エニグマ(Enigma)
1箱で4度美味しい
4種類のパズルを同時プレイで早解きするゲーム。フィンランドのデザイナー、ターコカリオ(『エクリプス』)が発表したものを、今年になってツォッホ社が多言語版にした。1粒で4度美味しいゲームである。
- 天秤パズル:左右の数字の合計が合うように分銅コマを載せるパズル。全く置かなくてもよいマスがあるところが曲者。
- タングラム:三角形や平行四辺形のタイルを決められた形に並べるパズル。温泉旅館などに置いてある例のアレ。
- 水道管パズル:水道管タイルを絵柄が合うように並べるパズル。タイルの数が多いので厄介。
- 立体パズル:4色の積み木を並べて、上から見たときに指定された色にするパズル。下に隙間ができてはいけない。
スタートプレーヤーから1種類ずつ選んだら、そのタイルを取ってゲームスタート。めいめいが「無理ー!」とか悲鳴を上げながらパズルを解く。最初にできた人は砂時計を反転させ、その砂時計が落ち切る前に完成させればクリアとなる。時間内に完成したときの嬉しさったらない。
パズル早解きだから、得意不得意が出るのは仕方がない。でもこのゲームには『ウボンゴ』のように、早く解いても勝てるわけではない仕掛けが施されている。
パズルをクリアした人はタイルを置き、自分のコマを置くことができる。タイルの裏は電子回路になっていて、回路が閉じられたとき、自分のコマを置いた色の数だけ得点になるという仕組みだ。いくらパズルを解いても、回路が閉じないことには得点が入らない。この『カルカソンヌ』のような仕組みにより、協力したり便乗したり、あるいは足を引っ張ったりすることになる。
4人プレイで40分。序盤に全く解けず出遅れたが、先に解いた人たちが回路を広げすぎて四苦八苦している間に細かい点数を重ねた。しかしそこに油断が生まれる。あと1点としたところでスタートプレイヤーになり、最後の1枚を、得意だったタングラムで仕上げる……はずが失敗。その後はいいタイルが先に取られてしまい、集中力を欠いて負け。人によって得意とするパズルが違うところが面白い。
Enigma
T.ターコカリオ作/コンピート(フィンランド、2012年)、ツォッホ出版(ドイツ、2014年)
2~4人用/8歳以上/30~45分
メビウスゲームズ:エニグマ
『キング・オブ・ニューヨーク』日本語版、10月中旬発売
ホビージャパンは10月中旬、怪獣たちが死闘を繰り広げるボードゲーム『キング・オブ・トーキョー』の続編『キング・オブ・ニューヨーク』日本語版を発売する。2~6人用、10歳以上、40分、5200円(税別)。拡張セットではなく、単独でプレイできる。
『マジック:ザ・ギャザリング』のゲームデザイナー、R.ガーフィールドの人気作品が、ニューヨークに舞台を移して再登場。フランス語版、英語版、ドイツ語版と同時発売となる。ライバルのモンスターだけではなく、強力な火力を誇る人類の軍隊とも戦い、ニューヨークの王者を目指す。
自分の番にはダイスを6個振り、ダイスの目によって、敵モンスターの攻撃、回復、カード購入のためのエネルギー獲得、建物や軍隊の破壊、スーパースターカードの獲得を行う。軍隊から攻撃を受けたり、自分のいる場所を移動したりすることもある。ライバルより先に勝利点20点を稼ぐか、生き残っているモンスターが自分だけになったら勝利。
新しい要素として「名声」が加わり、条件を達成することで街のスタートなって勝利点が入る。またボードはいくつかのエリアに分かれ、モンスターを攻撃したり、軍隊の攻撃から逃れたり、建物を破壊したりするためにエリアを移動していく。建物を破壊すれば勝利点が入るが、軍隊に狙われることになる。
『キング・オブ・トーキョー』のモンスターを入れてプレイすることもでき、その逆も可能。お気に入りのモンスターでニューヨークを荒らし回ろう。