『進撃の巨人』がボードゲームに デザインはボウザ&モーブロン
クリプトゾイク・エンターテインメント(アメリカ)は2016年、日本のコミック『進撃の巨人(英題:Attack on Titan)』をテーマにしたボードゲームを制作していることを明らかにした。デザインは、A.ボウザとL.モーブロン(共にフランス)が担当する。
A.ボウザは日本通で知られ、代表作に『世界の七不思議』『花火』『タケノコ』などがある。L.モーブロンは『キャッシュ&ガンズ』のデザイナーで、2人は今年のゲームマーケット2015春で来日している(TGiWニュース)。
クリプトゾイク・エンターテインメントは『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』『ゴーストバスターズ』などのボードゲームを次々と制作しており、今回はフランスの出版社ドント・パニック・ゲームズとのコラボによりこのゲームを製作する。そして今週末に開かれるロサンゼルスのアニメ博と、パリの日本博で展示されることになっている。
ボウザとモーブロンはコンビで『ランペイジ:怪獣征服』(TGiWレビュー)をデザインしているが、『進撃の巨人』は新しいシステムになる。1人のプレイヤーが立体の巨人コマを担当し、ほかのプレイヤーが登場人物を担当して巨人コマを登り、倒すことを試みるという。
・ICv2:’Attack on Titan’ Board Game
・CBR:’Attack on Titan’ board game coming from Cryptozoic(プロトタイプ写真)
ヒーローカンパニー(Hero Company)
ヒーローといえどサラリーマンなわけで
月刊『ヒーローズ』の連載で単行本にもなっているコミックを、『街コロ』のグランディングがボードゲームにした。「ヒーローカンパニー」の社員となって、5人戦隊のライバルと協力しつつ出しぬき、高い評価を得ることを目指す。
毎ラウンド3つの事件が起こる。「痴漢」や「コンビニ強盗」、そして「無差別暴行」「銀行襲撃」など。その合間に「特訓」も行われる。これらの事件を見て、順番にどの事件に向かうかを決める。自分の現在の戦闘力を見て、解決できそうなところを選ぼう。ほかの人と同じ事件に向かってもよい。
ここで「イベントスキル」というカードを出すことができ、ほかのプレイヤーを同じ事件に集めたり(「緊急招集」)、逆にほかの事件に飛ばしたり(「ここは任せろ」)といった調整ができる。難事件には助っ人を呼び、手柄を奪われそうになったら追い出してしまうという利己的なヒーローたち。
事件の解決は基本ダイスで、「バトルスキル」というカードでダイスを増やしたりできる。勝利条件の数字を上回れば解決。満たなければ同じ事件に参加している次のプレイヤーがサイコロを振って累積させる。全員がサイコロを振っても勝利条件に満たなかった場合はライフを失う。出目が大きい「必殺ダイス」をどこで振るかが大事だ。
解決すると、解決したプレイヤーにポイントと、参加した全員に(ダイスを振っていなくても!)「査定カード」か「技カード」が渡される。「技カード」は上記のイベントスキルかバトルスキルで、次の事件に備えておく。「査定カード」はゲーム終了時にポイントになるが、プラスばかりとは限らない。「無駄な出費」や「命令違反」のカードを引くとマイナスになってしまうので、「イベントスキル」でほかのプレイヤーに押し付けてしまおう。
最後はライフが残っているプレイヤーの中で、ポイントの多いプレイヤーの勝ち。だから当然、協力より競争である。他人の足を引っ張ってでも出世を目指す!
5人プレイで30分。難易度の高い事件に全力を注いで、そこで得られる報酬で次の事件に立ち向かう作戦だったが、最後の決戦まで体力がもたなかった。そのため最終ラウンドは手を抜いて、こそこそと査定カードを奪ったり押し付けたり。ヒーローとしてどうなのかという戦いぶりで1位。ヒーローだったら、確率の低いダイスで奇跡の一発逆転といきたいところだが、現実はそうではないみたいだ。
ヒーローカンパニー
菅沼正夫/グランディング(2015年)
3~5人用/10歳以上/30分