ステステマーケティング(Sute Sute Marketing)
誰か捨てて! 俺は捨てないけどな
切手、消しゴム、ライター、牛乳キャップなどをコレクションするゲーム。コレクションの価値は、捨てられた枚数が多いほど上がる。捨てたくないが、捨てないと安い。そんなクニツィア風のジレンマを手軽に楽しめるカードゲーム。日本の同人サークル「芸無工房」から発表され、日本ボードゲーム大賞では国内最高位(9位)の評価を受けている。今年のゲームマーケット大阪で再版されたが、「日本ボードゲーム大賞9位っていうのが、作者的にかっこわるい」ようで、もう生産されないらしい。
ゲームは手番に2枚引いて、1枚を場に捨てるというのを、山札がなくなるまで繰り返す。捨てたカードは種類ごとに分けて並べておき、何枚あるか分かるようにしておく。あとはジョーカーカード「静かなブーム」があるくらいで、いたってシンプルな進行である。しかし、何を捨てて、何を手札に残すか、非常に悩ましい。
山札がなくなったら得点計算。手札を公開して、種類ごとにアイテムを最も一番多くもっている人は、捨て札の枚数分だけ得点が入る。二番目に多い人は一番多くもっている人の枚数だけ得点で、三番目以下は得点なし(同点は頭割り)。
すなわち、場にたくさんカードが捨ててあって、自分が1枚だけ抜き出ている状況が理想である。しかしそううまくいくとは限らない。
種類ごとに全体で何枚あるかは、カードに書いてある。たくさん枚数があるのに、場にあまり出てこないときは、みんながガメていることが予想される。「おいおい、このままじゃ1位をとっても点数低いですよ」などといって、ほかの人が捨てるよう誘導するのは基本。お互いそんなことを言い合って、ヘンな譲り合いになるのが笑える。
5人プレイで30分ほど。集めかけたカードを捨てるか、それとももっと集まるのを待つかの瀬戸際が悩ましい。枚数の少ないカードほど、中盤からトップ目かどうか分かってくるので、その情報を元に取捨選択していくのが頭を使った。悩みつつも、「消しゴムもっと捨てないんですかー」「あーあ、牛乳キャップ捨てちゃった!」など言葉が行き交い、賑やかな雰囲気で楽しめた。
ステステマーケティング
北条投了/芸無工房Loserdogs(2013年)
3~6人用/8歳以上/30分
『カルカソンヌ:修道院』、期間限定販売
ハンス・イム・グリュック社(ドイツ)は、今年のイースターに合わせて『カルカソンヌ』のミニ拡張セット『修道院(Die Klöster)』を販売している。今月27日までの限定販売。その後は、ドイツ選手権の記念品として配布される。4.99ユーロ(約700円)+送料3.95ユーロ(550円)。
ドイツの有名な修道院を6枚のタイルに収め、基本セットの修道院タイルと交換するか追加してプレイする。このタイルには、通常通り修道士としてコマを置くか、修道院長として寝かせて置くことができ、修道院長として置いたコマはゲーム終了まで帰ってこない。
修道院長の得点は、その修道院タイルから縦横4方向に連続するタイル数×1点(修道院タイルも含む)。道や都市がつながっていなくてもよい。広がりの大きい中心部に置けば、周囲が囲まれていなくても高得点が期待できるようになっている。
ハンス社のショップcundco.deには、ほかにもさまざまな拡張や関連グッズ、絶版ゲームなどが販売されているので覗いてみるとよいだろう。
・cundco.de:Mini/Promo-Erweiterung Die Klöster