリカ・インディアナポリスで行われたアナログゲームのイベント「ジェンコン(Gen Con)」は、過去最高となる49,000人が参加したことが主催者発表で明らかになった。昨年の41,000人から2割の増加となる。
ジェンコンは1968年にウォーゲームのイベントとして始まり、今年で46回を迎える。このほかに、イギリス、パリ、スペインで行われたこともある。初年度から行われていたウィスコンシンから、インディアナポリスに移ったのは2003年からで、当時の参加者は25,000人だった。
会期中は360団体以上が出展し、12000の大会やミニイベントが行われた。この中には、日本代表のてっぺい氏が準優勝を果たしたドミニオン世界選手権も含まれる。インディアナポリスの観光協会によれば、ジェンコンの開催によって4700万ドル(47億円)の経済効果があるという。
先日お伝えした「カタンの開拓者たち1000人同時プレイで世界記録に挑戦」は922名が参加し、これまでの記録816名を上回って世界記録となった。
来年の開催は8月14日から4日間。
・Gen Con:Gen Con Indy 2013 Continues Record-Breaking Growth
終わった世界と紺碧の記憶(Old World and Code of Nines)
大どんでん返しは手元に
廃墟の世界に目覚めた人造人間たちが、バラバラになった使命について情報を集め、人類の思いに応えるボードゲーム。『惨劇RoopeR』で一世を風靡したBakaFire氏が2012年のゲームマーケットで販売し瞬殺。翌年に再版がかかったものの、再び絶版となっている。頭文字をつなげるとネットスラングの「オワコン」(終わったコンテンツ)になるタイトルが絶妙だ。
ゲームの内容は、各自がもっているメモリーカード(得点条件や脱落条件)にそってアイテムを集めるというもの。メモリーカードは各自2枚ずつもっており、最後には全員に適用される。したがって自分のメモリーカードだけでなく、ほかの人のメモリーカードまで考慮に入れてアイテムを集めなければならない。直接見れる場合もあるが、全てを見られるわけではないので、ほかの人の行動から推理していく必要がある。
フルカラーの美しいコンポーネント
アイテムの集め方はワーカープレイスメント。自分のコマを1枚ずつ「プレイス」というマスに置いて、アイテムをやり取りしたり、ほかの人のメモリーカードを見たりする。アイテムは「コイン」「スタチュー」「ブック」「白のレガシー」「黒のレガシー」があり、素点として0~3点がある。これがメモリーカードによって増減するという仕組みだ。そのほかに、強力なアクションの際に必要な「ウィル」というコストがあり、これもメモリーカードによって得点になる場合がある。
「プレイス」はラウンドごとに増えていくが、誰かが置いたところには置けなくなるので、優先して選ぶべきところはどこかをよく見極めたい。一方、ほかの人が真っ先に置いたところは、その人にとって最も得点が高いところだと予測できるので、重要なヒントになるだろう(それを見越してカモフラージュするという方法もあるが)。
さくさく進むので4人プレイで40分ほど。「なかった」という大どんでん返しのメモリーカードを私がもっていて、これを知った人は慎重に集める作戦。さらに「そして呪いあれ」というメモリーカードがあることも分かり、失点を避ける低得点の争いとなった。1点差で私の勝利。
メモリーカードの組み合わせが意外なドラマを生む。28枚のうち、1ゲームで使うのは8枚だけなので、ゲームごとに展開が大きく変わる。繰り返し遊びたいと思わせられる好ゲーム。まだ海外版は発売されておらず、このような素晴らしいゲームが遊べる日本人でよかったと思う。
Old World and Code of Nines
BakaFire / Bakafire Party(2012年)
3~4人用/10歳以上/30~40分
絶版、再販待ち
・Bakafire Paty:OWACON